「サマーキラキララブラブサンシャイン」その4
「ぜぇ、ぜぁ、はぁ、はぁ……」
大量の汗を流しながらも謎の力によりフルパワーゆいゆいの猛攻にいつの間にか特典はラストポイントにまで追い詰められていた。おかしい皆さっきプレアちゃん達に教わったばかりなのにゆいゆいだけ様になってる。それどころか体力ジリ貧のノアちゃんの事を考えて動いて的確な指示まで出している。この人の天才肌は限界が無いのかな!?
「ふっふっふっ、組む相手を間違えたわね♪もし負けたらユカリちゃんを好き放題・・・ぐふふぐへへ♪あの雑魚は胸がでかいだけの木偶の坊、勝ったわね」
ゆいゆいは勝ち誇った目でサーブを打ち出した、力強く放つ弾丸のようなボールを私が防ぎレヴィアサンが陣地に打ち返すも的確な指示により容易くノアちゃんにガードされ、高く打ち上げられたと同時にゆいゆいは高く飛び上がる。
体力はもう限界、ゆいゆいのアタックは豪速球且つボールが私達の陣地ギリギリラインで落としてくる。もう駄目だと確信して諦めてしまおうと思った次の瞬間、レヴィアサンは瞳を鋭く尖らせてゆいゆいの目の前まで加速し打つと同時に飛び上がる。
「地球にはこんな言葉があるのよね?“高慢の鼻を折る”ってね」
レヴィアサンは一つも汗をかいておらず、この瞬間を待っていたとニヤけ大きな巨体と長びた腕にボールは弾かれてしまい、なんと逆にラインギリギリで返してしまった。
「う、そ??」
完全に勝ち誇るゆいゆいは真っ青な顔色に陥り、地べたに膝から崩れた、この状況にはノアちゃんは驚いていた。
「ふん、一点でも取ればウチの勝ちよね?アンタが浮かれるの待ってた甲斐があったわ」
レヴィアサンはゆいゆいの性格を読んでわざと点を取らせていた、私は必死でヤケになってたのに対して冷静でゆいゆいが慢心するのを待っていたんだ。
「アンタ、知っててわざと下手に戦ったの?」
「当たり前じゃない?戦場に必要なのは隙きを見せた一瞬なんだから。相手が弱るのを見て一撃を叩き込む為に体力を温存したのはその為よ、サクラユカリは考えもなしに突っ込んでいたから馬鹿を見ただけ、普通に考えてアンタに勝てる訳無いしね」
それなら賢く勝とうというのがレヴィアサンの判断だった、うぅ……何だかやるせないよ。
「ふん」
ゆいゆいは自分の不甲斐なさと慢心に浸っていたことを後悔し、瞳に涙を溜めながらノアちゃんに一言言って一人何処かへ消えてしまった。
「ゆいゆい!!」
私はレヴィアサン達と話す前にゆいゆいのことを追い掛けていた、私はゆいゆいの事を何もしてあげられなかった。元気にするために頑張ってたのに全部裏目に出てゆいゆいを悲しませてばかりだ。
「サクラユカリ!」
私は背後からは聴こえる声を無視して大切な人の元へ駆け出した。




