「星降る夜に咲く大輪の花は暗闇を照らす」その2
「む〜〜!!最近ユカリちゃんが意地悪になった気がする!!」
散々ゆいゆいで遊ぶとぷりぷり怒ってしまった、それすらも可愛く思えてしまい、最近は好きが暴走して寤寐思服だ。まさかこんなにもゆいゆいの事が好きになってしまうなんて……私達は身体をぴったりくっつけていた。
胸がどんどん熱くなる、張り裂けて今にも内蔵が飛び散ってしまうほど苦しい。早く、早くゆいゆいが欲しい、自我を保つのがやっとだ。
そんな私にゆいゆいは顔を覗かせる、そして何やら意地悪な表情で顔を近寄らせる。
「全く、欲しがりさんだね♪」
唇が近い、あと少し、もう我慢出来ない、私は顔を近付けるとゆいゆいは予想通りとはにかみ少し遠ざかると私もそれに乗じて動くからゆいゆいの玩具にされた、私はとても腹が立ち無理に近寄ろうとしたその時。
「ユカリちゃんお待ちかねの“キス”だよ♪」
急にゆいゆいの雰囲気が変わり私は我に返ったその瞬間身体をいきなり持っていかれて至近距離になる。後に下がることすらさせない強引にも私の唇が大好きな人の唇に押し当てられる。
恥ずかしくて目は開けられない、でも愛情の奔流が流れていくのが分かる。口の中に舌を入れられると後はゆいゆいの好き放題に舐め回された。私は嬉しすぎて恍惚の表情を浮かべるがやっとだ。
このまま一緒に溶けて死んでもいい、ゆいゆいの愛が感じられるなら私はどこまでも傍に居たい。誰にもゆいゆいを渡されたくない、ずっと私の傍で笑っていて欲しい、私は心に秘めた愛を綴りながら心臓を高鳴らせた。愛しの人から受けた寵愛を噛み締めながら私は身体が思うがままに任せることにした。
「ユカリちゃん、改めて言うね・・・私のお嫁さんになってください」
長い間キスをされ、私はもう頭の中が真っ白だ、それでもこの言葉だけははっきり言えた。
「私も、私のお嫁さんになってください」
私達は相思相愛の気持ちで溺れるように唇を重ねた、言葉は敢えて挟まず好きな分だけ沢山交わした、幸せな一時を前に意識がなくなりそうだ。
☆★☆★
あれから何分経ったんだろう?何回キスしたのだろうか?脳が麻痺ってしまうほどキスをした私達は再び愛を確かめることにした。
「これからは正真正銘のお嫁さんでいいよね?」
「うん」
私達はいつか結婚しようと先の未来まで誓い、また二人で甘美なる赤い果物に接吻すると同時に漸く花火が打ち上がった。まるで私達の愛を祝福するかのように大きな炸裂音と共に広がる“赤色”と“ピンク色”のハートの花火が打ち上がる。こんなにも眩しくて美しいのに一瞬で消えてしまう、だがその度にまた打ち上がる、ハートの花火はそれ以降見なかったが二人の思い出に深く刻むことに出来た。
「綺麗ね」
瞳が光に反射してゆいゆいの目はキラキラと色鮮やかな花火を写す。私は花より団子で花火そっちの気でゆいゆいの方が綺麗だと言って甘えてしまう。
「うふふ♪そんなにお姉さんが好きなんだね〜?」
「えへへ♪」
二人寄り添いながら素敵な花火を見続けるとゆいゆいがこんなことを言った。
「来年もまた見ようね♪」
その言葉に私は考えることなく頷いた、この先の未来がどうなるか分からないけど私達なら絶対“生き残れる”ような気がする。
人生で一番幸せな出来事に私の胸は漸く治まると何故だが急激に眠くなってきた……緊張が解けたから、恋が叶った安心からか何だかとても眠くなってきた。瞼が閉じようとした時、ゆいゆいの顔はとても切ない表情でこう言った。
「おやすみ、私の愛子よ」
そう発した同時に私の意識はそこで途切れてしまった。




