第25話① 復讐
ネロスは、マイティアと交わした沢山の会話をよく覚えていた。
『魔王ってどんな奴だろうね』
毎晩日記を綴るマイティアの細い指を見つめながら、ネロスは様々な好奇心を会話の話題にした。
あるときは、パンの焼き具合について
あるときは、弓について
あるときは、王国の寒さについて
そんな好奇心の1つであり、ゆくゆくはぶち当たる大きな壁、“魔王“について……訊ねたときのこと。
マイティアはそのやりとりを日記に書かなかったが
ネロスは彼女の答えを、覚えていた。
『魔王は、戦争の中で生まれた魔物だって説があるの』
戦争って何? ネロスがそう訊くと
『正義の水掛け、血と憎悪の応酬。
いわば、人が殺し合うことよ。お互いに、自分が正しいと信じたまま殺し合う』
文字を紡ぐ手を止めて『誰も救われない戦いよ』マイティアは淡々とそう答えた。
『戦争の中で亡くなった沢山の人、その魂が死者の世界へ辿り着けずに魔を引き寄せ、戦場に漂う魂が1つとなって生まれた……それが、魔王。
他にも考察や解釈があるけど、私はその説が一番腑に落ちてる』
『なんだか、もっとその……人は滅ぼして魔物は好き勝手に暴れさせようって、態度のデカい傲慢な魔物が王様気取っているのかと思っ……へっくしょん!』
夜になって気温がみるみる下がっていく事に鳥肌が立つ季節の変わり目、鼻をツンと突く魔物除けのお香の煙の中 黒く滲む小さなインク袋が開き、黒の乾燥インクのカビっぽい湿った匂いが混じる。
ほんの半滴、銀のペン先に付いた僅かな水でインクを溶かし、インクの量を袋の縁で調整して、日記の上を引っかかりなく書き始める。
その動作をいつものようにじーっと見つめるネロスに、マイティアは小さな声で呟いた。
『どちらかが滅ぶまで争い合うと思われていた人間とエルフが和解したきっかけは───魔王でもあるの』
『魔王が? どうして?』
『互いの正しさの押し付け合いであった戦争に、突然現れた強大な“絶対悪“だから。
人間とエルフは魔王を倒すため、その大義名分の下で集い、結託した。
その結果から見れば、魔王が戦争を終わらせたとも言える』
魔王を倒すべき相手としか考えていなかったネロスにはよくわからない話だった。魔王が戦争を止めさせた“イイ奴“ならば、勇者はそんな魔王を倒す“ワルイ奴“なのか?
『そんな顔しなくていいのよ、あなたは正しいの』
眉を“ハ“の字にひん曲げてしまうネロスに、マイティアは柔らかく笑みを浮かべ、力強く言い切った。
『例え魔王がどんな存在意義であれ、人の世を脅かすならば倒すしかない
その為にも人々は、もう一度……一つになる必要があって。先陣を切るのが、きっと“勇者“なんじゃないかって……』
『……僕に出来ると思う?』
『あなたならきっと出来るわ。
その後ろで、私たちはあなたの尻拭いにあたふたしているかもしれないけどね』
『後ろなの? 君には僕の横にいてほしいな』
無自覚で素直な彼の言葉に、マイティアはときどき『私を矢面に立たせるつもりなら、ちゃんと守ってよ?』子どもっぽく笑うときがあった。
ネロスは マイティアが好きだった。
彼女の子どもっぽい笑顔が 大好きだった。
『守るさ』
『僕はずっと、君の味方だよ』
第25話① 復讐
「人は 幸せになるために生まれてくるんだって……ベラが言ってた」
「ねぇミト。
君は 自分の幸せを 考えたことある?」
「こんな運命じゃない、未来を……」
「君の選択は、いつも正しかった……。
こうしたらいいって、いつも僕に教えてくれた……。
後先考えなきゃダメだって……教えてくれた」
「だけど……予知夢は 君の……血で、赤かった。
僕は君を助けたかったんだよ……ミト」
「君に会いたい……僕の手を握って……。
もう一度 もう一度…………。」
