スライムの巣2
林の中は薄暗く、足元はゴツゴツとした岩だらけだった。
「2人とも気をつけろ」
学はそう言いながらスライムを剣でなぎ払いつつ歩いた。
「はい」
あやのは答えると、やはりスライムを剣でなぎ払った。
「キリがないねえ」
翼はスライムを避けながら歩いていた。
岩だらけだったが、特別変わった石は見当たらない。
学はスライムが多そうな道を選んで歩いていた。
「あれ、じゃないか?」
もう数十メートルのところに青く光る大きな石が見えた。
「気をつけて行こう」
3人は慎重に歩を進めて行った。
その石からは確かにスライムが湧いて出てきていた。
学は剣で石を叩いて見たがびくともしない。
「翼さん、炎の魔法お願いします」
「あやのは水の魔法な」
2人が手をかざし、各々の魔法を使うと、石に一筋のヒビが入った。
「学さん!」
学は剣に手をかざす。光が剣からあふれ出した。
「えいっ!」
学が光の剣を降り落とすと、岩はパカリと割れ、その輝きを失った。
「これでもうスライムが湧いてくることもないだろう」
学達は上を見上げるとそこには、黄金の林檎がたわわに実っていた。
「町に戻ろう」
そう言うと3人は踵を返して歩き出した。