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幻影道 第五巻    作者: SAKI
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「私だけの特別訓練」その5

 いつの間にか寝てしまい朝起きるとアスカちゃんが壁を背にして眠っていたので起こさないように近寄ったら飛び上がるような一瞬で起きて刃物を突きつけられて危うく殺される所だった。


 二人で部屋を後にするとレヴィアサンは既に食事処で座って優雅な食事を楽しんでは―――― いない。

独りぼっちで寂しい食事をしていた。


「あら、起きたのね」


 既に食事を済ませたのかすぐに立ち上がり私達をとある部屋に案内された。


「寝起きで悪いけどこれ以上居座るとユイに殺されるからさっさと持っていって頂戴、これが今回の報酬よ」


 とその部屋はどう考えても財宝だらけで言葉を失った。これをどう持ち帰れと?


「あの………お金で換金とか……して貰えませんか?」


 多分怒られると思うけど取り敢えず言うとやっぱり怒られた。

 

「これだから凡人は・・・・貴女は皇女に働かせる気?」


「ご、ごめんなさい!!すぐに持っていって帰ります!!」


 無礼講で調子に乗ってしまったと私は直様持っていこうとしたが何故かレヴィアサンに呼び止められた。


「貴女の汚い指紋を付けて価値を落とす気?」

  

 そう言って指を鳴らすと何処からかメイドさんがやってきてまさか換金する人まで呼んで来てしまった。厳密な査定を見守ると手元に残ったのは何故か地球でよく見るアタッシュケースだった。


「ふん、下がりなさい用済みよ」


 レヴィアサンが咳払いするとせっせとメイドさん達は下がりまた私達だけになった。疾風迅雷の如く手早い行動に私は目をパチパチとしてるだけだった。


「この中に査定額が入っているの?」


 私があの光景を脳裏に焼き付いているとレヴィアサンは物珍しそうにケースを突っついている。そっかレヴィアサンは知らないんだ。


「な、なによ!?」

 

 聡明な人でも珍しいものを見ると可愛らしい仕草が垣間見えることもあるもんだと微笑ましく思うと私はアタッシュケースを開けてみた。


「ほえ!?」


 その中身を三人で確認するとそこには大量の札で埋まった物が入っていた。


「う、嘘だよね!?こ、こんな大金になるの!?」


 数え切れない札束に私は動揺しているとアスカちゃんは想定金額を簡単に出した。


「この金額ですと三億ですね、良かったですね」


 三億っ!?そんなのドラマでしか見ない金額だよ!?遊んだだけでこんな大金手に入るの!?


「というかアスカちゃんの反応悪くない?」


「そうかな?シスターズにいた時の方が金額がおかしかったから三億くらいだとこんなもんだよ?」


 絶対におかしいと思うけどレヴィアサンにはよく伝わってないのか私に値段を聞いてくる、確か……百ベルで十円だから………


「えっと……三兆ベル??」


「は?」


 私の計算間違ったかな?レヴィアサンの冷たい表情に私は改めて計算しても同じになる、やっぱりレジ打ちすると毎回とんでもない金額にしちゃうのが原因なのかな?


 そんなことを思っているとレヴィアサンは不服そうに更に金を差し出した。


「そんな安いのは“友達”として足りないわ、これで二兆ベル追加ね」


 意味の分からない金額追加に私達は改良された武器と五億円を手に帰らされる羽目になった、一度拒否しようとした時点で睨まれたから私は黙って受け取ることにした。


 まさかの出来事続きだったけど収穫は大満足だった、だけど帰り際にレヴィちゃん (レヴィアサンに次敬語使ったら殺すと脅され半ば無理矢理矯正されて)にこう言われた。


「呪血を使い過ぎないようにしなさい、それはアンタを蝕む枷よ」


 とレヴィちゃんの初めて見る曇った表情に私は頷いた、レヴィちゃんは呪血について何か知ってるのかな、今度喫茶店の宣伝兼ねて聞いてみようと考えて服装を戻して地球に帰ることにした。 

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