ネロスは、王国北部、天竜山の麓に氷の樹海を進んでいた。
肌身を切り裂く猛吹雪に揉まれながら、彼は食べることも寝ることもなく、真っ白な雪山を“西へ“進み続けた。
その最中、ネロスの身体はみるみる傷んでいき────褐色に錆び付いた包帯を纏った上半身、赤みを失って紫に変色した腐肉を羽織っていた。
かつて聖剣と呼んでいたその剣の刀身はネロスの乾いた血で汚れ、その柄には“指“がこびりつき
鋼以上の硬度を誇っていた刃をだらしなく地面に擦りつけ続けた結果、諸刃の剣の片刃はノコギリ状に欠けてしまった。
灰白色の太い骨に浮き出る赤い魔力管だけで骨を動かし、肋の籠に入っていた空っぽの心臓は溶け……空気中の魔を吸い、黒い瘴気を吐く───あられもない姿になってしまっていた。
ネロスは、自らが死霊であったことをマイティアたちに隠していたわけではなかった。
生まれたばかりの彼の心臓は確かに一度、止まった。その直後に、女神ベラトゥフは死霊術を用いた。その魔術的衝撃が、ネロスの小さな心臓に負荷を掛けたことで、彼の心臓は再び動き出していた。
つまり、ネロスは今までずっと生きていた。
彼は“死霊術を受けた生者“だった。
だが、今の彼は死霊だ。それはもう、誰が見ても。
死霊術に紐付けられた魂が、骨の見える腐乱死体を動かしている、死霊。ベラトゥフが術を解かねば、彼は自ら死を選ぶことさえ出来ない。
【死霊術とは、召喚術の領域にある禁忌魔術※であり、その本質は召喚術と同じ契約行為───絵本に描かれる死霊術師の様に、死した者を蘇らせる訳でも、死者を無限に呼び出せるようなものでもない。
術者と対象が対等であることの多い召喚術に比べて、死霊術は基本的に支配と服従であり、術者は対象の魂に“所有権“を持つ。その所有権は対象の魂の消滅、術者の死亡、解呪のいずれかでのみ無効となる。
術者一人で複数対象への契約は可能だが、支配と操縦力は散漫し
また、対象一人に対する複数の契約では、対象の魂への支配魔力量の多さで“占有権“が発生し、基本的に最初に締結した術者の支配魔力量を後続の術者が上回ることはない。占有権を持たぬ術者の契約は、最初に締結した術者の死亡・解呪後、ないし、支配魔力量の逆転により効果が発生する。
※女神が死者の魂を死者の世界へと誘う務めに対する反逆行為であり、倫理的問題や対象の魔物化(死霊化)を助長するため、女神教団・魔術師協会および各国の魔術規定より、禁忌魔術と指定され、学ぶこと、魔術書の作成も罪とされている】
彷徨うネロスの頭の中には、ずっと傍にいてくれたはずの、聴き慣れたベラトゥフの涙声こそ聞こえていたが
『549533、5414……014132552514、22251493? 549533……』
その意味を、彼はもう……理解することはできなかった。
ガリガリ……ガリガリ……ガリ……ガリ……。
地面を舐める剣、その剣先に引き裂かれた土は黒く腐り、雪の下で遠い先の春を待っていた芽は焦げ、襲い掛かる魔物や獣の肉を引き裂いた───魔に塗り潰された命が黒い一筋の魔となって……ネロスの骨へと吸い寄せられていく……熱く、濃く、煮詰まっていきながら────。
ネロスは……辿り着いた。
“ナラ・ハの森“に。
『王国の北端、天竜山脈を西に真っ直ぐ進むと、地底国を通らずにナラ・ハの森に入れるのよ。
もちろん、止まない吹雪の中を何日も、迷わず進めればの話だけど』
地図を読めないネロスに、そう教えてくれたマイティア。
彼女にとっては、最後の自由だった───。
たった一度きりの、大切な旅だったのに。
唐突に終わらせやがった“奴“がいる。
荒れ地の魔女レキナだ。
魔女が幻惑術をマイティアに掛けさえしなければ、彼女は王都へ戻ることを一人で決めたりしなかったのだから。
なんのために? なんのために彼女を?
