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勇者の死霊術  作者: 山本さん
第一部
31/212

第15話① 虫の知らせ

 


 王国と地底国の国境でもあるレコン川を、漁船に乗せて貰い、神国方面へと南下した。

 レコン川が内海へと出るレコン滝の手前───対岸の地底国側で船を降り、北西方向に向かうと地竜平原に出る。この大きな平原を、各地に点々と残るエルフの町を経由していき……予定では、六月七日頃の夕方に、ナラ・ハの森の南端に到着するつもりでいた。



 女神期832年 王国冬季 六月五日



 だだっ広く長い道中、私たちはナラ・ハの森の手前にある、ペテロという町へと向かう商人の馬車とすれ違った。近くの町で荷物運び等の雑用もこなしてくれる傭兵を雇うつもりだったという老エルフに、報酬代わりに荷馬車に乗せて欲しいことを伝えると、快く受けてくれた。


 ゴトゴト、ゴトゴト……予想以上に馬車が揺れる。短い栗毛の老いた西馬が、久々に走れることを喜ぶかのように跳ねるからだ。年季の入った車輪が青い草原に入るといよいよ、たてがみをくすぐる南風に押されて舞い上がり、馬車は帆を張る船の如く進み出す。

 老エルフはただただ馬を自由に走らせるかのように手綱を緩く持ち、時折、左右に方向を調整するだけ。町中や、人や獣、魔物までも飛び出してくる道中では考えられないほど、馬車は速く駆ける。荷物が傷まないか心配になったが

「一部擦れた薬草の値を下げるか? どうせ磨り潰しちまうのに

 角っこが曲がった巻物の値を下げるか? 中身の魔法陣は無事なのに」

 と、老エルフは笑った。


 魔物の出現も少なく、獣もほとんど出ない……だだっ広く平穏な地竜平原を、小さな荷馬車の後方で足をぶら下げ、爽やかに吹き抜けていく風に涼む。

 まるで本当に、快適な旅であるかのようだった。


「グラッパの言ってたオリハルコンってさ、どういう石なの?」


 私は日記を書きながら、片手間に答えた。


「魔石の1つよ。人が加工できる鉱石の中で最も硬く、魔力補正が高いのがオリハルコン。竜血晶とも呼ばれていて、色は黄金から琥珀色、少し赤みがかったものもある。指の爪ぐらいの大きさで重さが1キロぐらいあるらしいわよ」

「……世の常識だったらごめんね、魔石って、なんだい?」


 そういえば、今までしっかり説明したことがなかったかもしれない。

 最近、ネロスが私の予想を遥かに上回る速度で頼もしくなっていたため、彼は言葉を話せるだけで一般常識や知識にはうといのだという前提を、私は少し忘れてしまっていたようだ。


「魔力の籠もった石のことを魔石と呼ぶの。

 青い鉄鋼石こと、ミスリル鋼

 魔結晶こと、色付きクリスタル

 さっき言ったオリハルコンなどが、代表的な魔石ね。

 これに魔法陣を刻みこむ加工をしておくと、私たちが魔力を流し込むだけで魔術を使えるようになる。」

「他の石では出来ないの?」

「鉄や銅、特に鉛や水銀といった金属類は一般的に魔力を弾く性質があって、魔力抵抗が大きいの

 厳密に言えば出来ない訳ではないけど、使いにくいのは確かよ」

「この前の戦いのときさ、紙みたいのをピーンと広げて、魔術を使っていた人を見かけたけど、あれは……薄くのばした魔石ってこと?」

「いいえ、あれは別物。

 羊皮紙などの、生き物の皮を紙に魔法陣を描いたもので、多くは魔法陣を傷つけないようにくるくる丸めて保管するから、『巻物』と呼ばれるの。」

「え……生き物の皮なの?」

「さっきも言った通り、魔力を弾く性質があると使いにくいのよ。魔法陣って。

 一般的な紙に使う、原材料のパルプの木は魔力を弾きやすいの。

 だから、元々魔力を持つ生き物の皮であれば、抵抗はあまりないから……そういう理屈。

 魔物の皮を使った巻物もあるけど、加工が難しいから値段が高いみたいね」

「そうなんだ、別なんだね。紙は木から作られてるって聞いてたからこんがらがっちゃった」

「巻物は、魔石と比べて安価で、性能は基本的に一律。重みもほとんど無いから、気軽に携帯できる強みこそあるんだけど、魔法陣が強く折り畳まれたり、切れたり、濡れたりするとすぐ壊れるし、魔法陣を発動する際の熱で巻物が壊れちゃうのよ。」

