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三原神

瞬とエアリアは領主に遊食に招かれていた。お偉いさんとの食事のため、鎧などは脱いで少しお洒落な格好をしている。

エアリアはドレス姿、瞬は貴族の着るような正装である。おめかししたドレス姿に瞬は感動さえ覚えていた。


「この度の件、本当に感謝している。先ずはこの街を救ってくれた2人に乾杯をしよう」


領主が音頭を取り、グラスを掲げる。こっちの世界では15で成人のためお酒を飲める。お酒に興味のあった瞬はいけないのかな、と思いつつもワインを手にしていた。


夕食にはエライネ、ローハル大司教も招かれている。三原神の話を聞きたかったので時間をとってもらったのであった。三原神については教会でも上層部しか知らない話であり、領主であるボルフォードすら知らなかったのだ。


「さて、三原神と言っても私もそこまで詳しいわけじゃない。何せ文献は殆どないのだからね」


と前置きをして話し出した。以下はその要約である。


三原神とはこの世界ができた時に存在した最初の三柱の神のことで全ての命と魂の母、深淵の神とされるグランデス、魔法と調和の神ヴェルム=カッソ、愛と光の神アルテアを指す。


太陽神ヴァサーはそのグランデスから生まれた息子であり、三原神によりこの世界の神に任命されたとされる。そして光と闇のバランスをとるためヴェルム=カッソにより魔王と魔族が生まれた。


また、魔神王ヴァルバロイについては一切の情報が存在せず、20年前まで誰も知らない存在だったという。


「私が知っているのはこのくらいだね。大賢者ゼナならもう少し知っているはずだが」

「…アリーはグランデスの恩恵ギフトを持っていた。『救世主メシア』それがアリーの恩恵ギフト。私は『後継者』」


ローハルが話し終えるとエアリアがアリーと自分の恩恵ギフトを明かす。


「三原神のことは初めて知ったな。その恩恵ギフトはどうすれば手に入るのかね?」

「それはわかりません。なにせ、初めて発見されたのが18年前ですからね。しかも鑑定しても恩恵ギフトは全然違うものが出ますから、本人から聞くまで知らなかったほどです」

「…私を鑑定すると極滅と出る」

「僕暴れん坊チワワ…」

「ぶほっ!」


瞬が自分の鑑定結果を伝えるとボルフォードはいきなりむせた。ゲホゲホと咳き込み、その後呼吸を整える。


「そ、それは凄いな…」

「チワワは可愛いから好き…」


そんな感じで会食は進む。そして話は報酬へと移る。


「それで、報酬なのだが本当にあれだけでいいのか?」


2人が受け取ったのは金貨1000枚と少しの希硬鉱石アダマンタイト、ミスリルだけであった。作ったものとグレーターデーモンの討伐などを考えれば、ふざけるなとテーブルをひっくり返すレベルである。


「…貸しにしておく。かなり大きいからよろしく」

「わ、わかった。何かあれば配慮しよう」


瞬は相場を知らないのでエアリアに丸投げであった。当然落とし所もわからないので交渉のしようがない。あまり多くとると復興にも影響が出るが、取らないのも問題である。なら貸しにして必要な時にその権力を借りよう、というところに落ち着いたのだった。


実は瞬もちょっと無茶をすれば神器創造で教会や建物の復旧を行うことができる。しかしそれをやると仕事を無くす人も出てくるし、経済が回らなくなる。そしてどうやってもその話は国中を駆け巡るに違いなかった。なので瞬はそれは言わなかったのである。




「彼はちょっと酔ったようだな。寝室で休むといい」


ボルフォードがメイドに指示を出し瞬を寝室へ案内させる。瞬は初めて飲む酒に加減がわからず少し飲みすぎたようであった。エアリアも当然付いていく。この領主のことである。下手をすればメイドに襲うように言われているのでは、と思ったからだ。案の定付いていくとメイドの舌打ちが聞こえていた。


「こちらでおやすみください。エアリア様の部屋も別に用意してございます」

「…シュンといるからいい。ご苦労さま」


メイドの案内を断り、エアリアも入室。鍵をかける。

瞬はふらふらとしており、エアリアと一緒にベッドに腰掛けた。


「…シュン、大丈夫?」

「へいきー。エアリア、とっても綺麗」


呂律は問題ないが、酔っているのは間違いない。いつにも増して甘えて来て、胸に顔を埋めてくる。


「しゃーわせー。好きー」


とさらに体重をかけてきた。そのまま押し倒す形になり、エアリアの心臓が波打つ。

エアリアも酒が入っており、気持ちが入ってきた。

覚悟を決め、瞬を抱き締める手に力を入れる。


「くーー」


寝てた。

ちょっと拍子抜けしたエアリアはちゃんとベッドで横にするとドレスを脱ぎ、コルセットを外す。そして下着姿のまま一緒のベッドに潜り込んだ。


「…おしおき」


瞬のほっぺをぷにっとつまんだ後、そのまま一緒に寝るのだった。


おもしろいな、続きが気になる、と感じていただけたら、広告下の評価やいいね、ブックマークをいただけると嬉しいです(๑•̀ㅁ•́ฅ✨


また、もっとこうして欲しいなどの要望や感想などのコメントをいただけると励みになります꒰ঌ(๑≧ᗜ≦)໒꒱⋆⸜♡⸝⋆

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