精霊の生贄 終
「光魔法、注目!」
中段から、上段の構えに変更する。見栄え的に、上段の方がかっこいい気がする。
中段で、普通に構えるだけで、相手を飲み込むような威圧感のある素敵な構えを見たことがある。
あの域に達するには、まだまだ到底及ばない。立ち姿が、既に違う。
俺はまだまだ未熟で、形でしか表現できない。
この注目と言うのは、相手の目を引く効果のある魔法。俺の光魔法は、視覚に影響して、相手の行動を惑わす系統になっている。
精霊王に、この手の魔法が通用するとは思えないけど、一連の流れなので、仕方ない。
「招雷!」
雷を、星の太刀に集める。
「びりびりする~~」
ティアが、嘆く。ここは我慢して欲しい。その雷のエネルギーを自分に取り込む。これで、自分の反応速度が上昇する。
「せいっ!」
一度、太刀を振り下ろす。
「覇っ!」
大きく踏み込んで、飛び上がる。加速しての突きではない。飛び上がりながら、爆発魔法を発動。
そのまま上空へと舞い上がる。
精霊王が、豆粒見えるぐらいまで上昇して、一気に下降する。
「り」
自身を流れ星にして、相手を急襲する。爆発魔法による加速が、今までよりも強い。
「う」
音が、遅れてくるほどの速度で、接近する。
「せ」
視線は、精霊王の頭。そこ目掛けて、斬りつける。
「~」
ただ、直前で行動を変更する。
「い」
精霊王より、わずかにずれた場所に、着地。落下のエネルギーを、強引に横に振りぬく。
「ざ」
虚を疲れ、予想以上のダメージが生まれる。
「ん」
抜き胴の改良とでも言うべきだろう。魔法と剣道の流派を作るのも目的のひとつ。
面を誘い、胴を抜く。
頭に意識を集めたので、精霊王は無意識にそちらをガードしていた。
直前で、強引に軌道が変わったので、ダメージが増加している。
「流星斬!」
その技名が、完成した直前、攻撃は終っていた。それだけ、一瞬の出来事だった。
「見事だ・・・」
外見上、変化は無い。ただ、その顔には冷や汗が流れていた。
「約束通り、褒美を渡そう。それが良い?」
精霊王が示した物は3つある。
・星の腕輪 精霊の秘宝 即死攻撃無効 状態異常無効 獲得経験値増加 極
・星の指輪 精霊の秘宝 特殊称号授与 条件次第で無効 特殊効果発生
・星の首飾り 精霊の秘宝 即死攻撃無効 状態異常無効 獲得経験値増加 極
上と下は、同じ効果で破格の物だった。ただ、これだと選択肢は一つしかない。
どれもセットになっていて、俺とティア用なのだろう。
前にあったあれは、その場しのぎの、大量生産品。
だけど、目の前になる物は、物凄く綺麗で、力を感じる物だった。試練で勝ち取った物だから、ある意味自分で手に入れた物になる。
「今の試練で、与えたダメージはSランク評価。秘宝を授けるに相応しい」
「ありがとうございます」
「どれを望む?」
「武装解除」
鎧武者状態を解除して、ティアを実体化する。
「手を・・・」
言われるまま、手を差し出す。
「これに決まっているでしょ」
指輪を受け取り、自分に嵌める。
その位置を見て、ティアがにやける。
「ほら」
「はい」
小さな指に、指輪をはめる。
「ずっと一緒だぞ」
「ひゃい」
大事な場面で、噛んでしまったみたいだ。照れて顔を真っ赤にして、恥ずかしさから、その顔を俺に抱きついて見られないようにする。
その瞬間、盛大な拍手が沸き起こる。
「あっ・・・」
そう言えば、周りには人が沢山いたんだった。その事を忘れていた。
冷やかしの声、割れんばかりの、大拍手。その他諸々の、怒号が響く。
「天晴れ、今回の事を記念して、精霊王の名の元に、大規模な舞踏大会を開催する」
それを聞き、大規模な声が再び沸き起こる。
「子供たちとの再契約の事もある。準備期間はこちらの世界で半年設ける。精進するが良い」
そう言って、精霊王は姿を消す。ただ消え際に一言残した。
「お主の出場枠は決定しておる。せいぜい、腕を磨くことだ」
これ、嬉しいことだけど、スポンサーの条件満たしたのかな?
>新しい称号があります。
精霊と婚約した男 契約精霊の高感度MAX 愛情度天元突破 武装状態の制限時間の解除 いつでも一緒
勇者 色々な勇者に与えられる称号 何かを成し遂げなければ、呼ばれることの無い、功績を残した物の証。名誉称号で、王国から年金が一定額支給される。
どちらかが、特殊称号だと思う。色々と、称号が増えてきた。
このゲーム、称号の多い人で100を超える称号を持っている人もいるらしい。
>運営より、メッセージが届いています。
一通のメールが来た。どうやら、話がしたいので、都合のいいと気に連絡が欲しいとのこと。
先ほどの、疑問もあるのでこちらの予定を連絡する。
すぐに返事があり、明日に話し合いをする事になった。
どんな話があるのか、今から緊張する。
そんな俺を見て、にやりと笑っていた、ティアに気づかなかったのは、失敗だったかもしれない。
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