初めての星空
僕は後部座席に座った
wairakeiからte pukeまでは約125キロ
時速100キロ制限下では1時間半もあれば目的地到着だ。
続いて夫婦が運転席、助手席に乗る。
夫さんは僕がこれから住む家までの通路を調べるため
ボスからのメールで住所を確認した。
ついでに、レッドゾーンにいる携帯の充電もさせてもらえた
前に携帯を取られた時とは違い、携帯を渡しても安心感しかない。
夫さんは行き方について確かめたいことがあるらしく
ボスに電話して目的地までの道を確実にする。
確認が終わり、いよいよお昼から8時間近くもいたガソリンスタンドを背にする。
アクセルが押され車が進み
ドライブの火蓋は踏んで落とされた。
しかし、なんだろう
先程から、何かのにおいが鼻に付く
これはどこからなのか。
車の窓は閉まっているため、車内の中からしかありえない
クンクン...
やはり、車の中から何かのにおいがにおう
匂いっていうよりも臭い、クサい方だ
その様子を見たからか奥さんが言った。
「ops I’m sorry I spilled milk 」
(あ、ごめんなさい。ミルクこぼしちゃったの)
ん?ミルク?
あぁ、ミルクをこぼしたから車の中が臭いのか
車をクサくした犯人はお前だったのか!
僕はまた被害者に...
でも、前回の刃物と比べ今回はミルク
世界は平和になったものだ
僕は笑って、「it is okay」と伝えた
ドライブ中に夫婦は僕に色んなことを聞いてくれた
もちろん僕の英語は拙く、どもったり
言葉が詰まったり、そもそも言葉にできなかったり
それでも、夫婦は僕が何を言いたいかを
理解してくれようとした。
「you will better than before if you kept practice for English 」
(英語の練習を続けていったら前よりも良くなっていくよ)
聞こえた単語を並べる
前 よりも よく もし 練習
単語を合わせて文を作ると
「前よりもよくなる もし練習したら」
よし、なんとなくわかるぞ。
そのために英語のプラクティスさせてくれてるって
本当にいい人達で...
いっけね、ミルクが目に染みて...
僕は鼻を抑えた。
2人は僕への質問だけではなく、
分かりやすい単語でゆっくりと2人の馴れ初めや今まで観光してきた国々
これからの予定っぽいことを話してくれた。
だが
僕は頷くであろうタイミングで頷いて
笑うであろうタイミングで笑った。
2人が話している話を正直、2割ほどくらいしか理解できていない。
本当の会話とは何か分からなくなりそうで、心が腐る前にキチンと英語を学ぼうと心の底から誓った。
道が進み、森が拓けて、視界が開き
僕らを乗せた車はハイウェイに来た。
右のドアガラス、左のドアガラスを見える景色は、
だだっ広い草原に、その草原が隆起した山々がボコッボコっと生まれているだけ
ただ、それだけなのに壮大に見える。
また、フロントガラス、リアガラスから見える風景は
暗闇のせいかこの道が永遠と続いているように見える
カチッ
その音の後に何かが開くような音が聞こえた
2人はルーフを指していう。
「look up there 」(上を見てみて)
僕は一度瞼を閉じて、そしてまた、ゆっくりと瞼を開いてから2人が指した場所を見た
...
そこには
僕らのルーフの上には素晴らしい景色が
「million stars in the sky」
(何百万の星々が空を描いていた)
小さい頃、プラネタリウムで見たような景色が
今、目の前で広がっている。
下手したらかつて見たプラネタリウムよりも星の数が多くて
「目を奪われる」とは今の僕のようなことを言うのかもしれない
すごっ...
圧巻の絵を見ても、それ以上の言葉で僕は表現できなかった。
そして、僕らはその何千万の星々に見守られながら
目的の地 te pukeに着いた。




