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町へ3
「町へはあとどれくらいですか?」
学は町長に問いかけた。
「邪魔が入らなければ後1時間ってとこだ」
馬車は夜道を疾走して行く。
辺りは暗くなっており、息とは別の雰囲気がある。
「ちょっと寒いね」
あやのが学の腕に抱きついてきた。
翼が横目でジロリとみる。
ハナは学ぶの足の間でうつらうつらしていた。
学は鼻の頭を撫でながら、これからのことを考えていた。
こうして護衛の仕事をしながらレベルアップを目指すのも悪くない気がする。
一方でそんな時間はあるのかと自問自答する。
生徒会長として責任をもってみんなを元の世界に返さなくては。
学はため息をついた。