「サマーキラキラサンシャイン」その4
☆★☆★ ユカリ
見つからない、そんなに広い更衣室でもないのに見つからない!!ゆいゆいの水着姿を一番に見るつもりだったのに!!どこに行ったの!?
私は焦っていた、大好きなゆいゆいがまた何処かへ消えてしまったと思い込み辺りをくまなく探した、でも結局見つからなかった。
また、野暮用で異世界にでも行ってしまったのだろうか?アスカちゃんも見当たらないし、徒労だ。
私は心底肩を落としてノアちゃんと共に外へ行くとそこには見知った人がこれまた意外な人に対峙していた。
「アンタ、何しに来たのよ?」
「私?仕事が無いから休みで地球に来てるだけよ?」
「ふーん」
そこには大好きなゆいゆいとアスカの姿とあの人は・・・
「レヴィアサン!?」
海のような鮮やかな髪色のショートボブ、スタイル抜群の高身長。それであの気品溢れる水着!まるで妖精さんだ。
私達はすぐさま駆け寄ると二人は既に水着に着替えていた。
「あら、サクラユカリ。丁度いいわ、アンタ達って暇?」
ゆいゆいの言葉を無視して私に声を掛けてきた。
「えっ?えっと………暇ではないですけど」
「海に来てるなら暇よね?」
ずいと顔を近づけ威圧的な態度をする。そこにゆいゆいが肩を掴み鋭い眼差しで睨む。
「生憎アンタみたいなのと関わりたくないから頼みなら別な奴に頼めば?」
「アンタに聞いてないわよ、会話の邪魔だから失せて」
「いきなり見つけるなり頼み事する態度じゃないでしょ?」
ゆいゆいは他の大人の人達だけでなく偉い人にでさえこの態度だ、水着を掴み怒ってしまう。本来ならビビって逃げ出す人が多いけどこのレヴィアサン・レヴィアタンさんは貴族で【水星】の皇帝で二人は犬猿の仲で殺し合いにまで発展するほどの互いを嫌っている。
「失せろって言ったでしょ、そんなデカい乳ブラ下げて男を探してるの?」
「私はアンタみたいなビ●チじゃないから男なんて要らない、これ以上私の妹に手を出すたら首へし折るよ、淫乱女さん?」
「やって見なさいよクソ女、人殺しの分際で偉そうにアリアンロッド様に暴言罵倒の数々を吐き散らし、色んな奴等か殺害命令されてるの知らない?」
「あれはアリアちゃんが勝手にしてるから関係ないわ、脳味噌小さい女はモテナイよ?」
「あぁ??」
二人は会話を重ねる度にヒートアップし、互いに胸を掴み合い引き千切りそうに引っ張る。
「決着着けてやるわよ化け物、内蔵ぶちまけて死になさい!!」
「アンタの脳味噌、一度見てみたかったのよ」
アスカちゃんは二人の空気に気圧され、アワアワとして近寄ることが出来ない、血生臭くなる前に私は喧嘩を止めようと二人の間に入ると直後、互いの拳が私の顔面と腹を突き破るような痛みが襲い掛かる。
「がぁぁぁぁっっっっ」
顔面が歪み腹から臓物が飛び出してしまう痛みに転げる。多分骨は何本か折れているだろうな。
「ゆ、ユカリちゃん!!???」
いち早く駆けつけたのはゆいゆいだった、その次にアスカちゃんと隠れてたノアちゃんが出てきた。やっぱり私の家族は優しい。
「ごめんなさぁぁぁぁぁぁい!!ユカリちゃんごめんねーー!!!!」
ゆいゆいは素早く回復魔法を唱え痛みはそのままだけど傷は完治した。そして何処から出してきたのか痛み止めを飲ませられ抱きしめられた。
「もう〜〜アンタのせいだからね!?愛しの嫁をボコっちゃったじゃない!!」
「なによ私のせい?このアホが入り込―――― 」
「うるさい黙って!!」
圧倒的理不尽にキレるゆいゆい、何を言われても罵倒暴言にキレるゆいゆいにこれにはレヴィアサンもかなり凹ませる程だった。折角皆の水着を堪能出来ると思えば幸先が悪すぎる、お願いだから今日はのんびり過ごさせて欲しい。
私は神にも縋るように気持ちで安全を祈願した。




