初めてのコントラクト
れみさんのアクセルの使い方は二種類しかない。
ベタ踏みか踏まないか。
れみさんのハンドルの使い方は二種類しかない。
思いきり切るか切らないか。
そう、れみさんの運転は1か0で急発進急停止
そして遠心力をフルに使ったカーブ。
アーケードゲームの様なテーマパークのアトラクションの様な運転だった。
れみさんは運転しながら小言を言う。
「ちっ、踏んでも加速しない。軽みたいなポンコツね」
とか
「ハンドルが全然回らないわ。これだから年代物はポンコツね」
だったり
「ほんとブレーキ思いっきり踏んでも全然効かないじゃない。このポコチンがぁ」
などなど、運転が荒い理由を全部、車のせいにしている
te pukeはputaruruと同じくらいの田舎
この遅い時間なら走ってる車と1台もすれ違わないから
れみさんの運転がどんなに荒くたって、対向車と事故る心配は限りなく0に近い
道も日本と比べ物にならないくらい広いから、何かと衝突する心配も限りなく0に近い
0に近いのだが、この運転からは命の危機を感じる
20分間、この恐怖と隣り合わせて目的地である事務所に着いた。
「ここが事務所だよ!無事着いてよかったわー
ここで待ってるから行ってきなー!」
れみさんはそう言うが
無事に着いたけど無事じゃないよ...
とは言わずに
「ありがとうございました!行ってきまーす」
と言ってジョナサンと一緒に事務所の方へ歩く。
いくつか小さな扉を抜けた所に事務所があるらしく、少し入り組んだところに案内された。
「ここだよー、ここでcontract(契約書)書くよ。」
そこはプレハブ小屋の様な小さな建物
「分からないことあったら通訳するから言ってね。
ヒゲが特徴的な人が雇い主で、見かけは胡散臭いけど給与はしっかり払われるから」
頼もしすぎるジョナサン...!!
マイクが雇用主だと思ってたんだけど、その理由をジョナサンに聞くとマイクがあのガレージ(家)のオーナーで
ヒゲの人が仕事を与えて、マイクがすみかを与える
そうやって連携して商売をしてるみたい
すなわち、ボスはマイクじゃなくてこれから会うヒゲだったのだ
そしてヒゲに会うため、contract(契約書)を書くため建物の扉をあける
キキッ...
古い木製の音と共に扉が開いた。
「Hey how are you ?」
扉開けた正面に座っている男が挨拶をする
「I’m good thank you 」と答え、雇用主であるヒゲを探す
中にはデスクが2つあってそのデスク前に2人座っている。
2人のどっちかが真のボスだ。
左側に座っている人は女性でヒゲが生えていない
今、挨拶してくれたこの男の口元には
ヒゲのようなものが口元から生えてる
ってことはこの案内してくれた人が雇用主だ。
「have a seat」
真のボスは女性が座っているデスクの前の方を指しながら言う。
「yes 」と答え、ついでに口元に生えている
ヒゲのようなものを拝むために
長めに真のボスのヒゲ(顔)を見た。
僕は目を凝らした
...
真のボスの口元のヒゲのようなものは
やっぱりヒゲだったが
くるくるしている。
立体的にくるくるしてる。
ナルトみたいな渦巻きが鼻の下についていたのだ
どう剃ったらこんな風に鼻の下に渦巻きを描けるの
真のボスは僕がヒゲを見て固まっていることに気づいたのか
「do you want to do like this ? 」
(こんな風にしてみたいの?)
もちろん No と言いたくなる質問をしてきた
「little bit 」(ちょっとだけ)
僕は優しい嘘をつくことした。
「cool ! one day you should do this 」
(いいね!いつかやりなよ!)
何も言わず、ニコッとだけ笑って
案内された椅子に座って契約書を書く。
うん
絶対嫌。 鼻の下に渦巻きストロー生やすなんて
「 here is contract 」(これが契約書)
秘書の様な女性は僕の前にcontract(契約書)を置いてくれた。
一面びっしり英語で書かれたcontract(契約書)
ここにカタカナが書かれてても気づかないだろう
...
盛った。それは流石に気づくけど
本当に何書いてるか分からん...
僕は助けてもらうべくジョナサンの方を見た
「どうした?分からないとこある?」
「分からないとこしかないです...」
「contract(契約書)は難しいからね」
ジョナサンは笑いながら言う。
「書かなきゃいけないとこだけ言うから書いていって
後、パスポートとvisaのコピー必要だから用意しててね」
「ほんと助かります...ありがとうございます...ジョナサンマン」
あんなに難しくて分からなかったcontract(契約書)
ジョナサンのおかげで、必要最低限の事を理解して記入を終えて、明日から働ける様になった
contract(契約書)を書き終え僕らは事務所を後にする
「よう!終わったかい?ウインドランナー終わるまで待っててー!」
れみさんは携帯を横画面にして、画面を叩きながら言う
また恐怖のドライブが、その後編が始まる..




