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異変3
西の洞窟は、始まりの神殿の真逆の場所にあった。
つまり、町からはあまり離れていない。
夜更けだったこともあり、次の日に出直すことも考えたが、聖女フローレンスの年齢も考えると一刻を争った方がよい。
学はみんなの様子を見た。
ハンナのビストロで、十分休めたが馬車での移動は思っていたよりも負担だった。
「翼、大丈夫か?」
翼は目を光らせて頷いた。
「大丈夫だよ」
「あやの、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。急がないと」
あやのは髪をなでながら、答えた。
「ハナ、無理してないか?」
「ご主人様こそ無理してませんか?」
ハナは学にじゃれつきながら答えた。
「町長、大丈夫か?」
「おうよ、早くばあさんを助けにいこうぜ」
町長はそう言うと学たちを馬車に乗せた。
「おっと、今日の売り上げはおまえが家に運んでおけ」
町長はそう言って今日の売り上げを警備兵に渡した。
学は警備兵に尋ねた。
「盗賊たちは何人いた?」
「5名ほどかと」
「そうか、なら何とかなりそうだな」