ネロスは、それを問い詰めたかったのだ。
だが、彼が真に求めているのは、尤もらしい答えなどではなかった。
鉱石のように硬く、樹木のような外見をした、かつては色鮮やかだった結晶樹……それが溶け出し、生物の死骸と混ざった地面は、灰色か褐色の泥に覆われている。鼻を劈き、理性に危険を伝える腐臭が漂い、耳障りな魔物の羽音が人を鼓膜からビビらせる。
人の美的観念を嘲笑うかのような醜い世界だ。あるいは、最早此処は人が住む場所ではないという見せしめか。どちらにせよ、この森を好んで住む者などいない。ただ一人を除いては。
「化けの皮が剥がれてずいぶんとらしい顔になったじゃない、死霊」
エバンナの瘴気で溶けたナラ・ハの森へ踏み込むと、ネロスの目的の人物が自ら、溶けた木の上で彼を出迎えた。
「勇者ごっこはやめたの?」
レキナはブラックエルフと呼ばれていたセイレーンだ。その特徴的な黒髪を短く束ね、全身に白い刺魔が描かれた黒真珠の肌を持つ壮年の女。
胸元までの薄着に、“賢者“を意味する八つ星のエンブレムが刺繍された厚手の外套を羽織り、背丈を超えるブラッククリスタルの大杖を肩にかけ、薄青い煙を立てる煙草を咥えている。
ネロスはやや後方に下がった。気が付かない程に巧妙な幻惑術、それに奴は香炉や煙を使っていた……レキナが咥えている煙草も、強力な幻惑術に使われる可能性も十分ある。
「お前が 幻惑術を……ミトに幻惑術をかけなければ!」
「私はただ背中を押してやっただけよ」
「───なんだって?」
「アンタさ、途中であの女の幻惑術を解いたでしょ?
ラリったまま逝かせてやれば夢見心地で死ねたのに余計なことを。
いや、わざと正気に戻して、死に方を選ばせてやったの? そんな粋なこと、私でも思いつかなかったわ」
「何言ってんだお前」
「ねぇ、教えてよ。あの女、夢が覚めて絶望を知ったとき
どんな顔してた?」
ネロスは堪えきれなかった。
バチッン! ネロスの剣から放たれた魔力の衝撃波は レキナの眼前で見えない壁に弾かれて消えた。
だが、余裕そうだった彼女は頬を引き攣った。魔法障壁が割れたからだ。
瞬きの間で距離を詰め込んできたネロスは、跳び上がった身体を回転させ、遠心力で振り下ろしレキナを裂いた。だが、手応えはなく、真っ二つになったレキナの姿は煙のように搔き消える。
それを合図に周囲の結晶樹が紐のように解けてネロスの四肢に絡みつくも
「 ?」
パリ……ッ ネロスが軽く身動いだだけで結晶樹は砕け散った───その破片同士に電光が駆け抜け、ネロスに向けて四方八方から電撃が放たれるが、身体に触れる間もなく弱まり、消えた。
地に足を着けたネロスの足下から溶岩が沸き出すも、地表に噴火口が開いた瞬間に冷め固まり
空気中から突如突き出してきた氷の槍も溶け
