象徴詩『エリ・クシール』
目隠しで飲む隷族
貧困の草 人束
産落の草 人束
支給された経口補炎の樹脂容器
乾いて焼けた瀉血の杯 ガラス片
俗の習いで習合する手足と頭の無い体
神仏浸り
心霊浸り
数式庭園
粉で出される
西域東域の天国
自分の干し肉を
しがんで立ち尽くす路上
届く天
触れない地
目隠しで飲む
塞の市街
焦げた死骸の産んだ贋児
世界痘の皮膚を剥かれて遊んでいた
想戦病院の傷病人
旗が靡く
ギシギシと唸る
偏頭痛の原因
擬性器のプラスチック
アニメ肌
ガリガリに痩せた経国催眠
麻黄の群生する校庭で
黄色い小さな花が咲き
三人の少女は死骸が産んだ
夕闇のヴェールを被り
腹から取り出したアイテラスを踏み潰し
飛び散った嘘に捕らわれ
声を上げて笑っていた
伝播する旋律
ラベンダー リルリル
ティーツリー
ラベンダー リルリル
互いに堅い金糸に首を繋がれ双子の
小夜鳴き鳥が排水口に詰まって
重い汚水が溢れていた
一秒に十万人 高速伝染する死病に
息を止めて喘ぎ
カリウムチャンネルを切った
閉じ込めチャンネル手術の成功者
シトラ・マタに模したホチュ・テピト
赤黒い顔面の鬱血と自殺イニシアチブ
昇天のシャッターは二重撮りの二重脳頭部穿孔
右目 左目 左目 右目 アジナー アジナー
エリ・クシール溶液に浸け置いたフラン
乾いた六個の眼球と二ツ唇
抜け出すには
ひとつずつ足りない
青い空
白い雲
青い空
白い雲
赤い目
焼ける雨が降りだし
目隠しで飲む終わりの日