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始まりの場所
「ここは始まりの場所」
老婆はそう答えると、3人の顔をまじまじと見た。
「今度の勇者様はちと骨が有りそうじゃな」
「そこの宝石に触れてごらん」
老婆はそう言いながら祭壇に飾られた宝石を指差した。
あやのが初めに手を伸ばした。
すると青い石が鋭く輝いた。
「水の石じゃな」
その言葉が放たれたと同時に、あやのの体が水に包まれた。
「次は私」
翼が手を伸ばすと、赤い石が光った。
「火の石じゃ」
今度は翼の体が炎に包まれる。
「最後は俺か」
学が手を伸ばすと光に包まれた。
「珍しい、光の石とは」
老婆はそう言うと、学の顔をじっと見た。