紅葉月夜に、ガーネットのこころは
木の実時雨の
スタッカートが響く
足もとに
煌めく柘榴の実は紅く
いろは紅葉の
色葉は河のように
せせらぐ季節に
耳を澄ませながら
やがて街を
夕映えが包みこむとき
楓の梢は
輝く絵筆のように
あたたかな
色で景色を染めながら
和草が微笑む
小径にそよぐ風に
ブバルディアの
花は流れる星のように
紅葉月夜に
ガーネットのこころは
神話に彩られた
神来月の夜空
ペルセウスと天馬が
アンドロメダとともに駆ける
宙を北から
照らすケフェウス座は
月光に色づく
楓のひと葉のように
紅葉月夜に
ガーネットのこころは
夜空にあつめた
秋のしずくのように
煌めく光は
ガーネットスター
真紅の輝きを
映す瞳は情熱を灯して
宙はどこまでも
果てなく続いていくように
宙に描かれた
物語は続いていく
遥か東の空から
オリオンが
足音を響かせて
心の大地はどこまでも
果てなく続いていくように
心が描く
物語も続いていく
歩む道のりには
風の強い日も
凍てつく日も
きっとあるけれど
宙へとのばす
その手に
夢と情熱を
にぎりしめながら
色づき、
褪せることなく
心の大地へと
舞い降りてゆく
言の葉の
ひと葉、ひと葉を
大切にしながら
時に河のように
心を潤す葉が
時に道のように
心を豊かに彩る葉が
そして
そっと寄り添うような
心の葉が、きっと
遥かな神来月の
宙に微笑む
月と星を見つめて
紅葉月夜に
煌めく、ガーネットのこころは
11月頃から咲くブバルディアは、星の光のような花で、寒さに強く、「夢」「たゆまぬ情熱」が花言葉です。木の実時雨は木の実が地面を打つ様子、和草は柔らかい草などをさす言葉です。
ケフェウス座の「ガーネットスター」は、柘榴の実が熟す今の時期が見頃で、宝石の柘榴石のように紅い星です。
11月の夜空には、神話の王ケフェウス、王妃カシオペヤ、王女アンドロメダ、勇者ペルセウスをはじめ、神話に由来する星座が多く上ります。神来月は11月のことです。
季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。