「あ、確かに燃えてた……一回で壊れちゃうなんて、勿体ないね」

「一方で、魔石は……簡単に言うと石だから、丈夫なのよ。

 何度も使える耐久性は勿論、簡潔な術式のものなら装飾品として携帯しながら持続的に発動させ続ける事も出来る。

 デメリットがあるとすれば、魔法陣を描くという加工技術が難しいことと、魔石の採掘出来る場所が少ないこと、総じて高額なことかしら」

「じゃあ……魔導具ってなんだい? 時々耳にするけど、それは魔石とは違うの?」

「魔導具は道具や武具に魔法陣を組み込み、魔術効果を付与したものの総称なの。

 定義上、厳密に言えば、巻物や魔石も魔導具に入るわ。

 例えば……私の、この耳飾りも魔導具なのよ」


 ふぇ~、ネロスは目を丸くした後、眉間に皺を寄せて目を細めた。ギリギリ目で見えるかどうか、そんな繊細な魔法陣が耳飾りの底だけに刻まれている。虫眼鏡で見ても小さくて気が遠くなるだろう。これを職人たちが手で彫っているというのだから恐ろしい。


「その耳飾りの魔石には何の効果があるの?」

「防寒。基本的には体温調節で、多少なら暑さにも対応できるの」

「そっか、いつも厚着なのに汗搔かないのはそういうことなんだね

 綺麗で体温調節も出来るなんてすごいや」

「青い宝石の底にブルークリスタルが溶接されていてね、光り方が少し、クリスタルの方が鈍い、らしいんだけど……わかる?」

「ちーっともわかりません」

「私もわからない」

「え? そうなの?」

「私、美術的センスが皆無なのよ……絵画も宝石も骨董も、どれがいいのかさっぱりわからなくて……。

 だからこれはね、貰い物なの 審美眼のある、お姉ちゃんから貰ったんだ」

「お姉ちゃん?」


 お、


 思わず 喋りすぎたぁ……。


「い、いえ、なんでも なんでもないわ」

 この前の発作といい、今といい……最近、ネロスと話していると、ふとした瞬間に童心に帰ってしまう……なんだか恥ずかしい。

 私が独りでにあたふたしていると、馬車がゴトッと何かに乗り上げた。

「すまんね! 石を小さくて見逃してしもうたわ……悪いが、荷物が割れてないか見てくれるか?」

 老エルフから不意に助け船が出され、私たちは荷馬車の中の商品たちの状態を確認した。壺やら鍋やら女神像やら、雑多なものが沢山敷き詰められているが、今の衝撃で壊れた様子はない。

「これって……もしかして地図?」

 そんな中、ネロスが荷物の梱包こんぽうに使われていた簡素な世界地図を見つけて、仕事そっちのけでじーっと見つめ始めた。

「焼けて壊れた絵本の1ページさ。ちょうどサイズがいいんで梱包に使っていたんだが、欲しければ銅1枚だね」

 まあ、彼が食い入るように見つめているからプレゼントしてあげよう「え、いいの? ありがとう!」安いし。



「僕らがいるのって、この辺かな?」

 ネロスは簡素な地図の南北を逆に持ち、神国を指差した。残念ながら今いる大陸そのものを間違えていらっしゃるようだ。


 この竜の島は、大雑把に言えば“神国以外の北“と“神国の南“で”8“の字状に中心がくびれており、二等辺三角形の様な高低差がある。

 南北を繋いでいるのは地竜山脈の尾だ。王国南端のタタリ山、ネロスたちがいたキヌノ村の南にそびえる山が、神国と陸続きになっているだけで、神国は四方を海に囲まれ、標高が低い。

 一方で、神国以外の北側の大陸はおおよそ標高が高い。一部、地竜平原の西側が海に面しているものの、それ以外はほぼ山・山・山……山の隙間に国が作られるも、国を覆うのは大抵、山。尚且つ断崖絶壁だ。


 この竜の島は嫌というほど山ばかりに囲まれているのだが、島の端は山が、天変地異にでも切り落とされたかのような崖となっている。

 このことから、竜の島は太古の昔、もっと大きな大陸だったのではないか? 他の大陸が何処かにあるのではないか?

