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幻影道 第五巻    作者: SAKI
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「後悔の果に」その2

 改めてベットで二人寝込むとユイさんの存在感が改めて実感する、可愛いのに色々と目に困ってしまう。お姉さんなのに童顔で少し子どもっぽい幼い言動や笑うと皆を幸せにしてしまうほどの綺羅びやかな笑顔で私とは正反対な方ですね。


「はひ〜なんか横になるとどっと眠くなるね〜」


 既に横になっていたユイさんに驚きましたがそれ以上に気になる事がありました。


「あの、ユイさん。本当に添い寝していいんですか?こんな所ユカリさんに見られたら――― 」


「あー大丈夫、大丈夫。子どもなら誰にでも襲うから一回職質受けたのよね〜その後ユカリちゃんに本気で怒られたから控えてるの」


 襲うとは……一体何をしでかしたのか……あのユカリさんが怒ったということは相当なことなのでしょうね。


「でも家族はいいんですか?」


「うん」


 いいんですか?判定がよくわかりませんが私もベットに入るとユイさんが距離を詰めてくる、ち、近くないですか?


「あの・・・近いです」


「うん?」


「もうちょっとだけ距離を・・・」


 距離縮めてません?もうキスする寸前ですが。


「ち、近いですって!!こ、子どもなら何でも妹にしたいんですか!?」


「うん」


「わー!!だめです!!それ以上近寄らないでください!!」


 あまりにも距離が近くて寝返り売ってしまいました。 変な雰囲気になので一旦空気を逃がそうとしましたがユイさんに抱きつかれてしまった。


「ひゃう!!」


 ユイさんの抱きつきはほんわかで優しいに匂いが漂う、話せば抱き締めてくれる包容力に私達は何度も撃沈している。ですが今回は少しひんやりしてる気がします。


「ユイさん?」


 振り返ると暗い表情で俯くユイさんの姿があった、事情を聞くと最近のユイさんは全てに先走りしてるとのこと、復讐も恋愛も。ユカリさんを愛そうと過激になってしまいユカリさんは嫌がっていたのにと、復讐も復讐以外だと雑に頼っていてお姉さんとして駄目。皆のお姉さんだからと責任を負いすぎてるユイさんに一喝とまではいきませんがアドバイス程度の会話をしました。


「復讐も恋愛も急ぎは禁物です、ゆっくり時間をかけて積み重ねがキモになるんですよ?わ、私も結婚の為に花嫁修業はしていますが全く上手く行かないので今はお休みてしまいます、なのでユイさんもたまにはのんびりしては如何でしょう?もうすぐ皆さんで海にも行きますし息抜きで今月は復讐の活動を停止するのもありだと私は考えています」


 最近は重症になる程敵も強力でこの前なんて研究所廃墟で出会った敵にサナエさんとカイトさんが重症で数日で治せるのが光星で一週間寝込む報告もありました。更にその前にユカリさんとプレアさんで偵察に行ったらユカリさん片腕切り落とされ、プレアさんは腹を食い破られて臓物撒き散らしながら帰ってきてましたからね。


 ユイさんの回復魔法も浪費して倒れてしまい部隊は壊滅状態なまま続けるのは無理があると思い発言すしました、それが意外と好感触だったのかあっさり認めてくれました、物分りの良いユイさんは子どもの惨状に深く同意してくれたので今後は無茶をすることは無さそうですが“子ども”に対してはの話なたのでユイさんは今後も無理すると思うのでユカリさんに【ユイさんを慰めて】とメッセージを送りました。


「ありがとう、ノアちゃんは優しいからお姉さんも癒やされちゃうな♪」


 ユイさんは私の頭を撫でながら微笑んだ、私はその言葉に首を横に振りました。


「そんなことありません、私なんて毛が生えた程度の女でユイさんには叶いませんよ」


「そーかな?まぁ確かにお家にヱッチな本しまい込んでるぐらいだから合ってるかな?」


 その言葉に私は頭が噴火しました、何故それを?一体いつ見たのか!?あれは極秘でプレアさんにしか教えてないはず!?あのまな板貧乳がバラしたのでしょうか!?


「な、何故それを?」


 恐る恐る問うとにんまりした笑顔で経緯を説明してもらいました。


「掃除で見つけたよ?日焼け予防に掛かってるカーテンの本棚に一箇所だけ色が違うから面白半分で見たら出てきたの♪」


 何てことを!!まだ勇気が出せなくて一度も読んたことないアダルトブックシリーズを発見されるなんて!!


「み、見ましたか?」


 もう私の頭はパンク寸前で何とか皆さんに知らせて欲しくないと願って本について聞き出すと、ユイさんの頬がほんのり赤く染まって目を逸らす。確信犯でしたね。


「いや、その………えっと……………ん……………み、見てないよ?」


 頬がどんどん赤に染まっていてその発言は苦しいかと、まさかとは思いましたがユイさんってもしかするとアダルト駄目人間ですね。


「ユイさん、えっちとか過激なのは苦手で?」


 赤面し、口に出すのも嫌でしょうけど勝手に見たので私は言葉を捲し立てます。


「お、お姉さんだよ!?そんな―――――――― わけ―――――――― ないよ?」


 もう“お姉さん”の効力は皆無だと思うのですがならば私のデバイスにあるとっておきなアダルトブックを取り出して見せてあげました。因みにアダルトブックはユーゴさん経由で購入して頂きました。


「っ〜〜〜〜〜!?」


 しかもそのページはこの本の中でも過激なイラストで私も見たときは鼻血が止まりませんでした。そんなものを見せられたらユイさんは赤面どころか最早達磨のように赤く染まり私の本を取り上げられました。


「こここここここここんなもの見ては行けません!!ぼ、没収です!!」


 取り上げた拍子にもう一度イラストを見てしまい鼻血どころか涙目になってしまうユイさん。もうそっちの方が重症じゃないですか。


「それと!今後一切えっちなのは許さないからね!!あの本棚にあるえっちなの全部ビリビリに破り捨てて燃やすから!!」


「ちょ!!やめてください!!まだ一度も!」


「うるさーい!!この事は秘密にしゅるきゃら大人しく寝てわふれなひゃい!!」


 最後に至ってはカミカミでよくわかりませんでした、取り敢えず私は動こうとしても傷が深く走るのは不可能なので諦めました、ユイさんに見せなければ良かった………私のお金………


 こうして私とユイさんの関係はある意味悪化したと言えるでしょう、明日のユイさんはどうなってるのかと考えながらもアダルトブックを見せたことを一生後悔することになりました。

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