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仲直りの握手

お久しぶりです。前話に少し修正をかけましたが気にしないでいただいて結構です。本日はこちらの小説を更新しましたがまたヴァリアスワールド・オンラインの方も更新再開をする予定ですのでお待ちくださいませ。

「ファーグ、言葉を選びなさい」お母様が窘める様に第二王子ファーグストに声をかけた。


「母様、僕は第二王子です。こんな病弱で、しかも継承権三位で下級貴族と──いや、奴隷堕ちと変わらないような奴と一緒にされるのはやめて頂きたいですね」

ファーグストはそう言って鼻をフン、と鳴らし俺の方を蔑むように見る。


俺が彼と目を合わせてみると、本当に心からそう思っているのが瞳から読み取れた。


どうやら俺は奴隷と同じ。そうとしか思っていないようだ。だが流石にこう言われてはムッとしない方がおかしい。なので少し反抗してみることにした。


「お兄様は僕と下級貴族は同じって言いましたよね。って事は下級貴族も奴隷と同じという認識を持っているということになるので王を志す者として相応しい言動とは思いませんが……」


そう俺が言うとファーグストはみるみるうちに愕然とした表情に変わっていった。


「そんな事ない……そんな事無いんだッ!!」


そして自己暗示するようにキーキーと喚くその様子は豚が鳴いているようにしか見えなかった。俺はその様子に精一杯憐れみを込めた視線を送ってやった。


こちとら精神年齢十六歳だ、舐めんな!


心の中でそうも言い返してやった。



「やめないか二人とも」


今度は透き通るような声が寝室に響いた。扉の方を向くと、サラッとした金髪と惹き込まれそうなほど深いエメラルドグリーンの瞳を持ったスラッとした体型の好青年がいた。



第一王子、ゼインファーだ。


確かこいつは品行方正で有名な上、いつでもどこでも笑顔を振り撒いて貴族の女性たちをキャーキャー言わせているキザな兄だ。


要するに俺のようなやつ敵だ。


「……あんたには関係ねぇよ」


おや、さっきまでの調子が消え去ったファーグストがまるで両親の仇を見るような目でゼインファーを見ている。


「いや、あるさ。だって僕達は家族なんだからね」


「──っ、関係ねえって言ってんだろ!」


キザったらしく両手を上に挙げて声高々にそう言うゼインファーに若干目を逸らしながら地団駄を踏み悪態をつくファーグスト。


「あ、兄様方、争いはやめてください」


「──うるさい黙ってろ! これは僕とあいつの事だ!」

ギラりとした目で俺を睨み声を荒らげ唾を飛ばしながらファーグストがそう言う。


「なんで僕にはそんな風に優しく接してくれないのかな、悲しくて仕方がないよ」それに対しはあ、とこれみよがしに溜め息をつき左手で顔を押さえ首を左右に振るゼインファー。


優しく接する……? あれが? どこがだよ。


「ッ!? な、何を言っているん──」


「二人とも、少し落ち着きなさい。冷静になるんだ」


お父様の口から静かに放たれた言葉に二人が呑まれ(・・・)、場を静寂が支配する。


二人を静かにさせたもの。これは【資格】という物らしく、お父様の資格は王族の、それもこの国の王にのみ継承される資格である【レグサードの王】というものだそう。


資格を持つものは『保有者』と呼ばれるらしいが、国王であるお父様の資格は特別な物なので○○の保有者ではなく『レグサードの王なるもの』という呼ばれ方をするそう。かっこよい。


お父様の資格、【レグサードの王】は簡単に言うと威厳、カリスマを増幅させる物だそうだ。その増幅させた威厳は凄まじく、なにもせずとも自分に視線を集中させる事が出来たり、先程のように場を自分の物のように呑み込んだり出来るなど汎用性が非常に高い強力な資格となっているらしい。


これらはカイル君がお父様に説明を受けた時の記憶から探ったので又聞きであったので間違いがあるかもしれない。が、その能力は本物だろう。なんせ空気がピリピリと震えるのを感じ取れたし、お父様の方を向かなくてはならないと思ってしまったからだ。


「……ふぅ、少しはこれで落ち着けたかい? さあ、喧嘩した後はどうするんだった?」


発動させた資格を抑えたお父様は笑顔を二人に向けそう言った。


「すまなかったね、ファーグ」

ゼインファーはあっさりと非を認め謝り、ファーグストに右手を差し出した。


「……………………僕も悪かった」


ファーグストは少し迷うような素振りを見せたが、ゼインファーの差し出した右手を自らの右手で握った。


握手だ。それも仲直りの握手である。


仲直りの握手は俺も前世で子供の頃に何回もやらされたな〜。懐かしい。流石に昔過ぎて相手が誰だったかは忘れたけどね。


本人達が納得が行っているかは俺には分かることではないが、お父様はうんうんと頷いているし、お母様は良いわねぇ……と言って顔を綻ばせているし、アリーニャさんに関しては無表情だけど……まあ取り敢えず場が丸く収まったようなので良かったと思う。


「カイル、君も謝るんだよ」


あ、俺もそういえば当事者でしたね。

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