02-「おうちを探して!」
「それでは、貴方に神の祝福がありますように」
その言葉を後ろから聞いて、扉が閉まる音を聴く
強く閉めなかったのはせめてもの優しさなのか
壊れかけの扉を気遣ってのことなのか?
……扉を気遣って、なんだろうが
よくよく考えてみればそうだ、前回の時は追いかけられて
殺されると思いながら逃げて、半分泣きながら飛び込んだのだ
普通に来たら、いくらお人好しと言えども怪しむのは当たり前だ
この教会で暮らしているのだろう子供たちが、警戒した目つきで
こちらを値踏みするように見てくる
全てに好意的な意思は感じられず、まだどこかへ向かって
動き出さない俺にさっさと出て行けとでも言いたげだ
「はぁ、どうするかぁ」
そう、諦めのような言葉を出しつつ、歩き始める
当てなんてないが、ここに居ることで事態が好転する事は
ないと思って、自分も解らないどこかへ足を進める
背後から、少し安心したような空気を感じて
自然とため息が出ていった
しかし、これはマズい。 住居の宛が無くなってしまった
当たり前だが、今の俺は金がない。身分もない。力もない。
ないない尽くしだが、それが現状である
当たり前の話なのだが、教会に入る前に
ちゃんと取り入る設定や言い訳を考えておくべきだった
何度かこの話を更新しながら進めていきます
一週間で1話が書ければなぁと考えております