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幻影道 第五巻    作者: SAKI
61/72

「サマータイムメモリーズ・夏祭り編」その4

「なんかいつの間にか立場が入れ替わった気がする〜」


 服を乾かそうと脱ごうとするゆいゆいを拘束して元々着てほしかった浴衣を散らつかせて強制的に着替えさせた満足する半分ゆいゆいに反感を買った気がするけど別に気にしてない、ゆいゆいが浴衣を着ないのが悪い。


「ゆいゆい、似合ってるよ♪」


 着慣れてないのかそわそわするゆいゆいを落ち着かせようと言葉を掛けるもやはり気に入らないらしい、一番の理由は武器を隠せないとのこと。


 慣れない服装に戸惑いながらもしっかり私の手を引いて連れて行こうとするゆいゆいは本当に大好き、性格に難がなければ完璧なんだけどね。


 私達は元いた場所まで戻ると家族を見つけるとすぐに私の手を離してしまった。私はそれが嫌ですぐに手を引き戻した、これにはゆいゆいもびっくりして心配していつもの優しいお姉ちゃんの笑顔を見せる。


「どうしたの?」


 私は皆には言えていないことがある、それは小さい頃に負った頭部の損傷が治っていないこと、出会って数分でゆいゆいにバレたけどそのことは内密にして私の治療を光星に預けたり、回復魔法で長い間治療し続けているが時折酷い頭痛を感じて今では一週間おきにやってくる、私は声に出さないように悶えながらも生活しているがそれすらバレている。


 ゆいゆいには嘘や隠し事はしてはいけない、一瞬で気付いてしまう第六感があるんだ。私はそのことを知ってから一度も嘘や隠し事はしていないししても徒労に終わる。そして今心配しているのは恐らくそれ関連だと思っているからだろう。


 頭の撫で方が後頭部を避けている、その事件を知ったゆいゆいは怒り狂って()()施設を破壊しようとした時は流石に止めたけど今でもゆいゆいの怒りは収まっていないだろうな。


「頭は痛くないよ、そうじゃなくて……」


 本当の事を話そうとすると何故こうも恥ずかしくなるんだろう、口籠る私にゆいゆいは何かを察して家族にこう言った。


「皆〜今日一日ユカリちゃんがお姉さんとデートしたいから邪魔しないで〜だって♪」


 なっ!?そういうことじゃないと怒ろうとしたが家族はまるで受け流すような言葉を返した。


「はいはい、分かったからさっさとお行きなさいよ?」


「お熱いですね」


「行ってら〜」


 ちょっと皆!?私は食い気味に間に入ろうとしたらアスカちゃんアヤちゃんに止められた!?


「ユイお姉様とデートに邪魔なんかしないから大丈夫だよ♪」


「後で皆に教えてくれればいいわ♪」


 なんか違う解釈されてるような………結果的に二人きりなり、ユーゴ君に何故かカメラを持たされカイト君に背中を押されて強制的に追い出されてしまった。


「良かったね♪」


 そしてゆいゆいは計画通りとにやけると私の頬は赤く染まっていた。本音を悟られてしまったと思ったがゆいゆいはやはり的確だった。


「今日はお姉さんから離れたくない・・でしょ?」


 その言葉をに私は噴火したように真っ赤に染め浴衣の袖で顔を覆ってしまった、それを優しく退かされると笑顔でこういう言った。


「良かったね、妹キャラで♪」


 私は皆から()()()()として扱われ私は酷く嫌っていたけどその時だけは心の底から嬉しかった、家族の皆には後でお礼しないとその思いを込めて今はゆいゆいと楽しもう。手を引いて遊びに連れて行かれる私は流れるままその轍を行くことにした。

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