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ゲームと現実の境目

 ティアが、データパッドに姿を現したときは驚いた。ただ、このような技術は既にあるので、受け入れる事ができた。

 現実世界の知識と言うのも、予め学習済みで、俺のマネージャー業務を、空さんから引き継いでしまった。これは、既に契約されていたらしい。失われた伝説、大所帯になっていて、空さんの負担はかなり大きかったらしい。今回、海さんもマネージャー見習いとして、ティアと一緒に俺のマネージャーをしてくれる事になっていた。俺の知らない間に・・・。

「その設定でしたら、こうした方が良いのでは?」

「主の場合、こっちの方が可能です」

「それは、面白い考えだ」

 ティア、海さん、メカニックが色々と話をしている。大絶海の設定に関して、討論中だ。

「AIに協力してもらうのは、大会規定的に大丈夫なんですか?」

「一は、結構古風な人間なんだな。そんなの当たり前じゃないか」

 空さんは、笑いながら返事をする。

「サポートAIを使った事ないのか?」

「今までは、無いですね。一度試したときは、微妙にあわなかったんですよ」

「大絶海専用のサポートAIは、大手が開発しているよ。セッティングに関して、お任せしても大会規定に違反は無い」

「それって、大企業ほど有利になるのでは?」

「日本チームで、新藤さんも使っているけど、電脳製だし、そう言う技術を競うのも今のVRスポーツのいったんだと思うよ。今まで使っていない一のほうが、逆に驚いたよ」

「何とかなっていましたからね」

「サポートツールといっても、その人の行動を分析して、最適な環境を用意すると言う物だよ」

「ティアの場合、ゲームの中の俺しか知らないはずだけど、大丈夫なのか?」

「そっちの方が、怖いかもね」

「何故です?」

「フルダイブのゲームの情報、結構謎が多いんだよ。人のどこまでを、解析しているのか、電気信号の解析だけで、あれだけの事ができるのか、実は謎の事多いらしい」

「怖い事を言わないでくださいよ」

「アンチVRな人たちの間だと、色々と陰謀めいた話は多いよ」

「そう言うの、好きなんですか?」

「結構ね」

 ニコニコと笑う空さん。

「初期の頃は、VR技術は宇宙人からとか色々噂がありましたっけ・・・」

「それを、少し今でも思っているよ」

「・・・」

「まぁ、それはさておき、今度の大会で問題が起きた」

「え?」

「次鋒のタッチーが、不参加になったと連絡があった」

「何かあったのですか?」

 タッチーさんは、同じチームではないので、別のルートで移動していたはずだ。

「入国管理で、引っかかったらしい」

「何か問題でも?」

「あいつ、半年前に交通事故のトラブル巻き込まれた時、逮捕されていたらしい」

「何をやったんですか?」

「相手を殴っていたみたいなんだよ。事故は、相手のほうに過失があったのに、そのせいで、ぐだぐだになっているみたいだ」

「コンデションも悪そうですね」

「それが、最近の成績はかなり良い。八つ当たり気味な部分があったけど、これが原因だったんだな・・・」

「それで、入国拒否ですか?」

「出国の段階で止められたみたいだ。相手がちょっと面倒らしい」

「どうするんですか?」

「新藤さんから、連絡があった。一を次縫に持ってきて、大将を要にお願いするらしい」

 要と言うのは、補欠の選手だ。あいつも、かなり波があるので少し不安だ。

「責任重大ですね」

「というわけだから、準備をしっかり頼む」

「了解しました」

 最近は、色々と調子が良いので、大舞台に出られる事は正直嬉しい。

「というわけだから、頼むな」

「はい」

 ティアと、海さんにお願いする。 

 それから時間をかけホテルに泊まり、会場に移動する。

 世界大会の決勝だけあって、かなりの盛り上がりがある。試合の前日なのに、人が多い。

「今日は何かあるのか?」

「個人戦の決勝と、跳び入りOKのミニ大会をやってるよ」

「ミニ大会?」

「主が参加する大会です」

「いつの間に決まったの?」

「先程、相談して決めました」

「そうだよ。ちょっと設定いじったから、本番前に確認して欲しいんだ」

 二人に言われたので、ミニ大会と言うのに参加してみる。これは、プロアマ問わないタイムアタック形式の大会だった。

「ここまで、変わる物なのか・・・」

 俺用にセッティングされた機体は、今までとまるで違った。

「主、どうですか?」

「最高だ」

「それはまだ早いです」

「え?」

「それは、今までのデータを元にセッティングしただけです。それを使って、データを集め、それ以上を用意して見せましょう」

「出来るのか?」

「主が協力してくれるなら。もっと私達を頼ってください」

 そういわれると、俺は自分で色々とやろうとして、他人に頼っていない気がしてきた。

「海も、あれで中々使えます。主の負担を減らすため、役立てるのです」

「そうなのか?」

「ティアは、現実世界では出来ない事が多いです。海に、出来うる事を色々とお願いしました」

「それなら、俺も頼んでみるか、あまり頼ると、空さんが怖い気がするけど・・・」

「それは、主が頑張って」

 ティアが、笑いながらそう言う。

「外の世界は、色々と理解不能。ティアは色々と勉強するから、主もティアに色々と教えてね」

「了解」

 その結果が、これなら色々と学ぶべき事は多い。頼る事も必要だろう。

 飛び込みのミニ大会では、惜しくも準優勝だった。優勝者はアメリカ代表の白虎さん。アメリカ人なのに、日本アニメ大好きで、新世界のプレイヤーでもあるらしい。

 ティアを見て、狂喜乱舞していた。シュガーの事も知っていた。物凄く、感謝された。

 彼女も、荷物持ち事件で苦しんでいた一人だった。先日、精霊と契約して、精霊武装尾手に入れたらしい。

 その後も、相談しながら準備をするした。ミニ大会の失敗を反省して、次に挑んだ。

 今回は、先鋒を新藤さんが勤め、次鋒を俺が担当。俺たち2人は、決勝リーグ戦で一度も負けなし。

 ギリギリのと決まったけど、何とか総合優勝を果たした。

 結構な額の賞金を、得ることが出来た。

 少し観光をしてから、日本に戻る。取材とか、色々あって、大変な日々を過ごした。

 映画の件が公表され、色々と注目が集まっている。

 新世界の中で、日々訓練をする。ティアや、ギルドに移籍したカイと共に、準備する。

 現実世界でも、データパットの中にティアがいて、色々と面倒を見てもらっている。

 ゲームと、現実の境界が薄れた気もする。でも、それが今の俺の日常。

 気がつけば、いよいよ大会が明日となっていた。

 気合は、充分。いざ、参る。

 

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