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第四話

「………落ち着いた?」


俺は体を離しながら問い掛けた。


「は、はい。すみません、取り乱したりして」

「いや、俺のほうこそ、勝手なこと言ってごめん」

「いえ………私も思いっきり泣いてすっきりしましたから。それに、勝手なことじゃないですよ?少なくとも私は嬉しかったですから………」


そう言って頬を赤らめるエレミア。


「え?」

「あっ。いえ、その………」

「………」

「………」


気まずい沈黙が場を流れる。


「と、とりあえず木箱からでようか」

「は、はい。そうですね」


俺はエレミアに手を貸して木箱から引っ張り上げた。


「うわー、忘れてた。こいつらがいたんだった」


馬車内には3つの死体があり、1人が気絶していた。


「エレミア悪い。先に片付けておけばよかったな。………大丈夫か?」

「はい。冒険者をやっていると死体の一つや二つは見慣れていますから。それより、スレイは気絶しているだけですよね。今の内に縛っておきましょう」


そういってスレイに近づいていくエレミア。

と、そのとき!

スレイが急に立ち上がり、短剣を振りかぶった!


「危ない、エレミア!」


俺はエレミアを突き飛ばした!


「キャッ!」

「死ねぇぇえ!」


俺はスレイが繰り出した短剣を左腕で受け、抜剣した勢いそのままにスレイの首を跳ね飛ばした!


”レベルアップしました!Lv.6→Lv.7”


「ご主人様!」

「うぅ、いててて」

「ご主人様、傷を見せて下さい。すぐに治療します!」


エレミアは俺の腕を取ると真剣な目で傷口の検分を始めた。

俺の左腕には、短剣が刺さったままだった。見事に貫通している。どおりで痛いはずだ。


「短剣を抜いて、解毒してから傷口を塞ぎます。そうしないと、雑菌が入ってしまうかもしれないので。何か縛る物は………」


エレミアは倒れている死体に近づくと、服を引きちぎった。


「これで上腕を縛ります。………これでよし。力を抜いていてくださいね。せーのっ!」

「ぐっ!」


短剣が引き抜かれ血が漏れ出す。


「キュアポイズン、ヒール!」


エレミアが魔法を唱えると傷口が塞がっていくのが分かった。


「エレミア、もう大丈夫だ。傷は治ったみたいだ。痛みもない」

「分かりました。クリーン!………確かに傷は治ったようですね。紐を解きます」


エレミアがクリーンと唱えると腕についた血がキレイサッパリ消え失せた。


「すごいな。クリーンって何の魔法?」

「生活魔法です。ご主人様も〈スキルコピー〉を使えば覚えられるのでは?私からはコピーしていないんですか?」

「ああ、黙ってやるのも悪いと思って。そうだ!〈スキルコピー〉は俺から他人へも出来るんだ。良かったらエレミアのスキルをコピーさせてもらう代わりに俺のスキルをエレミアにコピーしないか?」

「よろしいのですか?私は今自由に行動出来ます。スキルをコピーした後に裏切るかもしれませんよ?」

「本当に裏切る奴はそんな言い方はしないさ。それにエレミアのことは信頼している。………一生守るって約束したしな。もし裏切られてもそれは俺がそこまでの男だったってことだ。エレミアを逆恨みなんてしないよ」

