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SS 王都動乱〜明と水衣頑張る!〜

王都の教会を狙いレッサーデーモンやグレーターデーモンが暴れ、街にも被害が出始めていた。デーモン達の狙いは教会なのだが、殺戮と破壊を本能のままに振り撒く悪魔たちは近くに人がいれば当然のように襲い、その暴威を振るう。それこそ教会を狙うという目的などより暴力的欲求を満たすことを優先する。


無論、聖堂騎士団もそれを黙って見過ごすことは無い。ベンジスでの教訓を生かし、神の加護を得て浄滅魔法を有するべきとの認識が共有され生かされていた。そのおかげでたとえグレーターデーモンであってもスリーマンセルで当たり、互角の戦いを繰り広げることができていた。

そんな中でも2人のコンビがデーモンどもを教会の中には入らせまいと多大な戦果を挙げていた。


「はっ!」


水衣がグレーターデーモンの腕を払い除けて懐に飛び込むと、みぞおちに正拳突きが入る。

聖光気セイクリッドオーラを纏った正拳突きに浄滅魔法を上乗せ。それが水衣の編み出した聖滅拳しょうめつけんである。瞬に貰った拳サポーターは拳の部分が聖ミスリルでできており、魔法との親和性が高いどころか増幅効果を持つ。

みぞおちに入った拳から直接増幅された浄滅魔法を叩き込まれ、グレーターデーモンの肉体は強化ガラスが割れたかのように崩壊する。


そして明も負けてはいない。同じく瞬に貰った聖剣の性能を活かし、ついに完成を見た技がグレーターデーモンすらも圧倒していた。


天地光昇剣てんちこうしょうけん!」


明が地面に剣を突き立てると彼を中心に魔法陣が形成される。その半径5メートルもの領域に入ったデーモン達は立ち昇る光にその身を灼かれ、肉体がただれ落ちて絶命していった。水衣の技が単体の内部破壊に対し、明の魔法陣剣は一定範囲での浄滅魔法である。浄滅魔法の便利な所は闇の属性の無い生物には無害なところであろう。つまり味方のいる乱戦でも安心して使えるのだ。


「やるじゃない明!」

「惚れ直したか?」

「バカ」


そんなやり取りができるほど2人には余裕があった。明も剣技自体はまだまだ未熟であったが、加護により増大した身体能力でレッサーデーモンの攻撃をかわし、真っ二つに斬り裂く。そして囲まれそうになれば魔法陣剣でまとめて撃破と安定した対処で戦えていた。


一方の水衣も囲まれないよう上手く立ち回り、一体一体確実に聖滅拳を叩き込んで撃破していく。

この2人が中心となり味方の士気は高かった。


「しかし現れないもんだな」

「なにが?」

「いや、こういうときってだいたい率いてる中ボスみたいなやついるじゃん」

「知ってる? それ言うと大抵現れるフラグが立つのよ?」

「では期待にお応えしましょう」


2人がお互い背を向けて話していると、横の方から聞きなれない声が届く。2人がそちらを向くと1人の人型の悪魔が立っていた。顔が真っ青で角が1本生えており、背中には翼を生やしている。そして上は裸で下はズボンであった。


「ホントに出た!」

「ふっ、この絶望と」


シャキーンと恍惚の表情を浮かべつつ顔を手で覆いポーズを決める。


「破滅と」


またもシャキーンと両腕を胸の前で交差させ、目を瞑って上を向きポージング。


「憎悪と」


さらにシャランと肩肘を上げ、身体をSの字にしてしなを作り自分に酔いしれる。


「しっ…、べごふぅっ!?」

「あ、ごめん。隙だらけだったからつい」


別に謝る必要などないのだが、聞いてやる義理など無いため水衣が顔面を殴り飛ばしたのである。

まともに食らった悪魔は後ろに派手に倒れ、4メートル程後ろへ滑っていった。路上を滑る音が紙ヤスリでも削ったかのような印象を与えて痛そうである。


「こ、このクソどもが…!」

「あ、生きてる」


その悪魔はゆっくりと立ち上がると水衣を睨み悪態をつく。水衣も結構本気で殴ったのに立ち上がられて驚いていた。


「この絶望と! はべぇっ!?」


そして再び悪魔が名乗ろうとすると、またも水衣が顔面を殴りつける。そしてまたも後ろに倒れて3メートルほど後ろへ滑っていった。ガリガリと何かが削れる音が心地よい。

それでも悪魔は根性で再び立ち上がり、水衣を睨んだ。


「名乗らせろよ!」


悪魔が涙目で叫ぶが、水衣に聞く気などない。


「いや、聞きたくないし。脳のメモリーの無駄! あなたなんてゴミで十分よこのキモいナルシスト!」

「ちょっとこいつ酷くね?」


挙句水衣に罵られ、思わずゴミは誰に向けたのか同意を求める。もちろん誰も答えることは無いのだが。


「とにかくやるわよ明!」

「わーったよ、いくぞゴミ!」

「俺の呼び名ゴミで決まりなの!?」


水衣が明を促し、2人がかりでゴミに迫る。自分の呼び名がゴミにされたことに抗議しているようだが、その抗議は受け付けられない。


明が聖剣で斬りつけると、ゴミはそれを魔法障壁で受け止め

る。透明な壁に弾かれ、剣を引くと今度は突きに切り替えた。

それも透明な壁に阻まれ途中で止まる。


「ふははははっ! この俺をゴミ扱いしたことを後悔させてやるぞ!」

「天地光昇剣」

「ぎゃぢぃぃぃぃぃっっ!!!」


剣を突き立てた位置から魔法陣が発生し、光がゴミを包む。浄滅の魔法が障壁を破壊し、全身を灼いた。


「必殺! 殴打撃おだぶつ聖滅拳!」


そこへ水衣が聖光気セイクリッドオーラを全開にして拳サポーターに浄滅魔法を付与、増幅。そうして溜め込んだエネルギーを拳に乗せ、正中線五段突きを放つ。そこから広がる浄滅魔法が全身を駆け巡ると肉体が内部から沸騰。ゴミの身体が弾け、ところどころに穴が空いて血反吐を吐いて倒れた。


「うん、ゴミだけに()掃完了ね」

「誰が上手いこと言えと」


いい汗をかいたと水衣がスッキリした笑顔で笑うのだった。










ときどきSSを書きたい(๑•̀ㅁ•́ฅ✧


おもしろいな、続きが気になる、と感じていただけたら、広告下の評価やいいね、ブックマークをいただけると嬉しいです(๑•̀ㅁ•́ฅ✨


また、もっとこうして欲しいなどの要望や感想などのコメントをいただけると励みになります꒰ঌ(๑≧ᗜ≦)໒꒱⋆⸜♡⸝⋆

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