垂れた水滴を基点に泥濘んだ地面を作り、ネロスの足を僅かに滑らせるも、瞬く間に元に戻り
───挑発してきた割には手の込んだ“嫌がらせ“
ネロスは憤った。
『…………っ』
だが、レキナは手など抜いていない事をベラトゥフは察していた。
噴岩の炎魔術、電光の雷魔術、鎌鼬の風魔術、氷剣山の氷魔術などの……殺傷能力の高い上位の属性魔術。それに加え、幻惑術、変性術、召喚術、転移魔術までも、避けにくい構成で間髪入れずに発動させてきた。魔術をかじった事がある者が見れば非凡な才能と圧倒される魔力操作技術だった。
それら魔術を、“ネロスの異常な魔法障壁が相殺してしまった“。
ネロスが今、異常なのだ。
「ベラトゥフ 今すぐにこのバカの死霊術を解きなさい」
『なんですって!?』
「目的を言えよ。理由はなんだ……彼女がお前に何かしたのか」
「目的? もちろん、“分岐点“へと一刻も早く進み、次の道標を知るために決まってんじゃない」
「なんだよそれ、そんなことが理由になるかよ」
「それは私の台詞よ。
世界の命運を左右する選択を前に、たかが“餌“の人生が有意義だったか、人道的だったかなんざどうでもいいのに。
そもそも、御飾りでも王族なんでしょ、あの女。
税金納める大切な民を守るべく、悦んで魂を捧げとけばいいものを。失うものなんて大して持ってないくせに生きたくなっちゃって、見窄らしいったらありゃしない」
ネロスは歯軋りをして、剣の柄が割れるほど握り締めた。
視界が引き絞られる、目の奥の熱感。
こめかみが引き攣り、空っぽの筈の胸が煮え滾る。熱せられた蒸気が肋間から噴き上がり、魂が魔に溶けていく。
この期に及んで───復讐心で剣を握るネロスを魔女は茶化し……そればかりか、マイティアを愚弄した。
彼の脳裏に浮かぶは、血の臭いを纏い、冷たくなったマイティアの死体だ。隠してやることも叶わない無数の傷、ろくな治療も受けられなかった折れたままの足、渇き、飢えた……小さな女の子。
見窄らしい?
悔しくて恨めしく、心底腹立たしい。これは殺意だ。ネロスにもわかった。この憤怒に呑まれたら取り返しがつかなくなる。超えてはならないと理性が曰う一線をへし折らんばかりに踏み込んでいる。だが。
『魔物になるような腐った奴らと、あなたが言う……まだ人である者すらも殺し始めてしまったら 他の誰より、あなたが魔物になってしまうわ』
マイティアはかつて、ネロスに人を殺さないよう諭してくれたが……彼にはもう……そんなことはどうでも良かった。だって、死霊(魔物)になってしまったのだから。
だって。
マイティアに死(女神になること)を強いた連中は
自分たちは神に祈り縋りながら
彼女の人としての生命を、その自由を冒したんだぞ?
何もかも彼女から取り上げておいて、失うものは何もないだって?