「すみません、ご主人様があまりに無防備なのでつい意地の悪いことを言ってしまいました。………提案を受けようと思います。私も強くなりたいですし」

「よし、分かった。〈スキルコピー〉!」


俺はまずエレミアからスキルと加護をコピーした。

〈鑑定〉。


〈クウヤ・カザオカ〉

年齢:17

Lv.7

種族:人間

職業:学生


体力:12600/12780

魔力:1760/2780

筋力:288+5.76

耐久:288

器用:288

敏捷:288

智慧:388

精神:388


ユニークスキル

〈スキルコピー〉


レアスキル

〈鑑定〉Lv.10

〈アイテムボックス〉Lv.3

〈隠蔽〉Lv.5


スキル

〈剣術〉Lv.2

〈体術〉Lv.5

〈調理〉Lv.3

〈算術〉Lv.5

〈光合成〉Lv.10

〈生命力強化〉Lv.10

〈成長力強化〉Lv.10

〈体力回復力強化〉Lv.10

〈魔力回復力強化〉Lv.10

〈突進〉Lv.3

〈指揮〉Lv.1

〈投擲〉Lv.1

〈回避〉Lv.5

〈火魔法〉Lv.3

〈魔力操作〉Lv.5

〈気配察知〉Lv.10

〈気配遮断〉Lv.10

〈鷹の目〉Lv.6

〈風魔法〉Lv.4

〈短剣術〉Lv.2

〈騎乗〉Lv.3

〈操車〉Lv.3

〈契約魔法〉Lv.4

〈槍術〉Lv.3

〈弓術〉Lv.3

〈魔弓〉Lv.3

〈生活魔法〉Lv.3

〈水魔法〉Lv.3

〈土魔法〉Lv.3

〈光魔法〉Lv.3


加護

〈エルフの加護〉


称号

〈異世界人〉



加護をコピーするには魔力が1000必要なのか。


「よし。ちゃんとコピーできたみたいだ。これからエレミアにもコピーするけど、なにか異常があったら教えてくれ」

「はい。分かりました」

「〈スキルコピー〉!」

「あっ!」


エレミアは驚いたように声を上げるとよろめいた。


「おっと。大丈夫か?」


エレミアの肩を支えて尋ねる。


「え、ええ。大丈夫です。スキルの情報がたくさん流れ込んできたので驚いてしまって」


いちおうエレミアを〈鑑定〉してみる。


〈エレミア〉

年齢:15

Lv.1

種族:森人

職業:奴隷/魔法使い


体力:10200/10200

魔力:400/400

筋力:20

耐久:20

器用:20

敏捷:20

智慧:130

精神:130


レアスキル

〈鑑定〉Lv.10

〈アイテムボックス〉Lv.3

〈隠蔽〉Lv.5


スキル

〈生活魔法〉Lv.6

〈火魔法〉Lv.5

〈水魔法〉Lv.6

〈風魔法〉Lv.7

〈土魔法〉Lv.6

〈光魔法〉Lv.6

〈魔力操作〉Lv.8

〈剣術〉Lv.2

〈体術〉Lv.5

〈調理〉Lv.3

〈算術〉Lv.5

〈光合成〉Lv.10

〈生命力強化〉Lv.10

〈成長力強化〉Lv.10

〈体力回復力強化〉Lv.10

〈魔力回復力強化〉Lv.10

〈突進〉Lv.3

〈指揮〉Lv.1

〈投擲〉Lv.1

〈回避〉Lv.5

〈気配察知〉Lv.10

〈気配遮断〉Lv.10

〈鷹の目〉Lv.6

〈短剣術〉Lv.2

〈騎乗〉Lv.3

〈操車〉Lv.3

〈契約魔法〉Lv.4

〈槍術〉Lv.3

〈弓術〉Lv.3

〈魔弓〉Lv.3


加護

〈エルフの加護〉


称号

〈追放者〉〈永久奴隷〉



「ん?魔法のレベルが上がってる?」

「魔法のレベルですか?」

「ああ。〈鑑定〉はスキルのレベルまでわかるんだが、エレミアが元々持っていたスキルのレベルが上がっているんだ。………もしかして俺が1回コピーしたからその分が上乗せされているのか?もしそうなら1日1回2人でコピーしあえば1度でもコピーしたスキルはLv.10に出来るってことか。こりゃまたチートだな」

