「サマータイムメモリーズ・夏祭り編」その7
「ふい〜取り敢えず人は散ったみたいだね」
私自身注目されるのが特に苦手だから逃げるように歩き回ったけど人が多いお陰で何とか撒けたみた。
私はゆいゆいの方を振り返るとそこに姿は無く型抜きと描かれた看板の方へ移動していた、私は足早に移動するとゆいゆいはこれで勝負だとか言い張る、指差す景品を見ると色んな形の型抜きがあり難易度もその都度変わるがゆいゆいの事だから一番難易度が高い神級?に挑戦すると何が出るのかと思ったら“戦車”だった。
「何この変な乗り物?」
私も良くは知らないけど確か歴史に描かれた戦場を駆け巡った乗り物らしい、今はそんな古い車は見ないけど今は色んな未来化が捗り戦車なんかより凶悪な兵器が取引されてるとかされてないだとか。
そんな昔の物を良く作れたなと関心するけどこんなものどう削れと??見たところ線引が細すぎて型抜きでやるものじゃない気がするけど…
屋台のお爺さんから成功した実物を写真に見せてもらうと繊細な力加減と多大な集中力が必要になると思う、私は無理だけどゆいゆいは乗り気みたい。
「ユカリちゃん、これで成功したら私の勝ちね?」
ゆいゆいの確認に私は軽く頷く、流石のゆいゆいでもこんな訳の分からない飴細工のような作業はしと事無い筈、そう思っていたのが束の間で私は自分の目を疑った。
初めてなのに私の掌の型抜きが渡されるときめ細かにどんどん切り取っていく、恐れぬ心に時に大胆に戦車を象る姿に私は引き込まれていく。お爺さんも最初こそ怖いもの見たさで挑んだ者として表情を弛緩していたが時間が立つに連れてどんどん表情が硬直して行った。
繊細な線や小さなタイヤの穴でさえ容易く切り離していく、流石のゆいゆいでも難しいと思ったのに
予想を遥かに超える手捌きに私は目を丸くした。
やっぱりゆいゆいは最強で完璧お姉ちゃんだ、その期待に恥じない姿に感動すらしてしまう。この人なら任せられる、この人なら大丈夫だと確信する頃には戦車が出来上がっていた。
「ぷはぁ!!………はぁ………はぁ」
完成させるとゆいゆいは大きく息を吸い込んだ、恐らく集中する余りに息を止めてしまっていたんだろう、それでも二十分で仕上げるのは流石だ。
「がっははは!!大したもんだな!!」
型抜きの出来栄えにお爺さんは大歓喜していた、こんな物成功させたのはゆいゆいだけだと豪語する。そしてお爺さんは特賞としてとある箱を持ってきた。
「これ………なんですか?」
私達は変な機械が詰まった物を受け取ると周囲からこの機械の名前を呼んでいた。
「プレイスフィア??」
そして聴こえたのは最新ハードのプレイスフィアと呼ばれたゲーム機らしい?一見ガラクタにしか見えないけどこんなのが凄いのかな?
私達はわけも分からず取り敢えず受け取るとお爺さんは次はもっと凄いのに挑戦させるからなと嬉しそうな笑顔に私は一礼する。
当の本人はゲーム機が気になっていて聞いてないけど取り敢えずユーゴ君に聞けば分かるかな?
私は颯爽とユーゴ君に電話を掛けることにした。




