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マジかよっ!?これが異世界転生ってやつ?

 

 なんでこうなってるだ…っ!?


 …いや、なんでこうなったんだっの間違いか!?


 今、俺の目の前に、兄さんの婚約者でも有るベル・クラーク嬢と屋敷の中庭で午後のティータイムをしている。


 …そう、俺と二人っきりで。


 兄は、23歳と言う若さで王宮直属の騎士団の第一部隊の隊長をやっているのだ。


 今日たまたま俺が暇を持て余している所、兄の目に止まりこうなった。

 まさかっベル嬢と茶をするなんて、最初から聞いていたら絶対に断っていたさ。


 だって…俺、この人ベル嬢の事が大の苦手だから…。


(まんまと兄貴に()められた…仕事が入っている時間帯に茶の約束しただと?ありえねぇ)


 ハァ…と溜め息を一つ吐いてしまった。


(ヤベッ今っの溜め息きこえちまったか!)


 カチャンッと紅茶の入ったティーカップをソーサーの上に起き、静かに俺の方を見る…いや…正しくは睨んでいる。


「あっあの…ベル嬢。今の溜め息は…その…つまり考え事していて決して貴方の事では…」


(アホかっ俺は何自ら墓穴掘っているんだっ!)


「…良いんですのよ?エース様?どうかお気になさらないで下さい」


 ベル嬢はクスッと一笑しては、また紅茶を口まで運ぶ。


(…やっぱ苦手だわ)


 俺は自分で、しでかした事を恥ずかしくもあり無言で紅茶を飲む。


 エース様…そう。今先ベル嬢が言っていたのは今の俺の名前。

 俺は、時を遡る事二週間前エースに憑依した「如月 (みこと)」だ。


 この世界は全て小説の世界、しかも俺がまだ生きていた時の…しかもしかも姉貴の書いていた未完成の小説の世界。


 姉貴はそこそこ人気のラベル小説家。今回も取材の為一カ月家を空けるから留守を頼まれたのが事の始まり。

 俺も実家より姉貴のマンションの方が大学に近いって事で二つ返事をしたんだ。


 ぶっちゃけ姉貴が書いてる小説には興味が無かったって言うか、そもそも恋愛物には興味が無かった。


「異世界」とか?「悪役令嬢」とか?俺には知らない世界だったしなぁ。


 でも、ある日同じ大学の女の友人が、姉貴の小説が今めちゃくちゃハマっているって聞いて、少しは読んでみよと思った。

 だから…この際姉貴の部屋に有る、今までの小説を片っ端から読みふけていたんだ。


「どうせ、最初の一ページで飽きるだろ」と思ったんだが、これが所がドッコイめちゃハマった。


 気が付けば、姉貴の書いた小説みな読破していた。


「う…ヤベェ…今日昼からバイト入っているのにもう朝かよ…恐るべし姉貴の小説」


 俺は大あくびを一つしては、眠気覚ましにシャワーを浴びようとしたんだ。


 俺も、バカだから加減と言う物が分からない。一度ハマると昼夜問わずのめり込む。睡眠時間や飯の時間を忘れる位に。


 バスタオルを探している時に、一冊の古びたノートに目が止まった。


「なになにぃ?こんなノート気付かなかったわ。まさかっ姉貴の黒歴史でも書いてんのか?」


 ペラペラペラ…ッとノートのページをめくっては走り読みをすると、どうやら小説のネームだった…。


(なんだ黒歴史じゃ無かったのか…残念)


 と、思いつつも目が離せ無い。多分…ボツになったのか?はたまた途中で辞めたのか…気付けば又ネームに没頭していた。


(何にせよ、俺的には面白いとは思うけどな?)


「って!ヤベェッこんな事している場合じゃねぇっ早く用意し無いとバイトにマジ遅刻だ!」


 慌てて、全裸になりシャワー室に駆け込んだ瞬間。まるでギャグ漫画の様に足を滑らせてしまった。俺。


 視界に入って来たのは、ゆっくりと流れるスローモーションでのシャワー室の天井の景色だった。


 …ああっ本当バカだ俺って。


 そして気が付けば「今」に至るって訳。

 目が覚めたら、後頭部にでけぇタンコブをつくって見知らぬ部屋のベッドの上にいた。


 俺の真横で、ハラハラとした顔のメイドや恐ろしい位の切れ長の目付きの悪い野郎が俺を眺めていた。


(…なんだっこの目つきの悪い奴は、うん?待てよ?コイツってどこかで…)


「…なんだ?階段から落ちた時打ち所でも悪かったのか?兄の事分からないなら」


 と、表情一つ変えないその野郎は、天井高く木刀な様な物を振り上げた。


「うげっ!!お前っなに振り上げてんだっ!?」


「お前?」


 そいつは眉毛一つ動かさないで、木刀を思いっきり振り下ろしたっ!


 バコーンッと強烈な音が鳴ったと思ったら、事も有ろうに俺の大事な股間まで数センチの所で木刀から煙を上げながら止まったっ!?


「あぶっあぶっあぶねぇだろっ!!何考えてんだテメェわっ!」


「…ほほーう?まだ兄にそんな口を聞くのか…次は容赦しない」


 兄っ?さっきから何言ってんだっコイツと思った瞬間、あっ!思い出したっっ!!


 スッと木刀を構えては、まるで獲物を狙うハンターかの様な顔付きに変わる。


「おおやめ下さいっ!カリム様っ!!次こそは本当に怪我だけじゃ済まなくなりますっ!!」


「…大丈夫だっちゃんと急所は外す、問題は無い」


「いやいやいやっ!問題多ありですよっ兄さんっ!!マジ死にますって!」


 咄嗟に「兄」のワードを出したのが幸いしたのか、何も言わずに木刀を納めた。


(良かったぁっ!姉貴の書いてた小説の登場人物思い出して…って、ん?待てよ?小説?登場人物?)


「…チッ思い出したか」


(チッ?今、この人チッって舌打ちしたよ?チッって)


 俺は、顔を引き攣りながら半分は泣き目で、兄の行動をやっとの思いで止め胸を撫で下ろした。


「…この次兄の事を「お前」などと言ってみろ?お前に太陽が拝めると思うなよ?」


 そう捨て台詞を言っては、部屋を後にした。


「はぁあっ!?いやいやいやいやっ何言っちゃってんの?あの人っ弟の身体心配していたんじゃ無いのかよっ!」


「しぃーっ声が大きいですっエース様っ!口ではああ言ってますが、本当は弟君ぎみのエース様の事が可愛くて仕方が無いんですよ」


 ニコニコと微笑みながら、頭にお花畑を作っているアンタも相当だよ。


 めっちゃ現実逃避してる笑顔じゃん。


(まあ?このメイドさんに免じて俺の事を心配して?様子を見に来た事にしましょ?)


 ハァ…と深い溜め息を俺とメイドの二人吐いた。


 …と、まあ…俺の異世界転生デビュー??はこんな感じで始まった。


 後にも先にも、頭の中をフル回転しても、多分そう言う事なんだと、受け止める他は無かった。


 小説の内容…登場人物…何もかも姉貴が書いていた未完成の小説の世界で間違い無い。


 ある程度、分かるけど…未完成な世界だ、後は自分でなんとかしろって事だよな?











…小説って難しいです。文章難しいです!

でもっ書いていきますっ(*≧∀≦*)b


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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