「火薬と血と」その3
「ひゃーははは!見ろよ!財宝が沢山あるぜ!!」
坑道を抜けるとそこは発掘ポイントでしたが中は恐らく賊か雇われ兵か定かではありませんが四、五人程度の男の人が壁から魔石を掘り出しているのを見つけました。
「人の所有場所から盗みを働くなんて……」
「クズなのは間違いないですね、ユカリさん」
私は銃を構えるとユカリさんも太腿から銃を抜き震える手で構える。
「掛け声で撃ってください」
私は小声で呟くとユカリさんは深呼吸して息を整える。私が掛け声と同時に撃鉄を押す。
「三、二、一!!」
一発目は頭部をぶち抜き即死だったのですが二発目の弾丸は膝を貫いただけで致命傷には至らなかった。
「ふぅ」
私は知られまいと変形武器である狙撃銃から変形させ二つの双剣へと変形させ私は足音を立てずに背後から強襲を仕掛ける、そして横にいる奴も警戒はしていたが背後だとは気づかずそのまま頸動脈を切り裂き絶命させました。
「なんだこの女ァ!?死にやがれ!!」
今ので二人、即断即決で殺そうとしましたが私の息が切れて片方の男の人はハンマー、もう一人は短剣を所持しているのが見えた、ですが振りかざされ私は二人の攻撃を食らい痛手を負ってしまいました。
振り下ろされたハンマーは頭部を砕き視界が一瞬だけ真っ白に、その直後に短剣で腹を刺され上の方へと切り裂かれ私は絶命寸前で血を流し腹の中の物が出てきそうでした。
「へっへっへ、女だぁ!!」
弱った私は男の人に馬乗されて挙げ句顔面を何度も殴られますが私は双剣を突き出し一人の男の脇腹に致命傷を与えました。
「シンデください」
視界が揺らぎ吐き気がこみ上げますが命に別状無しだと判断し残りの一人の逃げる男は腰にある改造ハンドガンで脳天を撃つ。
「ぐぅぅががっ」
脇腹を刺された奴が何故か生きていたので目玉に二発の弾丸を撃つと動かなくなりました。
「げほ、げほ」
流石に体力が足りない、脇腹をはその場で膝を付き激痛する頭部を押さえるを息が辛く呼吸困難になるほど私の体力は殺戮兵器だった頃よりも何倍も無くなって今では少し走るだけで息が辛くなってしまった。
「「ノアちゃん!」」
私の攻撃に一度も介入出来なかった二人はすぐさま私に掛け良い手当をして頂きました。ユカリさんは褒めてくれましたがアヤさんからは恐怖心を感じました。恐らく殺しの世界には足を踏み入れてないせいでのことでしょう。
「す、凄いわね、あんなに大勢を一人で殺しちゃうなんて」
「いえ、私の全盛期は二十対一で狩り殺してましたので私も衰えてしまったみたいですね」
尚、その話をユイさんにしたら鼻で笑われました。まるでたったの二十人で武勇伝を語るなんてといいたいげでしたが恐らくユイさんは一人で一日でとある騎士団壊滅を何十と潰した記録があるとアリアンロッドさんから聞いた時は流石に目を疑いましたね。
しかも有名な騎士団も沢山あったので百は超えていて熟練だろうが玄人だとしてもユイさんは無傷で勝利したらしいです、あの人は化け物ですね。
「わ、私………足手まといだ」
二人は私の状況に表情を曇らせる。
「いえいえ、私がこうして戦えたのはお二人の安全を優先したからです、少しでも協力してくださるのなら応援してください」
私は頑張って笑顔を見せると二人は強く頷きました、大切な家族の為なら私は貧弱な身体を晒してでも戦い抜いて見せます。
「さて、行きましょうか」
まだ始まったばかりなのに重症と幸先が悪いです、この先に一体何が待ち受けているのか誰にも分かりません。




