「私だけの特別訓練」その3
また数十分かけて歩くとレヴィアサンのお家――――
とは思えない豪邸が見えてきた。
「私の家は他の奴らとは違って家を何個も作ってあるのだけれど狭いけどあの家が一番気楽に帰れるの」
い、家を何個も?あれが狭い?あんな別荘みたいな家が?私は全く思考が追いつかず話だけ進んでいると到着したらしい。
「サクラユカリ、ぼさっとしてないで行くわよ」
レヴィアサンの言葉に我に返るとアスカちゃんが手を引いて連れて行ってくれた。改めてお金持ちの実力を目の当たりにした気がする。
☆★☆★ レヴィアサン邸食事場
馬鹿みたいに席があって馬鹿みたいに広いスペースに馬鹿みたいに豪華な装飾品の数々に私はちょっと引いてしまった。
「これから食事だけどアンタ達もどう?」
そしてここに入ったのならばレヴィアサンのゾーンだと言うことをアンタちゃんに言われると何故かメイドさんが服?を持ってきた。
これを着ないと皇女様が不機嫌になるとのこと、無論食事は首を振ることは許されずこの服?も着ないと話しが進まないらしい。
仕方なく試着して見るとこれは…………
「これ服じゃないよね?」
どう見ても水着、しかも、お尻がやたら強調して布面積が少ない、胸は何故か中心にハートマークが空いており胸が丸見えになりそうな際どいトンデモ衣装だ。こんなものゆいゆいが見たら発狂………いや……鼻血吹き出して臨終かな。最近分かったことがあるんだ、ゆいゆいは私の肌を見せてる時は一切手を出さないと。
「前にも来たことはあるけど相変わらずちょっと過激だな……」
アスカちゃんに関してはそれはもうアウトなのでは?完全に胸囲を無視した衣装に悲鳴を上げてる気がするんだけど。
「うぅ、胸が苦しい……」
アスカちゃんの胸が解放されたいと言わんばかりの水着に私はレヴィアサンを呼び出すが無視された。仕方なく着替え終わると喜々とした表情で迎えてくれた。
「あの……レヴィアサン様、私の胸がとても苦しいのですが変わりの物はございませんか?」
アスカちゃんはもじもじと恥ずかしげな表情でレヴィアサンを見ると無情にも彼女はこう言った。
「脱げはいいじゃない?」
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「いえ、あの!流石に家で胸を出すのは品位が……」
「私は構わないわよ?苦しいなら全裸でもいいわよ?」
なんとかいほーてきな暮らし方でしょう、私達に晒し者&痴れ者になれと告げたのだ。こんなの暴動が起きてもおかしくないけど私達は耐えた、アスカは仕方なく諦めることにした。
「あの、それで…要件は………」
「私、今からお風呂なの、アンタ達も来なさい」
何という我儘高飛車皇女様ですこと、しかも拒否権がない辺り家の中では皇女様という身分が厭らしくも思えてくる。私達はその後お風呂に入らされ変な装飾品を渡されセクハラされて酒を飲まされそうになった。仕事で疲れてるのに荒い言葉や文句を出してしまいそうになるのを押さえているともうヘトヘトになっていた。
「今日はこの部屋で泊まりなさい」
もう嫌………いつまでこんな茶番をしないといけないのか、夏の時はあんなに楽しく遊んだのにやっぱり貴族や皇女様の生活は私にとって荷が重い。
とうせ拒否権がないからゆいゆいに怒られる、仕方なくメールで送るとすぐさま【殺す】と最悪な返信が帰ってきたからそれを宥める為にまた一肌脱いでしまい、疲労の限界で私は言われたお部屋で倒れ込み泥のように眠ってしまった。品がないとか言わないでね、私はお嬢様の暮らしなんてうんざりなんだ。
誰かが歩いていく足音は感じたが今はどうでもいい、今は眠りたいよ。




