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幻影道 第五巻    作者: SAKI
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エクストラ「違和感の正体」その2

 俺が写真の整理をしているといつの間にな俺達の町へ戻っていた、あと少しで帰路に着く。


「すぅ…………すぅ……」

 

 ユカリもいつの間にか肩にもたれ掛かっていた。終始こいつの寝顔見てる気がするぜ―――― ん?一瞬だが視線を感じた気がする。俺の気の所為だと思うがなんだなんだ?俺も疲労が溜まってんのか??

 

 辺りを見ても他の人は視線を送ってる奴が居ない事を確かめたがどうも背後から視線を感じる、確か後ろの席にはユイ姉がいたような?


 席と席の間にある空間を目を細めて見るとユイ姉派熟睡中みたいだ、俺の気の所為だ、疲れているんだと確信した俺は少しの間目を閉じることにした。


「ふふ」


 ☆★☆★ ユイ


「皆起きなさい、帰路に着いたよ」


 バスが帰路にあるバス停で止まると私はいち早く起きて皆を叩き起す、アスカちゃんは触れた瞬間に飛び上がり一緒に起こしてくれた。


 皆はすぐに持参した物を持って直ちに降りるとユカリちゃんだけ起こさずお姫様抱っこで降りた。


「ユカリちゃんだけずるくない?」


「いいの、疲れてる私が責任を持って送るから」


 私はそう断言すると満場一致とまではいかないけど承認してくれた。


「あ、ユーゴちゃん少し良い?」


 私は何だか悩みを抱えてそうなユーゴちゃんを声を掛けて皆とは別ルートで一緒に帰ることにした。皆疲れてるから一々文句は言う気力さえ無かったみたいだから楽だったな。


☆★☆★


 海まで遠かったからさっきまではお昼だったのにもう夕暮れか、夏は日も暮れるスピードが遅いとは思ったけど時計を見るともう七時を回っていた。


「そういえばユーゴちゃん、君帰ってる最中悩み事ユカリちゃんに言ってた?」


 私はうたた寝してる時に聴こえた会話に耳を傾けていた、その後は熟睡してたけど少し興味あるな。

 

 だがユーゴちゃんは何かを悟ったような表情で溜息を吐いた。私がその元凶だみたいな感じだね。



「視線を感じたのはそのせいかよ」


 視線?確かにユーゴちゃんの前だったけどそんな簡単に気付くような事してないと思うけど……まぁ別にいっか、そういうことにしましょう。


「お姉さんの魅惑の視線感じちゃった?」


「その遠回りに聞くのやめてくれよ、深く考えてた俺が馬鹿みてーじゃねぇか」


 ふふーん♪遠回り大好きだから別に気にしないよーだ♪ユーゴちゃんは頭をガシガシ掻きながら話を戻す。


「いやさ、俺って仲間達からどんな目で見られてんのかなって」


 照れ臭いのか聞きにくいのか集めた本人だからなのか目が泳いでいる。


「うーん、客観的?それとも主観的の評価を求めてるの?」 


「まぁ、言うならばそうっすねどっちでもいいんすけどユイ姉の観点から見ての方が優しそうなのでそっちでお願いするっす」


 成程、ならば私の考え且つ客観的にも捉える言葉の方が良いかな?子どもを傷つけるのは趣味じゃないしね。


「そうね〜【家族】として評価するならば著しく欠けてるかもね♪【個人】としてはまだ節穴があるけど道は間違っていないかな?【騎士団】としては微妙かな?」


 私はユーゴちゃんの問題点をいくつかピックアップして指摘する、家族として仲間意識が低く協調性の欠けている、個人としてはお金稼ぎは奨学金を帳消しにする為の個人営業だけどそこは素晴らしいとは思う、生きていく為の力は低いから減点だけどね。それから騎士団としては先ず任務は殆ど受けない、依頼も断りがちで貢献度は最低。まぁ元から騎士団としては仕事する気がない私からすればどうでもいいけど問題は戦力としてかな?


 腕っぷしは間違いなく強い、一般人の高校生で微量な風魔法をブラフ扱いで戦い抜けるのは流石ね。

ただし個々の能力には限界があり致命を負うと逃げ腰になるから戦力としては微妙かな、我が家の情報屋であり調査部隊でもあるからユカリちゃん抜きだとキツイのも問題かな。


 と説明し終えると落胆した表情で納得してくれた。


「結構辛いっすね」

 

「そ〜?これでも絞った方だよ?他の子どもちゃんの問題の方が大変だからこれでもマシな方だよ?」


「マジすか」


 そう、どっかの二重人格とか精神病に記憶障害に過食嘔吐に鬱に機能不完全に脳未発達に義手の子よりかは幾分マシだと思うけど。私も障害持ちだからユーゴちゃんが羨ましくも思えるのに。

  

 そのことを聞いてユーゴちゃんはどうすれば良くなるかを聞いてきたから一言だけ伝えた。


「取り敢えず直向きで真っ直ぐに努力しなさい、お姉さんが言えるのはそれぐらいかな?」


 私の発言に頭にモヤがかかったかのような表情に私は踵を返した。


「大丈夫、ユーゴちゃんは日が浅いから馴れてないだけだから、仲良くなればユカリちゃんみたいな女の子もいるからね」


「はぁ?ユカリみたいな奴等っすか?」


 うんと微笑み返すと私はその場を立ち去ることにした、おっと、言いそびれそうになった。


「ユカリちゃんはね信頼してる人にだけ甘える癖があるんだよ?普通なら甘えることなんか絶対にしないからユーゴちゃんはユカリちゃんの事を大好きでいてあげてね♪」


 その言葉に可愛くも赤面するのを見て大満足に帰ることにした、道間違えてたからじゃないからね?

ユカリちゃんをお持ち帰りしようとして反対側の私の家に行こうとしてたからじゃないからね!?


 私はせっせと歩いていると何故か視線を感じた。


「ふーん?」


 何だか尾けられてる気がするなぁ?誘き出すか、ユーゴちゃんの疑問は間違いじゃないみたい。


 私はよく知る公園を歩き、閑静な住宅街にある廃工場へと誘導した。

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