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異変5
「うりゃ」
盗賊のボスと見られる男が剣を振りかざす。
学は剣で受け流すと、切っ先を盗賊団のボスに突きつけた。
「どうした、これでおわりか?」
学は、魔法を使うまでもなく盗賊団をおとなしくさせた。
「どうして魔法なんかほしがるんだ?」
学が盗賊団のボスに問いかけると、ボスは驚いた目で学を見た。
「魔法が使えれば、一生食いっぱぐれねぇじゃねえか」
学はこの世界で魔法というものがどれだけ重要なのか考えていた。
翼とあやのとハナが、他の盗賊たちを倒すまで、あっというものだった。
「聖女フローレンス、魔法はそんなに珍しいものなのか?」
「それより、お体の具合は大丈夫ですか?」
あやのが学より先に聖女フローレンスに駆け寄った。
「大丈夫じゃ。心配かけたのう」
聖女フローレンスは立ち上がると、腰を叩いた。
「ふうう、こんな時間まで起きていると美容に悪い」
学が言葉を受け流してもう一度質問した。
「魔法って、そんなに希少なのか?」
「そうさな、パーティのメンバー全員が二種類もの魔法を使えるとは初めてのことじゃっった。
フローレンスは背中を伸ばして、ため息をついた。
「おかけで、始まりの神殿に行けば魔法が授かるという噂になってしまったようじゃ」




