表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢世に憚る  作者: 神茅 朱琳
第一章
5/5

平和?



女神との会話から一週間がたつ。

それでも何にもない日々。

動きだせと言われて何をと聞いても教えてくれなかった、女神が悪い。

うん。女神のせいにして何も知らなかったことにすればいいのでは?



うんうん。と一人唸っていると、

ランセル兄上が隣に座っていた。



「クレスタ?どうしたんだい?何か悩みでもあるの?兄上にでも相談してみない?」


「ランセル兄上」



どうしよう。ランセル兄上に話しても理解出来ないよ。

それに話すなら最初から?

ということは、私は転生者です!って?普通の人間は信じない。




「もし。。。もしですよ?」


「うん?」


「兄上に使命があって、自分にできないなら誰かに助けをもらいますか」


「そうだね。自分にできることなら。でもちゃんと相談してからかな」


「そうですよね。相談」


「違うよ。クレスタが思っている相談と僕が言う相談は。相談する意味は見極めるってことだよ」


「見極める?」


「そうだよ。見極めるのは自分の敵か味方か。そして、自分にできることかを相談するんだ」


「そうですよね」


「それでクレスタはどうだい?」


「私も考えてから相談します」



ランセルは、クレスタの表情を見てにこやかに微笑むと立ち上がる。



「待ってるね」



ランセルの一言に首を傾げるクレスタだったが、一息つくと、はいっと笑顔で返事をするのだった。




どうしたものかと物思いにふける日々が続く。相談するとは言ったものの兄に相談するつもりは最初からなかった。


理由は簡単だ。


相談した結果が自分にいい結果となるはずがないと分かっているからだ。





「本日の座学は、精霊についてです。皆さん予習はしてきましたね?」



多くの生徒がうんうんと頷いている。



私は、実は予習などしてない。

この前のことを考え過ぎて忘れていたのだ。


今日あてられないように

こういうときは、黒板を見ない!

これ正解!!


と思っていたのが、間違いだったと知るのはその数秒後だった。



「そうですね。精霊と聖霊の違いをまずはクレスタさん?よろしいでしょうか?」



先生!全然よろしくない

分かりませんって言いたい



立ち上がったのはいいものの、頭パニック状態で何も入って来ない。

ふと隣のルーツ・アルバースのノート隅に書いた文字が目に入る。



精霊→自然界に存在する四大元素

聖霊→神から作られた存在

   聖霊との契約は、聖魔法と呼ぶ



と書かれている。

そうなのかと少し感心しながら、頷いていると、ルーツがトントンとノートを指した後に黒板をさしている。



早く答えろってことか。

納得すると、先生にノートそのまま説明する。



「よろしい。正解です。では続けます」



席に座るとルーツへノートの隅にありがとうと書きみせる。



トロいから、授業進まない

別にお前のためじゃない



そう書かれていた。

良い性格しているなこのガキ

予習してない私が悪いがお前は敵だ!



それからというもの、ルーツは私の中で最低な悪ガキと位置づけられた。




「それでは教科書の34ページを開けて下さい。まずは精霊についてです。先程説明していただいたように、精霊は四大元素で水、火、風、地の精霊がいらっしゃいます。四大元素の精霊はどの精霊も同じくらいの力を秘めていますが、精霊にも順列があります。精霊王→上位→中位→下位となります。精霊王はめったに我々とは契約を結びません。例外としてはフーラス家は風、アルバース家は地、ウォグレン家は水、そして皇家は、火です。このようにそれぞれ優位な血筋があります。その血筋の中で稀に精霊王と契約する方がいらっしゃいます。今分かっているのは、皇家ルーカス・フェルナンド様は火の精霊王と契約されています。この学院には、フーラス家やアルバース家、ウォグレン家の御子息や御息女がいらっしゃいますので、もしかしたら精霊王との契約者も出られるかもしれません」



ルーカス様は、精霊王と契約してる?

そんなこと話しにあったかな?

覚えてない



「聖霊は、聖魔法を主に使用できるようになります。といっても聖霊は、精霊王と同じくらい私達の前に出て来られません。最後に精霊や聖霊とは別に契約をすると使える魔法があります。しかしこれは禁忌とされる契約です。この禁忌魔法のやり方は、誰も知りません。そしてこの方法を知ること事態が禁忌に触れるということだけは覚えいて下さい」




ここまで話終えると、終了のベルがなる。



「本日はこれで終了となります。次回の予習も必ずしてくるように。それでは」



教師が手を一振りすると、黒板の文字が消える。その後コツコツと音を立てながら教室から出ていくと、教室がザワザワと騒がしくなる。



はい。ここで、重要なことがあります。

席は何順ですか?


とかではなく!!



私がボッチだということでもない。


友達がいないわけじゃないはず



いや領地に引きこもってたから友達作る暇なかっただけだし。


ほんとだし。


今から友達100人出来るもん!




と心の声を呟いても誰か気づいてくれることもなく

空しいままマーリーが作ってくれた昼ご飯を中庭でゆっくりと食べる。





何もないって平和だなー



クレスタ嬢が一人でご飯食べてらっしゃる


俺話かけてこようかな


俺もお近づきになりてぇ



クレスタ様は、私達と食べて下さらないよね


カフェで食べられないのでしょうか


そしたらご一緒できますのに




周りがチラチラと眺めていることにも気づかず、毎日中庭で昼ご飯を食べていることで友達ができないことを気づかない

クレスタ・フーラスだった。





ストック分終了です。

これから地道にぼちぼち書いていきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