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目指す場所

 試練を断る理由は、勿論ある。天使さんに、それを説明する。

「この試練、達成者の名前は公表されますよね?」

「このイベントは、栄誉ある記録と言うことで、公表されます。勿論、匿名も可能ですよ」

「今の新世界、匿名と言うのを信じてもいいのかな?」

「・・・」

「色々と調べてみたけど、不正ギリギリの事している人いませんか?」

「いますよ」

「運営が認めるんだ」

「我々、懲罰委員会はそのために存在しています」

「その割には、結構多くない?」

「貴方の言う不正ギリギリと言うのは、どの部分かは聞きません。私達が動くのは、罪が明るみになってからです。プレイヤー同士で、明るみになっていなければ悪の道も一つのプレイスタイルです」

「その割には、PKには厳しくないですか?」

 このゲームにも、PKシステムは存在する。ただ、エリアが細かく設定されていて、初心者や、それを望まない人は安全に遊ぶ事ができる親切設計だった。

 PKへのペナルティは、厳しい。レベルダウンに、能力の低下時間の長さ、アイテムロスとは所持してるアイテムの半分を失うと言う。仮に、PKが成功しても得られる経験は2割り増し程度。相手のアイテムを2つ選んで奪えると言う旨味はある。

 なので、PKへの対応策も色々と進化していて、みんな工夫して遊んでいると言う。

「それも、覚悟の上での遊びです」

「なら、俺が試練を受けないのも覚悟の上です」

「もったいないですよ、成功すれば称号を得られます」

「それよりも、今は名前を出したくないので・・・」

「匿名でも大丈夫ですよ」

「匿名でも、今この時期の新人に試練を突破できる人がいたということで、調べられる可能で意があります」

「むぅ・・・」

「今、この時間に登録した人の数は解りますか?」

「解るけど、言えない」

「言わなくても良いです。流石に、この時期に一日1000人以上登録と言う事は無いですよね?」

「はい」

「新規参加の人は、流れ的にギルドに登録ですよね?そこを見張って、手当たり次第勧誘とかの可能性ありますよね?」

 サービス開始から3年。プレイヤーギルドの規模も大きくなっている。ギルド同士の戦争イベントもあるので、新人の勧誘合戦も激しくなっている。試練を突破できるプレイヤーは貴重だった。

「大手ギルドに参加出来るなら、良いことでは?」

「俺の目的は、剣術と魔法の融合の実験。仮想現実であってみたい事の一つ。それと、半年後の大会に参加することも目標」

「半年後の大会と言うと、最強トーナメントですね。単純な名前ですが、盛り上がる大会です。でも、参加するには予選を突破する必要ありますよ」

「その辺も調べてあります。だから、時間がありません、ギルド勧誘とか、出来れば避けたい」

「なら、仕方ないですね」

「遅れてスタートするんだ、仕方ない」

「それにしても、凄い自身ですね」

「何が?」

「試練を突破する自信があるのですよね?公表されるのは、突破した人だけです。それを、挑戦前から心配するなんて、自信家ですね」

「挑発かな?」

「いえいえ、そのような事は致しませんよ」

「まぁいい。とにかく、チュートリアルは終了でいいのかな?」

「いえ、折角なので、特別試験を開始します。これは、成功してもアナウンスは流れません」

「そんな事ができるのか?」

「私、こう見えても権限の高いGMの1人ですから。折角なのにで、貴方を試します」

 次の瞬間、強制的に転移させられた。

「貴方の相手は、あれですよ」

 そこには、ファンタジーの定番ゴブリン達。今までの敵は一匹だった。それが、今回は5匹いる。それだけで、難易度は激増する。

「おや、油断しませんか。面白くないですね。ゴブリンぐらい余裕だと侮ってくれればいいのに・・・」

 ここにいない、天使の声が聞こえる。

「仕方ない。佐藤一こと、この世界ではシュガー、参る!」

 刀を抜き、戦闘モードに切り替える。

 こうして、結局試練が始まるのだった。



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