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火を噴く猫の鎧 その2

「まず、色々と聞きたいことがあるのでは?」

 メカニックは、怪しく笑う。

「精霊武装の改造ができると言う事は、速い段階から精霊とのつながりがあったのでは?」

「それに関しては、色々と禁則事項が邪魔をしていてね」

「色々と、面倒なシステムですね」

「そうかい?物語を盛り上がるには、色々と画期的だと思うよ」

「それは、確かに」

「情報が溢れ、人に頼り切ってしまうこのご時勢、自力で発見しなければならないと言うことに、徹底的に拘る姿勢は面白い」

「それで、ここでは何が出来るんですか?」

 これ以上深く追求しても、意味が無いと思う。なら、出来る事をするだけだ。

「色々とできるけど、先にシュガーの出来る事を確認したい」

「出来ること?」

「精霊の属性は?」

「星」

「どんな能力がある?」

「言わないと駄目か?」

 横で話を聞いている、カイをちらりと見る。

「なるほど。すまないが、カイは店番を頼む」

「ぶーぶー!」

 仲間はずれにされ、文句を言いながら立ち去る。次の大会では、的になる可能性が高い。現状こちらの手の内は隠す。

「星の精霊は、エネルギーの集まりです。無属性の、エネルギーの集合体、それを司るのが星になります」

 ティアと色々と話して判明した事だった。

「星座の力を使うとかではないのかな?」

「それは、メカニックの趣味ですよね?あの箱なんて、思いっきりあれじゃないですか!」

 隠していた箱は、小宇宙が爆発する作品の、あれを入れる箱そのものだった。

「ああいうの好きな人、多いよ。フルダイブ式のゲームで、実際に体験できない衣装と言うか、装備を纏うと、封じ込めていた感情が爆発するらしい」

「まぁ、俺も最初西洋のフルアーマー姿になったときは、色々と思いましたよ・・・」

 過去の出来事を思い出す。甲冑だけではない、未来を意識したゲームの中で、サイボーグになったときの暴れぶりは、封印したい記憶の一つだ。

「心に余裕が出来れば、見栄えを気にする人が増えるだろう」

「それについては、同意します」

「見栄えが良くて、性能もよければ、みな笑顔」

「メカニックって、善人でしたっけ?」

「酷い事聞くね、君は。僕ほど己の欲望に忠実な人はいないよ」

「その結果が、あれですか?」

 チャイナ服のカイを指差す。

「この店の生、見てるよね?」

「猫の穴ですよね?」

「そう、猫好きとしては、猫耳と猫尻尾を装備して欲しいけど、まだ完成していないんだ」

「物凄く、嫌な予感がするのですが?」

「本当なら、ティア様を、じっくり徹底的に観察したい」

「・・・」

「安心したまえ、猫に対する情熱が天元突破して、色々とかまいすぎて嫌われることを繰り返してきたので、その辺の線引きは出来ている」

「メカニック、なんかイメージ変わりすぎです」

「これも、僕だ。猫のコスプレに関しては、協力者が出来たので、猫耳姿のカイを見れる日も近いから、楽しみにしてくれたまえ」

「何で俺が楽しみにしないと駄目なんだ・・・」

「同士であろう?」

「違うと言いたいけど、見たいと言う気持ちも若干ある」

「ならばよし。同士のためにも、この新世界では協力しよう」

「その感じだと、既に何かありそうだけど?」

「勿論。デザインは、色々と考えてある。属性が不明だったので、それを組み込むだけだ」

「そんなに簡単に出来るの?」

「素材を集めてもらう必要がある」

「どんな?」

「迷宮の最下層に眠る、巨大な魔石を最低5個は欲しい」

「攻略する迷宮は、決まっているのか?」

「階層が20階のもので頼む」

「他には?」

「シュガーの戦闘スタイルと、希望があったら教えて欲しい」

「俺は基本的に、剣、刀を使う。魔導銃も使っている」

「魔法は?」

「補助として使う事が多い。剣道と、魔法を組み合わせた魔剣導を確立したいと思っている」

「古武術とか、柳生何とかとは違うのか?」

「過去の物が、現代より凄いって言う展開、正直好きじゃない」

「なるほど・・・」

「剣と魔法の世界だからね、混ぜ合わせたら、面白いと思うでしょ?」

「必殺技は、あるのか?」

「今の所、定型が2つ。要望として、爆発魔法を生かす装備が欲しい」

「どういうものを、希望する?」

「メカニック的に言うなら、バックパックかな?ロボット物のランドセルになる装備。推進力を魔法で生み出すから、補助する形にして欲しい」

「和風で?」

「元のデザインを、生かす形でお願いできる?」

「それは当然」

「あと、盾も欲しいかな」

「どうして?」

「魔砲使いと言うか、光線魔法を防ぐ方法として、盾が必要だろう。銃を持っている人も増えているから、防御力を少しでもあげたい」

「回避は?」

「やって出来ない事は無いけど、あれば助かる」

「動きの邪魔になるぞ?」

「そこは、腕の見せ所でしょ」

「そうは言うが、大きさとか、希望はあるのか?」

「メカニックと話して思い追加けど、ビームシールドみたいに、必要な時に展開できる魔力盾は作れる?」

「なるほど、可能だと思うけど、魔力が必要だぞ。大丈夫なのか?」

「その辺は、ティアがサポートしてくれる」

「任せて」

 同化しているから、声だけが聞こえる。

「星の力で、魔力を吸収できるらしい」

「それを知ったら、魔法使いは星を希望しそうだな」

「精霊の加護は、それぞれ違うらしい。同じ星でも、イメージ次第で変わるから、狙うのは難しいと思う」

「それは残念」

「狙っている属性があるのか?」

「勿論」

「猫か・・・」

「否定はしない。魔力盾を作るなら、魔石を2つ追加する」

「お勧めの迷宮は?」

「一年迷宮郡だな。それぞれ20階層の迷宮がある。12個あるから、半分で大丈夫かな」

「7個だよな?」

「半分攻略すると、1つ手に入るから、6個攻略すればいい」

「何か、ある?」

「自分の目で確かめろ。とりあえず、これは基本のデザインだ。今から慣れたほうがいいだろう」

「これは、流石にやりすぎでは?」

「これくらいやらないと、面白くないだろ?」

 メカニックに渡された、デザイン画は、どこかで見たことのあるような、無いような微妙なデザインだった。

 胸の部分は、猫の顔になっている。虎とか、龍の鎧で、この手のはあるけど、猫は無いだろう。虎っぽいけど、猫とわかる。黒猫で、瞳は蒼い。

 手甲や、具足の部分に、爪がある。背中の部分は、まだ何もない。ただ、巨大な大砲がある。

「これは?」

「遊びでつけたものだよ。動画を見て、大砲から爆発魔法で空を飛ぶのも面白いかなと思って」

「普通に、武器として使えないのか?」

「隠し武器としては、別の物が用意してある」

「どこに?」

「その鎧の名前は、火を噴く猫の鎧。一応、機能は使えるから、試してくれ」

 設定を済ませて、迷宮へと向かう。

「デートですよね?」

「これからね」

「はい」

 話しこんだせいで、ティアの機嫌が悪くなってしまった。

 迷宮攻略だけど、何とかしないと駄目かもしれない。


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