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幻影道 第五巻    作者: SAKI
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「最凶天才殺し屋お姉さん」その2


「いくよ」


 深呼吸して私に警戒させるとゆいゆいは目にも留まらぬ速さで剣を振りかざす、私はすかさず受け止めようとしたけど何故か私は宙を舞っていた。


「まだまだ!!」


 恐らく踏み込むと私の厳かになっている足を払ったんだと理解してワイヤーでゆいゆいを捉えるもそれを利用されてワイヤーごと吹き飛ばされてしまった。  


「・・・・」


 呼吸を整えることすらしないゆいゆいは空中で飛び上がり伸ばされたワイヤーを掴もうとしたから私はワイヤー放つ装置を戻したのにゆいゆいは笑っていた。

   

「足元お留守だよ?」

 

 空中制御なんか機械みたいな動作が出来ない私は腰に付いているアンカーを手を伸ばしかけた時、踝を掴まれ叩き……つけられはしないけど私の事を大事そうに抱き抱えられて着地する。


「もう少し頑張ってみる?」

  

 既に勝敗は着いてるけどそれでもゆいゆいは私にチャンスをくれる、私は大きく頷くと微笑み、大きく距離を取る。


「アスカちゃん、多分次で最後になると思うから一撃を叩き込もう」


 アスカちゃんに言葉の合図を送ると少し苦しそうに苦言する。


「わ、私達じゃ勝てないよ……次もきっと避けられるし……」

 

 圧倒的な戦闘力についに弱気になってしまったアスカちゃんは諦めようと言葉を返してくる。


「勝てなくても届かなくてもやってみようよ、ゆいゆいは私達に“期待”してくれてるんだから」


「で、でもさ、こんなに強いなら私達の強さなんて判りきっているんじゃないの?」

 

「ううん、ゆいゆいはそんな事で何度もチャンスを与えてくれる人じゃないよ。きっとまだまだ成長する余地があるから与えてくれるんだよ」


 大人に対しては一切の優しさや甘え、判断の早さに言葉の発言を容赦しないけど子供()()だからゆいゆいは“期待”しているんだ。


 たとえ次の一撃が空振ってもゆいゆいは決して馬鹿にしない、抱き抱えられて発した時の瞳はまるで弟子の成長を見守る師匠のようだった。


 私は弱気になるアスカちゃんを鼓舞させ、もう一回だけと頭を頷かせることに成功した。


「服や頬に切り傷さえ与えれば奇跡、それでも!」


 ゆいゆいの猛者オーラに気圧されそうになるけど私は前へ進み、深呼吸する。

 

「アスカちゃん行くよ!!」


 名前を呼ぶと同時に私はサイドバックにあるナイフを取り出して頬を切り裂き、呪血を解放させる。


 首が熱く焼けるような痛みに耐えてアスカちゃんも勇気を出して能力解放させる。


「まだ試作段階だけど………特性能力解放!ブランウェン!!」


 不釣り合いの剣を擦り合わせて光纏う巨大な包丁は大きく横薙ぎ一線に振ると雪のような純白な烏が斬撃となり羽撃いていく。


 私はそれに合わせて剣を回転と共に何度も叩き付けて叩くほど大きくなる血の怨嗟を纏わせる。


「ブラッドオブレイジ!!」


 血を纏った剣をを地面に叩き付けて斬撃として飛ばす、勿論これは私の初めての魔法??だから当たると死ぬかもしれない。


 二つの斬撃を見てもやっぱりゆいゆいの笑顔を揺らぐことは無かった。


「良くできました♪」

  

 と言い放つとゆいゆいは剣を刀のように納め、抜刀する構えを取る。瞳を閉じるとその瞬間、見たことの無い鋭い目付きでなんと一太刀で双方の斬撃を吹き飛ばしてしまった。


 その光景を目の当たりにした私達は膝から崩れ落ちるように地べたに座り込んでしまった。


「練度が低いから簡単に斬れちゃいました♪」


 と絶望を叩きつけるようなあっけらかんとした表情に私達は完敗という勝敗になった。

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