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宴の準備
僅か100人程度の街だったが、スライムを倒したと言う話は一瞬で広まった。
「今宵は宴じゃ」
老婆がそう言うと町長もうなづいた。
広間にテーブルが広げられた。
「黄金の林檎を取りに行くぞ」
町民はそう言うと埃をかぶっていた大八車を出してきた。
「林檎のパイ作るのも久しぶりね」
「沢山取ってこなきゃ」
「勇者様方にはお礼の言葉も見つからないのじゃ」
老婆はそう言うと深々と頭を下げた。
「光の力は恐ろしく強いものじゃ。くれぐれも力に飲み込まれることの無いように気をつけるのじゃ」
そうこう話しているうちに、黄金の林檎が山と積まれた大八車が戻って来た。
「夜までには宴の準備が整うじゃろう」
そう言うと老婆は町長の家へと入って行った。