「覚悟の恋路」その6
惚気話を聞いて早三十分、耳が痛くなるほどのユイさんの愛を語られゲシュタルト崩壊しそうになっていると浜辺に辿り着いていました。
「む?お前らか」
そ、そこには!!ろ、ろ、ろ、ろ、ローグさんがいました!!!
「あっ、駄目だよ逃げちゃ」
すぐさま蜻蛉返りしようとしたらユカリさんに阻まれ阻止されてしまいました。
「あ、あの!!私!」
こ、こんな破廉恥な姿見られたくないと身体を隠してしまいました、パーカーなんか脱がなければ良かった。
「まだ私のゆいゆいが好きなところ終わってないよ?」
「貴女はいつまで惚気けてるんですかぁ!?」
咄嗟に突っ込んでしまいましたがユカリさんはほえ?とアホ面をかましていたので逃げようとしたらそれでも止められました。
「あっ、ローグ君〜ノアちゃんの水着ど〜?」
そしてあろうことか私の手を引っ張りローグさんに見せつけるように水着を晒しだしてしまいました。
「はうぅ」
恥ずかしすぎて死にそうです、私は淫乱でどうしょうもない女だと思われたでしょう。こんな淫らな水着を見せつけるなんて!!ユカリさんには後でお仕置を――――――
「悪くないんじゃないか?」
え?
「ノアのイメージカラーは緑色、種は明るめのほうがより一層ノアの魅力を引き出す。その上ノアは普段は大人しめのカラーを着込んでいるが肌を出して普段見られないものを見せるインパクトには誰もが驚きをみせるだろうな」
「えっと??つまり?」
ユカリさんは小首を傾げながら質問すると一呼吸置いてローグさんは言葉に出す。
「俺個人だとギャップがあり悪くないと言ったところだな」
顎に手を当てて当たり障りのないような言葉にユカリさんは不服そうに小首を傾げました。
「えっと…………んん??似合ってるってこと??それともローグ君以外だとよく見られないってこと??」
「聞き返すなよ」
「だって回りくどいよ!素直に言ってよ!!」
「言ったぞ?」
「っ?????」
あまり理解の方が出来ていないみたいですが私にとってはこれほどに喜ばしいことに内心ガッツポーズしそうになりました。
パーカー無しでもローグさんに好いて貰えるということは今度で、デートの時にでも新しい服とか着ても嫌われないって事ですよね!?
プレアさんからギャップ萌えで肌を見せる作戦は成功みたいです!あの馬鹿でも使えるもんですね。
「え〜〜素直に褒めてよ〜〜!!私は!?私はどう?」
するとユカリさんは駄々をこねてローグさんの腕を掴み甘えています。う、羨ましい!!
「お前は元から可愛いだろ?俺以外全員に好かれてるから評価なんて必要ないだろ?」
なっ、普通に可愛い!?私には言ってくれてないのに!?ユカリさん、ユイさんというお嫁さんがいると言うのに浮気者め!!
「えっと、ノアちゃん?」
私は半分妬みでガン飛ばしてしまいユカリさんは何かに気付いたのか私の背中を押しました。
「ほ、ほら!ローグ君と遊んでみようよ!ノアちゃんなら出来るから!」
ちょ!?なんか急に逃げようとしてません!?そんなに押したら!
「きゃっ!」
砂浜に足を取られた私はバランスを崩し、倒れそうになるその時、ローグさんが助けてくれました。
抱きかかえられるように助けられると私は一気に頭が沸騰して胸を押し当てていることに気づきました。
「大丈夫かの―――――― 」
「ひゃわわわわ!!!ごめんなさいです!!」
瞬間私は頭に血が登り、拒絶反応を起こして物凄い力でローグさんを突き飛ばしてしまいました。
私みたいな汚らしい女に触れるなんてローグさんが穢れて可哀想です!!
「の、ノアちゃん落ち着いて!?大事な人突飛ばし――――― 」
「ぎゃあぁぁぁぁ!!来ないでくださぁぁぁいい!!」
パニックを引き起こした私はもう落ち着くまでユカリさんを何度も突き飛ばし、最悪なことに怪我までさせてしまいました。
それでもユカリさんは私の事を何度も落ち着かせようとしてくれたみたいですが、最後はプレアさんの脳天チョップに無理矢理鎮められました。
最悪です、こんなことしてるから皆さんに嫌われると言うのに・・・・




