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サヴァード

「ええまぁ、その通りですよ。改めまして、この世界で主神をやらせてもらってますヴァサーです。ここではサヴァードとお呼びください。それと、私の事は口外しないでくださいよ?」

「神様って地上に降りるんですね」

「まぁ、必要に応じてですね。義体なので力の制限が酷すぎて大したことはできませんよ? そんなことよりゼナ、あなた一体どうするおつもりで? ヴァルバロイの完全体が復活することはありませんが、ヴァルバロイの付けてた仮面も奪われているんですよね?」


ゼナはうーむとあごを撫でて思案にふける。失敗したときのことなど考えてませんでした、と言える状況でもなさそうで上手い言い訳は無いものか、などと考えていた。


「仮面に封じられていたのはヴァルバロイの力の一部だけでしょう? 封印もしてありますし、大丈夫でしょう」

「あの仮面の出処がどこだか知らないんですか?」

「ええ、ですからヴァルバロイの付けてた仮面ですよね?」

「…大魔王ピオルですよ。あれは元々大魔王ピオルが付けていた仮面です。10年前現れた大魔王ピオルを見るまでは気づきませんでしたが、間違いありません。恐らく、ヴァルバロイもこのことは知らなかったのでしょうね」


大魔王ピオルはヴァルバロイのいた未来では20年前に現れた存在である。知らないのは無理もなかった。こちらの世界では10年前にアリーが1人で討伐しており、ゼナもその姿を見たことはない。


「あの…」


瞬がおずおずと手を挙げ話しかける。なんというか、完全に話に置いてけぼりであった。


「なんでしょう?」

「僕たちどうなるんですか? 神様怒らせるとか結構怖いんですけど…」


瞬としてはヴァサーに喧嘩を売るつもりなど毛頭ない。しかしなんかもうめちゃくちゃに怒っていて心配になったのだ。


「別にどうもしませんよ。もしかして私があなた方を消すとでも思ったのですか? ゼナ、一体何を吹き込んだんです?」

「えー、神様になろうとした奴を殺したとか封印刑にしたとかそんな話ですかね。あ、旧人類を絶滅寸前まで追い込んだ話も聞いていましたね。いやー、怖いですね、あっはっは」


ゼナがあっけらかんとして答えると、サヴァードはもうブチ切れ寸前で怒りに震えていた。


「あのですねぇ! 力に溺れた自己中な人間なんか神の一員に加えられるわけ無いでしょうが! ましてや神になってこの世界を法も秩序も無い修羅の世界にしたいとか言うふざけた奴を神にするくらいなら盟約違反だろうと罰しますよ! 話の上っ面だけ説明しないでください!」

「いやでもヴァルバロイも大事な人をあなたに殺されたと言ってましたからねぇ…」

「そう、それ! それが納得いかない! 何か裏があるに決まってます! と、とにかく安心してください。あなた方を消したらこの事態に対抗できる人材がいなくなります。アリーがいない今、魔王ヴェールでも勝てない存在が現れたら頼れるのはあなた方だけですからね。そうしてくれるならダルクアンクの使用も目を瞑りますよ。もう大サービスです」


ゼナには怒りをぶつけまくるが、瞬とエアリアには極力優しく語りかける。サヴァードにしてみてもこの2人を敵に回す理由はないが、味方につける価値はあったのだ。


「ヴァサー様の勇者たちでは勝てないんです?」

「うっ、痛いとこつきますね。勇者と言っても本気の魔王には勝てませんよ。人類を団結させるための芝居みたいなもんでしてね、共通の敵を作ることで人類同士の争いを減らすようにしてたんです。内緒ですよ?」

「酷い出来レースだ…」

「まぁ、それでも戦争は起きますけどね、あっはっは」


隣でわざとらしく笑うゼナの足を思いっきり踏みつけるとサヴァードはニッコリ微笑む。ゼナは足を踏まれた痛みで片足で飛び跳ねているが気にした様子は無い。


「まぁ、そんな訳でして万が一のときはよろしくお願いしますね。それと、そのときは私も行きますので必ず呼んでくださいね」


そう伝えるとサヴァードは瞬に金の腕輪を渡した。


「これを差し上げましょう。この腕輪は私が昔作ったものでして、これがあれば何時でも私を呼び出せます。転移陣設置魔法が発動され、そこを目印に私が転移する仕組みでして…」


とサヴァードは自慢げに腕輪の説明を始める。実のところ瞬がライオネスに渡した物とほぼ同じ物なのだが、敢えてそこには触れない瞬であった。


「では後のこと頼みましたよ。ゼナはしっかり責任を取って彼らを導くように!」


終始ゼナには厳しいサヴァードであった。サヴァードは転移魔法でその姿を消すと、ゼナは力無くしゃがみ込んだ。


「いやー、参りましたね。私怒られてばかりでしたよ全く」

「…ゼナが悪い気がする」

「神様を誤解させるのも酷いよね」


この二人の仲はそれほど良くないんだろうなー、と思いつつ

遠くの空を見上げるのだった。





超魔王ピオルを名乗る者がエポドスに現れベルムントに対し宣戦布告を行ったのはこの10日後のことだった。

今回会話ばっかりや…(;´∀`)・・ァハハハ・・ハハ・・ハ・・"

最後が大魔王→超魔王になってたのは誤字ではないです。


もう1話行ってみよー꒰ঌ(๑≧ᗜ≦)໒꒱⋆⸜♡⸝⋆


この章が終わるまで1日2話掲載します。18時と20時にw

実は全80部分書き終えました(๑•̀ㅂ•́)و✧


おもしろいな、続きが気になる、と感じていただけたら、広告下の評価やいいね、ブックマークをいただけると嬉しいです(๑•̀ㅁ•́ฅ✨


また、もっとこうして欲しいなどの要望や感想などのコメントをいただけると励みになります꒰ঌ(๑≧ᗜ≦)໒꒱⋆⸜♡⸝⋆

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