「ご主人様凄いです!」


エレミアがキラキラした目で見つめてくる。

なにこの可愛い生き物。


「ま、まあ凄いのはスキルだけどな。それより、死体の〈ステータスカード〉を回収するんだろ?ついでに身ぐるみ剥いじまうか」

「そうですね。犯罪者のものは倒した人のものになります。特に問題は無いでしょう」


俺達は死体を漁って〈ステータスカード〉4つ、短剣2つ、槍1本、弓1張り、レザーアーマー2つ、それに金銭と思わしきものを手に入れた。


「俺はこの世界に来たばっかりだからお金の価値とか分からないんだよな。エレミア、教えてくれないか?」

「もちろんです。この丸い銅が銅貨、四角い銅が銅板、丸い銀が銀貨、四角い銀が銀板、丸い金が金貨です。ここにはありませんが四角い金の金板、丸い白金の白金貨、四角い白金の白金板、丸い朱金の朱金貨があります。価値は、銅貨が1円、銅板が10円、銀貨が100円、銀板が1000円、金貨が1万円、金板が10万円、白金貨が100万円、白金板が1000万円、朱金貨が1億円になります。今ある合計金額は75684円ですね」

「ちょっと待て。お金の単位が円なのか!?」

「はい。初代勇者様が日本語と共に広めたらしいです。ちなみに、街の食堂の定食が一食500円くらいです」

「円相場は日本と同じかそれより少し安いくらいか。しかし少ないな。やはり重要なものは御者の〈アイテムボックス〉に入っていたのかな?」「御者は〈アイテムボックス〉を持っていたのですか?死体の〈アイテムボックス〉は他の〈アイテムボックス〉所持者なら開けられるらしいです。試してみてはいかがですか?」

「そうなのか。やってみるか。………オープン!」


俺は御者の死体に触れながら亜空間を開こうとしてみた。


「お、ちゃんと開けたみたいだな。何が入ってるのか分かる。………直接俺の〈アイテムボックス〉に移せるみたいだな」

自分の〈アイテムボックス〉に移しながら、中身を確認する。入っていたのは、干し肉約1キログラム、樽に入った水約10リットル、玉葱3個、食パン2斤、水筒5個、柄杓1個、鍋1個、鍋吊るし1個、マッチ1箱、包丁1丁、まな板1個、折りたたみ式テーブル1個、ナイフ5本、フォーク5個、スプーン5個、平たい皿5枚、深い皿5枚、食器入れ5個、歯ブラシ5本、テント1式、寝袋5個、〈奴隷の首輪〉10個、男性服上下10着、男性用下着上下10着、女性服上下2着、女性用下着上下2着、布袋20袋、白金貨1枚、金板5枚である。

俺はエレミアに中身を説明した。


「エレミアの荷物は………これか。同じデザインの布袋だよな?」


そういって物資が入ったままの緑色の布袋を3つ渡す。


「ありがとうございます。………でもこのお金はお返しします」


そういってエレミアは金板を1つ渡してきた。


「いいのか?それは元々エレミアのお金じゃないのか」

「いいんです。奴隷のものは主のもの、奴隷がお金を持っていても取引してもらえませんから。その代わりに主は奴隷の衣食住を保証する義務がありますけど」

「お、おう、分かった。このお金はエレミアの衣食住を用意するのに使うとするよ。………じゃあこの死体を処分するか。馬車内も綺麗にしないとな」


俺達は死体を馬車の外に引っ張り出すと、〈火魔法〉で火葬した。そうしないとゾンビになってしまう可能性があるんだとか。馬車内はクリーンで綺麗にした。


「なあ、〈アイテムボックス〉になにか入ったまま火葬されるとどうなるんだ?」

「頭部が燃え尽きると同時に中身が周囲にばらまかれます。ゾンビになっても頭を破壊されると中身がばらまかれます。このことから、スキルは脳が管理していると言われています」

「なるほどな。さて、街は西だったか。街までこの馬車で何日かかる?」

「木箱の中で3日ほど経ちましたから、あと1日ほどで着くと思います」

「よし、〈操車〉スキルの練習がてら交代で運転しながら進むか。道すがらこの世界について教えてくれよ」

「はい、もちろんです!」


俺達は西の街に向けて馬車を走らせた。

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