 そんな疑問を抱いた者もいたそうだが、水平線から見えなくなる程に“西“へ向かった船が、“東“の水平線から見えてきたという実験は昔から有名なのだが。


 この世界は、本当の世界の、たった一部である……。


 私はまだ、現実を受け容れない子供の様に、その言葉を信じている。信じて疑う分には、自由だから。


「地図はこの印が上。私たちはここらへんよ。

 ナラ・ハの森はココ」

「え、こっち? それにまだこんな遠いの?」

「私たちが今いる場所は、旧・シェール共和国といって、30年程前に地底国領になった地域なの。

 この広い地竜平野は歴史的に幾度も戦争が起きていて、数多の国や町が生まれては消えていったところ。

 だから、至る所が不自然に陥没していたり、砲台や塹壕ざんごう跡、破壊された城や町の跡が今も多く残っている。」

「多くの町が、ってことは凄く住み易いところなんだろ?

 その割にはだだっ広くて何もない場所なのはどうして?」

 確かに、そう言われてみればそうだ……地底国が滅んだからといってこの町は町で発展していてもおかしくないが


「“虫”が出るからだよ、坊主」


 馬車の手綱を握る老エルフが口を開いた。


「夜になると、虫が出る。人より大きな虫型の魔物で、大抵は中級だが、群れの中に指示を出す個体が居て、そいつらは上級から最上級に相当すると言われている。

 そして、奴らは人も獣も生きたまま連れ去り、魔物の巣窟そうくつと化したナラ・ハの森に連れて行くんだ。帰って来られた奴はいない。」

「戦って勝てないのか?」

「虫共は鼓膜が千切れそうな程の羽音を響かせ、空が真っ黒に染まる数で一斉にこの平野を横切っていくのさ。それで、ここらで残っていた建物もみーんな、奴らの体当たりで壊れちまった。

 罠を張るなり、魔術で対抗するなりして数百体を倒した奴らもいたがな、残りの数千体に取り囲まれてなぶり殺しに遭い……連れて行かれた。

 だから、俺たちは夜が来る前に様々な場所に作った地下壕ちかごうに潜り、虫共をやり過ごすんだ。

 お前さんら、此処らが初めてだったのなら、俺に声を掛けて正解だったな。地下壕を運営する奴らは一見いちげんさんお断りな奴らばっかり、ましてや人間となれば何処も入れてくれなかっただろうから」


 聴いているだけでゾッとするような話だった。大きな建物も道を遮る山も多く見えないこの平原の空を、人より大きな魔物が埋め尽くすなんて……先日の戦闘よりも魔物の数が多いのではないか?


「腕が立つからって試そうとするなよ

 命は大事にするんだぞ、若いの」


 そう言う老エルフの左耳は、頬から抉れていた。




 その日の夜。

 広い草原のど真ん中に突然現れる鉄の蓋。人が二人ぐらいすっぽり嵌まる大きさの蓋を外すと地下へと続く梯子はしごが現れた……老エルフの言っていた地下壕ちかごうだ。

「馬と荷馬車はどうするの?」

「馬と荷馬車は俺の召喚術だ。心配は要らんよ」

 老エルフは馬と荷馬車を、魔石の中にしまった。チラッと見えた限り、魔石の中でもオリハルコンに継ぐ一等級のパープルクリスタル……王族貴族の間でもあまりお目に掛かれない希少価値の高い代物だった。人間嫌いしなさそうな商人に偶々声をかけただけなのだが、この老エルフは案外、高尚な魔術師なのかもしれない。


 地下へと続く長い梯子をゆっくり下っていくと、灯りの付いた空間に出られた。中には暇潰しのテーブルゲーム、小洒落こじゃれたバーが備えられており、仮眠の取れる簡素な個室ベッドが穴ぼこ状に作られていた。当然のように、ベッドと言っても土の上にシートを被せただけ。魔物に襲われる心配が無い以上のメリットはなさそうだが……そのメリットが何よりも勝るのだろう。


「おお!若い人間のつがいか!珍しい!」

 地下壕には既に10数人ほどの先客がいて、その全員がエルフだった。

 中でも、顔を赤くしたドワーフとブルーエルフのガラの悪い六人組が酒を片手に賭け事をしていて、テーブルの上には脂ぎった銅貨が山積みにされ、怪しげに照っている。

 下手に言い返したりすると、これ見よがしにあの酔っ払いたちは人間に絡んでくるだろうと、私はえて無視して、そそくさ奥の個室ベッドの方へ向かったが

「〇〇〇×××〇〇〇!」

「───っ」

「ギャハハハ!」

 筆舌に尽くしがたいいやしい暴言を唐突に浴びせ掛けられた。

 此処から夜が明けるまでコイツらがいる空間にいなければならない事を思うと、最低な不意打ちだった。


 世界が一変しようとも、相変わらず一部エルフの人間差別は露骨だ。

 王国や神国という人間社会から外に出れば、浴びせ掛けられるのは嘲笑ちょうしょう卑下ひげ。魔術に秀でている者が偉い……その価値観で生きるエルフ社会にとって、人間は論外に等しい。


