リボン
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ある春の日、12歳のアヤは町の小さな雑貨屋で一つのリボンを見つけました。
淡いピンク色で、端には金色の刺繍が施されていて、どこか特別な雰囲気が漂っていました。
アヤはそのリボンに一目惚れし、必死で貯めていたお小遣いで買いました。
家に帰ると、アヤはすぐにそのリボンを髪に結びました。
そして鏡を見ると、なんとリボンがふわりと光り始めたのです。
「なにこれ…?」アヤが触れると、頭の中に誰かの声が響きました。
「こんにちは、アヤ。
私はこのリボンに宿る精霊、ミュリルよ。」
驚きつつもアヤは勇気を振り絞り、話を聞くことにしました。
ミュリルは、持ち主の願いを一つだけ叶える力を持っていると言いました。
「でも、願い事を考える前に、自分が本当に欲しいものを知ることが大事よ」とミュリルは優しく語りました。
アヤは数日間、自分の願いについて真剣に考えました。
「お金?人気?それとも冒険?」いろいろ考えましたが、どれも本当に欲しいものとは違う気がしました。
ある日、アヤは学校で孤立しているクラスメイトのユカリが窓の外を寂しそうに眺めているのを見つけました。
いつも一人でいる彼女が気になり、アヤは思い切って声をかけました。
それをきっかけに二人は話し始め、次第に仲良くなりました。
その夜、アヤはミュリルに言いました。
「私の願いは、ユカリがもっと笑顔になれるようにすること!」
ミュリルは微笑みながら、リボンの力を解放しました。
その翌日から、不思議とクラスメイトたちもユカリに話しかけるようになり、彼女は少しずつ明るくなりました。
「ありがとう、アヤ!」ユカリの笑顔を見たアヤは、自分が本当に欲しかったのはこういう温かい繋がりだったと気付きました。
そしてアヤのリボンはそっと消え、ミュリルの声が最後に響きました。
「あなたの心の力が、周りを変えたのよ。」
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