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序章「夢」
子供の頃の夢は何だっただろう
警察官、俳優、スポーツ選手、芸能人、消防士
無数にある職業の中で僕は何に憧れ何を目指していたのだろう
思い出せない
いや正確には思い出そうとしていない
だって子供の頃の夢なんて叶うはずの無い夢なのだから
昔はキラキラした大きな宝石を皆心の中に持っている
でも、成長する内にその宝石は砕けて小さくなる
それを拾って、探して、生きていく
それが人生だと思う
退屈だ
この退屈で平凡で楽な日々に僕は埋没していく
抜け出したいと口では言っても抜け出すきなどさらさらない
なのにいつも僕は自分に問いかける
子供の頃の夢は何だったのだろうと