「サマータイムメモリーズ・海編」その5
「それならさ!レヴィちゃんもウチに来なよ!」
プレアちゃんの発言にゆいゆいは凄くとても嫌そうに首を振る。
「私が?」
自分の事を指を指すとプレアちゃんは強く頷く、少し間を開けてレヴィアサンは優しく笑った。
「ごめんなさい誘いはとても嬉しいわ、でも私は皇女だから……アンタ達みたいな暇人じゃないの、気持ちだけ受け取っておくわ」
そう言って踵を返すもプレアちゃんに抱き留められた。
「良いじゃんか、辛いなら逃げてもさ!身分とか種族とか金とかカンケーなしにレヴィちゃんが欲しいの、ダメ?」
甘えるプレアちゃんにレヴィアサンはそれはそれは母性の眼差しで頬を撫でた。
「ダメよ、私は貴族であり、人間と悪魔、妖精の血が混ざった種族、三つを調和する唯一無二の存在、それが崩れれば水星は危機に瀕する。もっとも辞めるなんて言い出したら私はその場で殺され、晒され、拷問を受ける羽目になるわ、私は逃げられないし次の継承まであと数千年生きなければならないのそれまでは一人で統治して一人で生きていかないといけないの」
レヴィアサンの課された鎖は非常に重々しく難攻不落の要塞のような規模だ、ずっと首を絞められ、手と足に枷をはめられた寝苦しくも自由な囚人と化している。
プレアちゃんは意地でも連れて行こうとする蛮行に私は口で止め、ゆいゆいからも止められて漸く諦めてくれた。
「レヴィアサン……それならば契約という手段で交友関係を深めるのはどうでしようか?」
するとアヤちゃんからある提案を説明された、その内容は交友関係を結び水星の危機に迫るなら加勢し、幻影守衛騎士団が危機の時はレヴィアサン一人だけ加勢するという内容だった。はっきり言って私達には得が少ない契約だ、でもそうでもしないと気高き水星の人達は納得しないということをアヤちゃんに説明された。
「そうね……それならアンタ達と仲良くしてやってもいいかしら?」
「何その上から目線、ホントはただ寂しくて友達が欲しかったくせに」
「う、うるさい!言っておくけどもうアンタとは戦わないからね!」
レヴィアサンはゆいゆいの小言に赤面しもう争わないと断言した。
「ふ〜ん、なら私と傀儡ってことにしていいの?」
「アンタには興味ないわ、私が興味あるのはサクラユカリだけよ」
突然の名指しに私は呆けた顔で声を漏らす。
「ほえ?」
「ほえじゃないわよ、私はアンタと仲良くなりたいの、他の凡人には多少興味あるけど利益が少なそうだからサクラユカリがいいの」
相変わらず見下しからの苛立たしい上から目線の物言い、本来なら皆激怒して殺しに掛かるけど何故か皆微笑ましそうに笑った。
「な、なによ!?」
レヴィアサンは周囲の反応に焦り質問すると私も何故笑ってるのか検討がついてつられるように笑ってしまった。
「レヴィアサンって結構強めなツンデレね」
ほくそ笑むゆいゆいは言葉を発するとレヴィアサンは更に頬を真っ赤に染めて達磨さながらの顔面から出た言葉には拍子抜けだった。
「つ、ツンデレって何よー!!わ、私の知らない言葉でバカにしないで頂戴!!」
言葉が弱々しく、どちらかというと教えてと言わんばかりの表情だ。これには皆レヴィアサンを微笑ましく笑い合う。
「もぉ〜!契約はしたからコキ使ってやるんだから!!覚えて置きなさいサクラユカリ!」
「な、何で私!?」
最悪の飛び火が降り掛かったんだけどぉ!?しかも怒って帰っちゃったよ!?最悪のパターンのオチは次合わせる顔がなく…………
次顔合わせるの私じゃない?
「もぉ〜〜!!皆からかいすぎだよ〜!!」
私は牛のように叫び皆は知ってると承知の上での犯行らしい、確信犯だ。皆は自分じゃないからって!!
「まぁ、ユカリ………ガンバ」
そして憎たらしい笑顔で親指を曲げたユーゴ君にはローグ君直伝のドラゴンスクリューをお見舞いした。因みに私の叩きつける時に腕の関節が曲がって戻らなくなりました。




