~ 水 ドロボー ~
真夜中に 目が覚めて …
夜風に でも あたろうかな って …
本当に 深い意味なんて無くて …
私は こっそり 家を 抜け出した …
そぉっと … そぉっと …
足音 を 忍ばせてね …
家を出たら
直ぐ裏にある 湖へと向かったの …
夜空を 見上げたら …
星達 の 囁きが 今にも 聞こえてきそう …
湖 に 映る
月 と 星 …
ゆらゆら 揺れて …
月 も 星 も 歪んだ … ?
「 えっ ? 」
私は 自分の目を 疑った …
突然 月が映る 湖 の 真ん中に
ポッコリ と 穴が開いて …
湖 の 水 を ゴォーッ!と 飲み込んだ …
「嘘でしょ ?」
吸い込まれるみたいに
飲み込まれて行く 水 …
ピチピチ と 小魚達が 跳ねる …
私が 立てる程 に なった
湖面 を 歩き
私は 恐る恐る 穴へと 近づく …
「ねぇ ! 誰かいる ? あのっ … お水 返してくれない ? 明日は パパ と ジミーが 魚釣りするの ! ねぇ お水 返してよ !ドロボー !!」
弟のジミー は 足が悪くて …
車椅子で 生活してるの …
月に 一度 …
パパ と 一緒に 魚釣りをする事を
何よりも 楽しみにしてるわ …
だから …
辛い リハビリも 頑張っているのよ !
「返せ! 水 ドロボー !!」
私は 夢中で 穴に向かって 叫んだの …
そしたら …
「あれっ ? キャッ ! 何 ? 何なの? イヤァ~ !!」
得体の知れない ヌルヌルが …
足を動かして …
私を 穴に 落としちゃったの …
「キャッ ! イヤァ~ ~ !!」
洞窟みたいな
岩や砂壁の 地層を滑り落ちて …
ザップ~ン ッ!
と 大きな 湖 に 落ちたの …
「誰か~ あっぷっ ! 助けてぇ~!!」
私は 必至に 助けを呼んだわ
だって 全てが 突然で
もう パニックって感じだったの …
ザップンッ! !
て 音が 聞こえて …
誰かが 私を抱き抱えてくれて
やっと 陸に上がれたら …
「あっ 熱っ! 何これ~! 熱いっ!」
その 陸の熱さと言ったら
まるで フライパンの上の
目玉焼きの 気分だったわ …
私が 片足づつ 上げて
何だか ダンスみたいに なっていたら…
そっと …
私の足元に 靴が置かれたの …
私は 慌てて靴を履いたわ
それから …
「ありがとう … って … 貴方 … 誰 ? …と言うか … 何人 ?」
小麦色の肌に 黒髪 …
腕に タトゥーを入れ
筋肉質な躰の …
その 男性は …
何処かの部族の …
戦士のように見えた…
彼 は ニコリ ともしないで …
「何シニキタ … 」
と そう聞いたの …
何しに来たって そんな 言い方って …
私 は 頭に来て …
「湖の水 返してよ !」
って 言ってやったわ
そうしたら …
「ソレハ 無理ダ ! 地球ガ決メタ事ダカラ…」
って 怒ってるみたいに そう言ったの …
何 この 失礼な 男 ! って
そう 思ったわ …
私 何て言えばいいのかを 考えていたら…
「ナァ … 女 … 地上ッテ ドンナトコ?」
って 彼が 聞いたの …
私は 先ずは 名のりなさいよっ!
って思って …
「私は カナン ! 貴方 お名前は? 」
って 聞いたの
だって 女って 言い方 失礼でしょ!
「名前? 呼ビ名 ? … NlYOL … 」
笑顔一つ 浮かべない …
取っつきにくい 男っ!
私 彼の事 そんなふうに 感じていたの …
だけど …
NlYOL は 私 に 聞いたわ
「カナン … 地上ノ風ハ … 心地良イト巨人カラ聞イタ … 本当カ ? 」
此の人 …
何言っているんだろ?って思ったけど …
NlYOL の 瞳が真剣 だったから…
「あっ あのね … そう言う日もあるし 風が強くて 困る日もあるわ … でも 何で 風の事なんか 聞くの?」
私は NlYOL に 聞いた …
「NlYOL … 風トイウ意味 … 俺ハ地底カラ出タ事ガ無イ … ダカラ … 地底ノ入リ口ニ暮ラス 巨人達ノ話シカ知ラナイ … 聞ケテ良カッタ … kwakwhay… 」
NlYOL は そう言って 微笑んだ …
私は NlYOL が
最後に言った 言葉が解らなかったけど …
何となく 聞けなくて …
頷いただけだった …




