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幻影道 第五巻    作者: SAKI
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エクストラ 「Knights of shadow」その3

 姉さんと別れた後、更なる情報を求め施設内を彷徨う。どこへ行っても雑魚ばかりで退屈だ、俺は一番奥であろう巨大な実験室に辿り着く、そこにも姉さんのクローンが沢山作られているが何やら他の生物とも結合した奴もいる。


 俺は早速調べようとしたその時、暗闇から弾丸が飛んできた。入って早々気付いたが野放しにした方が敵の力量も測れるからと思って無視していたが場所は壁際、どうやらもう一つ部屋があるのか螺旋階段の上に居たようだ。そして誰かは逃げるように走りその部屋に進むに連れて俺も早足でそこへ向かおうとしたその時。


「ちっ」


 どうやら音の原因は割れた培養液みたいだ。敵が来ても言いよう行動を起こしたんだろうな。


 見た目は完全に姉さん、だが所詮はお人形用、“本物”には到底叶わないな。


 俺は触れようとしたがその前に警告音が鳴らされてしまった。


 警告:侵入者検知、固定モード解除、戦闘モードに移行。


 気味の悪い悪趣味なサイレンが施設全体に響き渡る、そして背後からは武装した人間達がわんさか溢れる。面倒だからと早速片付けようとしたその時、培養液のクローンも中から叩き割って出てきた。


「殺します、殺します殺します殺します」


 見た目に反して姉さんっぽいな、全裸で戦うなど素人か?


 と少し舐めていたら彼女達は胸元から剣を引き出したり腹をさけてそのから巨大な口が飛び出したりなど気持ち悪さ倍増のグロテスクモードになっていた。


 狭い場所に三十人近く+クローン十体か、特に問題は無いがクローンの実力次第では番狂わせの戦闘になるかと少し楽しみにしていたその時、天井から物凄い力で蹴り飛ばし破壊してきた奴が出てきた。


「やっほー♪」


 そこには当然姉さんが見下すように下を見る。


「ユイ、お前も居たのか」

  

 すると研究員の中から数名程姉さんを捕らえようと強襲する。放たれた大砲の中身は恐らくトリモチか何かの粘着弾、それを姉さんは容易に回避するとクローンが襲い掛かる。


「何こいつ?」


 自分が自分を見るなど奇妙か不快でしか無いだろうな、姉さんは咄嗟に腕をへし折り地に伏せる。


「ライトブレイド」


 その時、背後から光の剣を生成したクローンが襲い掛かるが姉さんは振るう腕を掴みその剣を二人の喉元に突き刺して絶命させた。


「ユイは手加減しては駄目だ、殺す気でやれ!!」

 

 すると研究員は一斉に掛かれと咆哮する、俺の出番はと内心思ったが姉さんの手慣れた手付きでその場にいた全員無傷で皆殺しの目に遭った。


☆★☆★


「ふぅ」


 転がった死体を踏みつけながら一息を吐く、そしてその場を立ち去ろうとしたので一応一声を掛けることにした。


「おつかれ」


 一声そう言うと姉さんは振り返ることなくハンドサインで手を振った。


「言っておくが姉さんをクローンだとは思わない、アンタの方がよっぽど美人だし可愛いからな」


 あのクローンは見た目は似ても人間としての輝きが無い、その点姉さんは誰よりも輝いている、だから誰が何と言おうとも姉さんは“本物”だ。


 それに姉さんは本気で凹んだり悩んだり苦しむと極端に口数が減る、涙も見せければ誰にも言わない程落ち込むのが姉さんの特徴だ。その時はガキの頃のように喜ばせれば直ると思っていた。


「ありがとう」


 だが姉さんはそのまま去っていった、耳はとても赤く喜んではいたが現実を受け止めるにはまだ時間が足りないようだ。


 俺は今回の件を纏めると最後に施設ごと岩に埋もれて貰うことにした。

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