「ミト、ああいうのって、舐められているって言うんだよね?」

「構っちゃダメよ、ネロス 関わらない方がいい」

 そう言ってる傍から「おいおいつれねぇなァア!」でろんでろんに酔っ払った屈強なドワーフが私たちへ近付いてくる。


「賭けでもうけた分で“買って”やるっつってんだよォ、いいだろ?いいだろ?俺様の誘いを断るってんなら後悔させんぞ人間の女がァ」

「あんたに売るものは何一つないわ、失せなさい」

「失せなさいダァ!?人間風情が調子に乗ってんじゃねぇぞ!」


 パリン! 持っていた酒瓶をテーブルに叩きつけた音。

 その音に対して「あ~ぁ、怒らせた怒らせた。もう知らね」「あれは終わったわ、今夜は眠れなくなるぞ」などと連れがへらへらわらっていやがる。

 私は腰に差した剣に指を掛けつつ、一歩たりとも引いてたまるかと睨みつけた。


「あのさ、僕らはあんたに悪いことをしたのか?」


 割れた鋭い酒瓶を突きつけられたそのとき、横にいたネロスがその嗤い声に紛れないようハッキリとそう言い、私と酔っ払いの間に割り込んだ。

「ああしたとも!人間如きが俺様を無視したんだからな!」

「それで?」

「あ?」

「それだけ?」

「だったらなんだよ」 

「ああ、そう。デリカシーがないって、こうも腹が立つものだったとは思わなかったよ

 教えてくれてありがとう」


 思ってもみなかった感謝の言葉に疑問を抱いていると

「ガハハハ!そうだそうだ!人間共はそういう態度でいて貰わにゃあ困るんだよ! さあ!お楽しみはこれからだぜ!」

 何だか勘違いした奴が仰々しく笑い「!」私が気を抜いていた隙に腕を掴み、グイっと引き寄せる。

 これに、ネロスの背中が強張った。


「触れるなクソ野郎」

「は?」


 ネロスは拳の鉄鎚を振り下ろし、二回り以上も太い野郎の前腕に“関節”を増やした。

「ヒャギッ!!」

「ネロスっ」

 躊躇のない一撃に激震が走り、慌ててネロスを呼び止めようとするも彼の速さに敵うはずもなく……ネロスの足がクソドワーフの股間へ 目にも留まらぬ速度で蹴り上げたのだ。私たちよりも数倍重い体重の奴がボールの様に跳ね上がり……ドサッ、白目を向いた。見事に泡まで吹いている。


「人間如きが図に乗りやがって!!」

「受けて立ってやるよ 全員叩きのめしてやる」

「ネロス待ってやめて」


 私はネロスの左腕を引っ張るが、岩の如くビクともしない。

 野郎の連れの顔からは酒が抜け、腕を折られた仕返しとばかりに武器を抜く。当然の如く怒り狂っている。

 一触即発だ……! 私はネロスに引き摺られながら「お願いやめて!私はっ大丈夫だからっ」悲鳴をあげるが

「今やめたって同じ事を他の人にやるじゃないか それじゃダメだ」

 みるみる彼の腕に力が込められ、ガチガチに筋張り────。


「やめな、若いの」


 唐突に、彼の筋肉が弛緩した。鼻に冷気と薬草臭が触れている。

 後ろを振り返ると

「力は理性とセットで使うもんだぞ」

 携帯錬金釜から白い煙を噴き出させている老エルフがいた。錬金術に詳しくないため判らないが、私の身体も力が入らず腰が抜けそうで、奴らに至っては武器を取り落としている。筋弛緩か?


「おあいこだよ。これで終いにしな」

「冗談じゃねぇ! コッチは手を出されてんだぞ!」

「お前らは手を出してねぇって? いいや、お前らは仕返しされるだけの事をしたんだ。此処は大人しく引いておけ。

 それに、例えやり合う事になってもやられるのはお前さんたちだ。

 治療薬が欲しけりゃあ売ってやらんでもないが、安くはしないぜ」


 エルフたちは私と老エルフを強く睨みつけてきたが、危険とは程遠そうなネロスの顔を見て「……チッ!」大きな舌打ちをした。

 そして、気絶してるドワーフを引き摺って回収し、バーの奥まった部屋へと引いていった……。




2022/7/27改稿しました

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