異変4
西の洞窟は町からそう離れていなかった。
馬車と言うこともあって、町から5分ほどでついた。
「ここは、何かありますか?」
学は町長に尋ねた。
「何もねえよ」
町長は馬車を止めながら答えた。
「薄汚いところね」
翼は言った。あやのも頷いた。
「早く助けないと」
ハナは学の腕にしがみついたまま、そう言った。
「盗賊は5人といっていたな」
学はみんなに問いかけた。
「はい、そう言ってました」
あやのが答えた。
「それにしても小さな洞窟ですね」
翼はそう言うと、町長は馬車に下げていたランタンを持ってきた。
「そうさ、小さな穴蔵さ。」
町長はそう言うと学にランタンを渡した。
「警備兵がやられている。5人という人数から考えるとそこそこ強いかもしれない」
学はランタンを受け取ると頷いた。
「じゃあ、気を付けて行ってきます」
西の洞窟は本当に小さな洞窟だったため、入り口付近から盗賊たちの声が聞こえた。
「なんで俺たちには魔法が使えねえんだよ」
「だから言ったじゃろう、素質がないのだと」
聖女フローレンスの声が聞こえる。元気なようで、学たちはホッとした。
「だれだ?」
学たちは盗賊たちに見つかった。
「俺は学。生徒会長だ」
学はそう言いながら剣を構えた。
「生徒会長?なんだそりゃ」
盗賊たちも剣を片手に学たちを囲みにかかった。
「聖女フローレンスを助けに来た」
学がそう言うと、盗賊たちはアイコンタクトをして、襲いかかってきた。