銀幕デビュー?
新世界を作った会社。電脳研究所VR会議室に、指定された時間の30分前に着いてしまった。
色々と、落ち着かないので、速く着てしまったのだ。
「おはようございます」
「おはようございます」
マネージャーの、空さんは既に来ていた。
この人は、俺の所属するプロゲーム集団”蘇る伝説”のマネージャーだ。
それなりの規模のプロチームなので、複数の担当を持つマネージャーがいる。俺は、ラキング中間なので、いつもこの人にお世話になっている。
「一君、大金星かもしれないよ」
「新世界の事ですか?}
「色々と噂があってね、社長も気にしている」
「そうですか・・・」
「それに、精霊のイベント、僕も見たよ、おめでとう」
「新世界プレイしているのですか?」
「妹が、遊んでいて、動画を見せてもらった」
「そうですか」
「動画の配信は、やらないのかな?」
「今。勉強中です。賞金のあるゲームの方がやりがいがあったのですが、こういうのも面白いと思えるようになって来ました」
「色々と、挑戦するのはいいことだと思うよ」
「ありがとうございます」
空さんと、色々と打ち合わせをする。
大絶海の世界大会の開催が近い。決勝リーグはアメリカなので、一月はそれに時間をとられる可能性もある。
「場合によっては、向こうで新世界にログインできるように環境を作るしかないね」
「そうですね、一月ログインできないと、どうなるかわかりません」
ティアが、拗ねて出て行ってしまったら恐ろしい事になる。
「時間ですね」
「はい」
話し合っているあだに、時間になってしまった。
俺は、覚悟を決めて、話し合いに挑む事にした。
「映画化ですか?」
「はい」
相手の担当者の話は、意外な物だった。
「新しい取り込みとして、VR映画のコンテツを検討中です」
「それを、新世界で行うのですか?」
「既に起きた出来事を、総集編として計画しています」
「大丈夫ですか?」
VR映画は、色々と作られているが、失敗が多いジャンルとして有名だった。
大画面で迫力のある映像と言う売りだけど、それ以外に新鮮味が無かった。
巨匠と呼ばれる人が挑戦して、莫大な負の遺産を残した事もある。
「出来るだけ、低予算で、可能性を探ると言うのが、今回の目的でもあります」
過去の失敗に学び、予算は極力抑える方針みたいだった。
「当初の予定は、こちらの条件を達成したメンバーで、闘技場で自由に戦ってもらい、それを編集する予定でした」
プレイヤー視点や、第3者の視点を取り入れて、今までに会いアクション映画を作る計画だったらしい。
「脚本家が、今回の荷物持ちの問題を見ていて、これをオムニバス方式の、映画にしたいと言い出したんです」
「えぇ?」
「挫折した多くのプレイヤーの、願いを叶えた物語。登場人物は、初期の挫折した人から始まり、一君を主人公に最後の決戦までとします」
「今までの映像を、編集するだけですか?」
「サーバーのデータの保存、完全ではないので欠如している部分の補完と、脚本家による追加の部分も検討しています」
「俺に、役者になれと?」
「素人演技でも、かまわない、ある程度はこちらで指導しますし、今後と続く可能性もあります」
「続く可能性とは、新世界にまだ色々と話があるということでしょうか?」
「別の人物を主人公とした物語が既に5本計画されています」
「先にそちらを作ると言うのは?」
「残念ながら、インパクトの強い物を最初に作りたいのです」
「他の人は、どのような話なのですか?」
「極秘ですが、恋愛系と、謎解き系、仇討ち物語などとなっています」
「それも、面白そうなんですが?」
「それ以上のドラマが、荷物持ちの事件にはあるのです」
担当者の勢いは強かった。
結局、俺はその計画に、参加することになった。正式な契約を結び、色々打ち合わせをする。
「一君は、大絶海の大会に出場するのですよね?」
「はい」
「こちらからも、サポートしますので、頑張ってください」
「いいのですか?」
「当社の社長が、期待しているとの事なので、大丈夫ですよ」
これは嬉しい事だった。遠征費用の補助と、宿泊施設の提供。向こうでの、新世界への接続の設定などの強力をしてくれるらしい。
「この計画は、僕の規格なので、是非とも成功させますよ」
最後に、担当者と力強い握手を交わす。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
新世界への参加の、目的はこれで果たした事になる。
新しいスポンサーの獲得、
映画デビューという、予想外の事態になってしまったが、名前が売れるという事は、いいことだと思う。
当面は、新世界の中で自由に過ごして良いらしい。
今まで、慌しく駆け巡ったので、ティアと一緒に、しばらくのんびりと、ゲームの中の異世界を楽しもう。
第1部完結という感じです。
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