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マウテアという男4〜ならば決闘だ!〜

「2人がどこにいるか知ってるのかい?」

「知らん! だがヴァサー教会には寄るはずだ」


ベンジスの大司教とエアリアは顔見知りである。実際ベンジスに来た際は必ず顔を出していた。そのことをこのストーカーは当然知っている。


「やれやれだねぇ。聖堂騎士団テンプルオーダーてのはヒマなのかい?」

「エアリアさんのことは全てに優先するのだ!」


そうしてヴァサー教会の前で待っていると、2人が向こうから歩いてくるのが見えた。しかも仲良く手を繋いで。


「ぐぬぬぬぬぬ!! クソチビの分際で!」


その仲睦まじい様を見て怒りで顔を赤くさせる。そしてズカズカと2人に近づき、ビシィッと瞬を指さした。


「そこのシュンとやら! この私と勝負したまえ!」

「なんで?」


幸せ気分を害され、瞬は額に青筋を立てつつも冷静に聞いた。


「決まっている! 君はエアリアさんに相応しくない! 私が勝ったら君は身を引きたまえ!」


激しく興奮しつつもチラチラとエアリアを見ながら啖呵を切る。その様子をエアリアは冷ややかな目で見ていた。


「アホらし」


と瞬は相手にしなかった。が。


「まぁ、待ちなシュン。ちょっといいかい?」


とエルザが瞬をマウテアから少し離し、小声で話す。


「まぁ、待ちな。負けた方が手を引く条件で受けなよ。女ってのはね、自分の為に戦ってくれる男にはキュンと来るもんなんだよ。あいつから手を引かせれば1粒で2度、いや3度美味しいかもしんないよ?」


エルザは決闘を受けさせるべく旨味を教える。エアリアファーストの瞬である。彼女がマウテアのストーキングから解放されるなら確かに、とその価値を感じ取った。


「よし、いいだろう。やってやるよ。負けた方がエアリアから身を引く、その条件を呑めるかい?」

「無論だとも。フフフフフ…」


こうして2人の決闘が決まるのだった。




4人はヴァサー教会所属、聖堂騎士団テンプルオーダーの修練場にやって来た。そしてエルザが立ち会い人として宣言をする。


「ここに冒険者第4等級シュンと聖堂騎士団テンプルオーダー第3小隊副隊長マウテアとの決闘を執り行う!」


その宣言を聞きつけ、なんだなんだと人が集まる。


「待ちなさい! これはなんの騒ぎです!」


そこに出てきてのは聖堂騎士団テンプルオーダーの団長エライネ=リコーであった。彼女はここベンジスの歴代女性団長最年少記録を持つ25歳である。その立ち居振る舞いは凛として華やか。ポニーテールの似合う女性であった。


「エライネ団長! これは男と男の勝負なのです! 是非見守っていただきたい!」

「おや、あんた団長様じゃないか。ちょうどいい」


エルザはこれ幸いとエライネ団長に立ち会い人になるよう持ちかけた。エライネ団長は公正明大をモットーとしており、信用のおける人物である。ましてや上司が立ち会い人なら約束を反故にはできないという計算があった。



「…なるほど。そういうことか、理解した。いいだろう、この決闘、このベンジス聖堂騎士団テンプルオーダー団長、エライネ=リコーの名において見届けよう」


エルザから小声で事情を聞いたエライネが高らかに剣を掲げ、宣言した。


「ではシュン=スオーとやらとマウテア=フラーレ=ベンジス。負けた方がそこのエアリアから手を引く。それで異論は無いな?」

「いいよ」

「無論だ。キサマは私の奥義、魔爪風神剣の餌食にしてくれるわ!」


エライネが2人の顔を見比べる。


━━この小さい少年がマウテアと? 大丈夫なのか?


瞬はまだ構えもしていない。それに対しマウテアは剣を正面に構えていた。


「ではどちらかが戦闘不能になるか降参するまでとする。スキル、魔法の使用は…」

「お待ちください。魔法の使用は無しにしましょう。周りに被害が出かねません」


マウテアが瞬に不利な条件を提案する。エルザの眉がぴくんと跳ねる。エアリアは軽蔑の目だ。


「じゃあ()()魔法は無しにするよ」

「わかった。ではそれ以外の使用を許可する。では始め!」


瞬はあっさりそれを了承する。瞬の武器は拳のみ。グローブこそしているが、エライネにはとても鎧の上からダメージを与えられるとは思えなかった。

しかし決着は一瞬だった。



まっすぐ無警戒に突撃をかますマウテア。しかし瞬は防衛イージスで拳を保護し、聖光気セイクリッドオーラをブレンド。

防衛イージスの壁は変幻自在。その形はさながら槍のように尖った形を成している。

マウテアが剣を振り、奥義の発動体勢に入った。

瞬は素早いステップでマウテアの懐に入る。


「まそっ…ぷふぅっ!?」


手加減無しの全力の右スマッシュ。


マウテアが奥義を放つより早く拳が放たれる。

その一撃は容易く鎧を砕き、鍛え抜いた腹筋を貫いた。

腕が鎧を貫通しており、背中から右手が顔を出している。


瞬がその右手を引き抜くと、マウテアは血を吐き倒れた。

その凄惨な結末に周りは二の句が告げなかった。


我に返ったエライネが慌てて決着を宣言する。


「しょ、勝者シュン=スオー!! 衛生兵を呼べ! 早く!」


そして急いで救護を命じた。


復活リヴァイブ


しかし瞬が回復魔法を使うとたちどころに傷が塞がり、血の気が戻っていった。危機は脱したらしい。

マウテアの無事を確認すると、周りは瞬の勝利を認め手を叩いて祝福するのだった。

最後ギャグじゃなくなったw

瞬激おこで手加減してくれなかったよ…w


も1個後で掲載されます(´・ω・`)



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