畜 生
腐 っ た 奴 ら め
「 殺 し て や る ! 」
ネロスは乾いた枝を軸足で踏み砕き、跳躍した。自ら上空───結晶樹を溶かす程の濃い瘴気の中───へ高く飛びあがった。
『待ってネロ───っ! 』
瞬く間にネロスの身体に入り込む瘴気が渦をなし、彼の手を通じて連結された聖剣へと雪崩れ込む。
ベラトゥフは思わず自分の魂を守るために聖樹の魔力で自身の魂を覆って、ネロスとの連結を断った───。
ベラトゥフと聖樹の魔力から解き放たれ、魔抜きになった海綿状の聖剣は高濃度の魔に漬け込まれたことで禍々しく黒ずんだ───瘴気に被われた“魔剣“となり───ネロスは眼下へそれを振り下ろした。
ナラ・ハの森の上空に無限と思えるほど漂う瘴気をも味方につけた剣圧が森に放たれると、結晶樹の森は上から圧し潰された。
圧死から逃れた原生生物も押し寄せる瘴気の津波で魂の残滓も残さず呑み込む。
その余波は広く、泥と上澄みの様に隔絶されていた瘴気と、辛うじて人が生きていける空間との境目が失われ、辺り一面に瘴気が吹き荒れていく。溶け残っていた結晶樹は、既に溶け始めていた。
しかし、地上へと着地したネロスの目には、明らかな歪みが映っていた。
遮る木々が踝の高さまで圧し潰れ、炭化した草と生き物だった泥に塗れた地上に、人一人分の歪みが確かにある。
「まったく……躾がなってないわ」
空気のカーテンを開けるよう、傷も汚れもついていないレキナが現れ、ベラトゥフを戒めた。
「死霊術は使役死霊に如何なる自由も許してはいけない。
魂の完全支配、それが死霊術の基本。そんなことも出来ないの?」
『ハァ~ッン!? 誇り高きエルフの風上にも置けない魂売りな裏切り女めこんちくしょう! 腹下しなさい! 腹に贅肉こさえて後悔しなさいッッ!!バァアカッ! 豚バラナスビッ!』
「なにその例え方、キモ」
『ムキィイイ!』
ベラトゥフがそう喚き散らすが、ネロスにベラトゥフの言葉が理解できていない。ネロスの耳には、ベラトゥフの鳴き声とレキナの返答しか聞こえていない。
ネロスは明確な殺意を持ってレキナを襲撃した。
レキナは幻の自分を駆使してネロスの猛攻を逸らし、歩きながら魔剣を躱していった。吹き荒れるエバンナの瘴気も、撒き散らされるネロスの強い瘴気の影響も受けていないかのように見えたが、瘴気を込めた魔剣が地面を掠めながら地から空へ振り上げられた。掠めた地面に吸収されてきたネロスの瘴気が一瞬の間を置いて蒸気のように噴き上がり────レキナはかなり遠めに転移した。
距離を取った上に、透過の変性術で身を隠し、幻視の幻惑術でレキナの位置を惑わせる。彼の理性に幻惑術への警戒心が残っているのが不幸中の幸いか、なかなか踏み込んでは来ることはなかった。
『ネロス……ネロスお願い もうやめて 話をしましょう
あなたはわかる子だから お願い……』
ネロスの身体は、羽織っていた自身の肉体が腐り落ち、灰白色の骨と、黒い血管状の魔力管だけの姿になってしまっていたが、更に、絶えず周囲の瘴気を浴び続ける骨格は大きく変形し始めていた。
手足は無骨に太く、尾骨は骨が増えて分裂し、蛇腹状の尾へと変わり
細い肋の一部は背骨と癒合しながら分厚く、背骨の棘突起が外側へ大きく突きだして
生え揃った歯は牙のように尖り、丸く抜けた眼窩は睨む目つきを表すように細く拉げていく……。
「ハッ! 死霊に説法聴かせて言うこと利くなら死霊術も神聖術も要らないわよ」
『───どうしてそんなヒドいこと言えるの! 性悪腹黒女ッ!
ネロスは苦しんでるのよ! あんたのせいでミトちゃんを! 好きな人を殺されかけたんだから!』
「は? 殺され、かけた?」
レキナは声を裏返した。
「まさかっ───死んでいないの?!」
感情的になったレキナの僅かな隙 ネロスは転移魔術並みの一瞬で、レキナの本体の喉に掴み掛かり
『ネロス!』顔面に魔剣を突き立てようとしたネロスを、ベラトゥフは死霊術で引き止めた
だが、絶対的な支配であるはずの死霊術でも持て余し始めているのか、ネロスの腕は完全には止まらず、剣先がレキナからズレて地面に刺さっただけだった─── ならば、と 喉を潰そうと左手の指がレキナの細い首に食い込む 寸 前 で
唐突に ネロスは振り返り 何かに掴まれた
「この前は世話になったなァ?」
1度聴けば忘れない 低くおぞましい声
「殺す」
ゲドが ネロスの頭を握り潰した
2022/10/22改稿しました