初めての警察署
図書館から家は歩いて行けるくらい近いから一瞬、間違えても家にすぐ着いた。
パスポートに携帯の充電器に必要なものは...
これといって思いつかないから
ペットボトルに口をつけて渇いた喉を潤して車に戻った
タクシーの運転手に「okay」と伝え車が動いた
水を含み少し冷静になったせいか今のこの状況に対して緊張してきた
今まで無料のタクシーなんて思ってたけど警察の、あの警察の車に乗ってる。
別名、国家権力
うわ、国家権力なんて名前出したら無駄にもっと緊張してきたから
やっぱり無料のタクシーのお世話になってるって思うことにした
無料のタクシー...
うん。こっちの方がしっくりくる
連れてかれた場所は田舎にしては大きい警察署
そこの敷地内に車を止めて所々、簡易的な柵を開けてもらいながら建物に向かう
いざ入った建物の中は意外と簡易的だった。
白い壁に白い椅子と白いテーブル
白で統一されていて作りは大学の講義室に近い
ここに似ている教室で授業を受けていたせいか学生の頃の記憶が蘇る
懐かしいな。俺も数か月前までは学生だったんだもんな。
1人の警官がここに座りな。と椅子を引いてくれた
僕はそのまま案内されたそこの椅子に座った
「do you want to get coffee?(コーヒーいるかい?)」
椅子を引いてくれた警官がインスタントのコーヒーの瓶を
見せながら英語で聞いてる。
英語が分からなくてもボディランゲージから質問を理解できた
「yes」と答える
僕は被害者だから警察の対応は優しい。
でも僕はコーヒが飲めない。苦くておいしさが全く分からないのだ
ノリで「yes」なんて言ったことを軽く後悔したけど
呑めるようにするために苦みを殺せばいい
すなわち糖を以て苦を制す
砂糖くれないかな
「do you want to get sugar or milk?(砂糖・ミルクいる?)」
砂糖とミルクを持って質問してきたから質問をボディランゲージから理解できた
砂糖はちょうどほしかったよ!
砂糖を指さしながら「!yes!」とまた答えた
ついでだったのでミルクも指さした。
てか、正直ミルクだけのほうがいいk...
僕は被害者だから警察の対応は本当に優しい。
砂糖だけじゃない、ミルクだってくれるんだぜ?
この質問の流れなら次の質問は何か僕にはわかる。
次に警察はこう聞くはずだ。砂糖何個ほしい?と
「how many sugar do you want to get?」(砂糖何個欲しい?)
質問の内容は理解できないが[six please」(6個お願いします)と答えた
すると...
警察は不思議そうな顔をしながら砂糖を6つカップに入れてくれた
ミルクはシロップのものをテーブルに置いていった
想像してた牛乳パックの方じゃなくてシロップの方だった。
不思議そうな顔してたけどさっきの会話は砂糖の話で間違えではない?よね?
たとえ何言ってるか分かんなくてもこのように雰囲気から理解できた?よね?
僕も先ほどの警官と同じように不思議な顔をしてしまった。
あれ、そういえばどうして僕は警察署に連れて来られたのだろう?
車に乗せられたときは動揺していて言われるがままに車に乗ったけど
落ち着かせようとミルクのシロップを入れてコーヒを飲んだ
飲んだコーヒーはこの上なく甘かった
甘すぎて変な顔をしてしまった。
砂糖6個ってめちゃくちゃ多いんだなと警察署の中で知った
あぁそうか
あの警察官がしていたのはこの顔かと
砂糖6個なんて言われたらこんな顔をしてしまうな
僕はもう一口コーヒーを啜る
やっぱり飲んだコーヒーはこの上なく甘かった。




