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惨劇への道 その9

「やっと50階か・・・」

 装備を変えられたので、迷宮の探索を再開した。

 カイとの訓練で、色々と問題点も見つけられたので、それを踏まえて、迷宮を探索している。

「敵のレベルは、まだ大丈夫だな」

 上手く攻撃できれば、一撃で倒せる。

「胴っ!」

 朱色の太刀でも、色々と動けるようになった。迷宮なので、壁に気をつける必要がある。

「突きっ!!」

 魔物に刀が、深々と突き刺さる。魔物は、倒しても消えるまでに少し時間がかかる、

 こういう場合、囲まれると辛い場面になる。

「てや」

 魔物を蹴り飛ばす。蹴りの威力が上がっているので、魔物の死骸は飛ばされていく。

 その反動を利用して、次の敵に切りかかる。

「袈裟切り!」

 朱色の太刀の技を使う。単純な切り裂き攻撃だけど、技は動きが設置されているので、逆にそれを利用して体性を整える。

「しびれ切り!」

 刀に、微量の電気を流し、痺れ効果のある攻撃を試す。刀に触れた敵は、麻痺状態となる。

 数が多かったので、まとめて倒すことにする。

 刀を振り、相手に触れ、動きを止める。

 現在は、魔法を混ぜた攻撃を、色々と試している。

「乱撃!!」

 痺れた魔物から距離をとり、朱色の太刀をしまう。懐から魔導銃を取り出し、乱射する。

 これは、得意分野なので、撃ちもらすことなく、敵を倒していく。

 結界魔法で障壁を作り、それに当てて弾道を変える練習もしている。

「反射する結界があればもっと面白い事出来そうだな・・・」

 結界魔法は、まだ未知の部分が多い。

「今日はこれくらいで、いいかな?」

 レベルは多少上昇した。スキルは、蹴りレベルが上昇。中級を獲得しておく。

 爆発魔法がL8になっていた。これは、道場での訓練で多発していたからだろう。

「よる、戻るよ」

 こくこく

 後方で控えていたよるが、近寄ってくる。帰還ポイントがあるので、ここから管理室へと戻る。

「お疲れさん」

 管理人のおっさんが、話かけてくる。何度か来ているので、それなりに親しくなった。

「お、50階層を突破したのか?」

「はい」

「次からは、これを使え」

 そう言って、腕輪を2つ渡される。

「これは?」

「守護の腕輪だ」

 おっさんの話だと、俺と荷物持ちが装備して使う物らしい。

「MPを補充しておくと、攻撃から守ってくれるありがたい品だ。神様からの、贈り物だぞ」

「MPの充填はどうやるんだ?」

「専用の機械で、一回5万Gでやってるよ」

「荷物持ちの日当と比べると、暴利じゃないか?」

「神様が決めた事だから、俺にはどうにも出来ない」

「仕方ないか・・・」

 仕方ないと言う話ではない。5万Gで、よるの安全が手に入るなら、やすいものだ。

「ほら」

 よるに、腕輪を手渡す。腕輪は、目の前で消える。荷物持ちの特殊技能、空間収納に入ったみたいだ。

「今日の戦果は?」

 こくこく

 査定用の台座に、空間収納からアイテムが落ちてくる。

 大量の魔石と、ドロップアイテムが次々と出てくる。

「やけに、質が高いな?」

「質?」

「魔石の質が高いと、買い取り価格が上昇する。あんた、運がいいのか、加護を持っているのか?」

「運は、それなりにいいと思うし、猫神様からの加護のあるアイテムを手に入れた」

「それは凄いな・・・」

 査定の結果、今回の収入は6万Gだった。

「充電したら、ほとんど消えるのか・・・」

「あんたの運が良いおかげだよ。普通なら、この階層だと2万G稼げれば良い方だ」

「中々、手厳しいものなんだな」

「これが普通だよ」

「だとしたら、充填しない人もいるんじゃないのか?」

「そうだな・・・」

 おっさんの顔に、影が落ちる。

「一つ聞いてもいいですか?」

 気になっていた事を聞いてみる。

「一つならな」

 この言い方は、流行っているのだろうか?これは、下手な事は聞けない。

「荷物持ちの死亡率、もしかして物凄く高いのか?」

「旅人が連れて行く場合、3年前は、100%だった・・・。あの時ほど、神をうらんだ事は無い」

 3年前と言うのは、ゲーム開始の時期だと思う。その頃は、みんな手探りだから、犠牲者が多かったと言うことだろう。

「ここ一月は、0%だな」

 改善されたと言うことだろう。

「もっとも、お前さん以外、旅人で連れて行った人はいない」

「その前は?」

「俺が言えるのは、これだけだ」

 そう言って、おっさんは何も言わなくなった。

 背筋に、冷たいものが宿る気がした。もし、よるを失ったら?

 そんな事は考えたくない。だから、準備をしっかりしないといけない。

「荷物持ちが死んでも、装備品以外はそこ場に残るから、アイテムの心配はしなくていいぞ」

 おっさんは、棘のある言葉でそう言う。俺が心配していたのは、そのことではない。

「そっちの心配はしていない。この子のことが心配だっただけだ」

「そうなのか?それは失言だった、謝る」

「装備品は、残らないのか?」

「装備品は、迷宮に取り込まれ、宝箱に入る。それが混ざり合って、稀にレアな装備になる仕組みらしい。ドロップアイテムでも、装備品は混ざると聞いている」

「一つじゃなかったのか?」

「気分を害した事に対しての、詫びだ」

「そう言う風に感じたのは、今まで酷い旅人がいたと言う事だろ?」

「あぁ・・・。だから3回までと制限が出来た」

「3回?」

「荷物持ちを失った場合、次の荷物もを紹介できるのは2回まで。全部で3回までしか紹介しない」

「そうならない様に、頑張るよ」

「その言葉、忘れるな」

「勿論だ」


 少しの間、よると遊んでからログアウト。

 道場に出現してから、館に知らない間にいる庫とが増えていた。

 試しに、竹刀を渡したら俺達のまねをして、素振りをするようになった。

 一緒に素振りをして、時間を過ごす。

「少しの間、これないから待っていてね」

 シューティング系のゲームの大会がある、これは出場しないと駄目なので、こちらへのログインが出来ない。

 む~~~

 何となく、意味は通じているみたいで、不機嫌になる。

「戻ってきたら、100階への挑戦だから、よろしくな」

 頭を撫でながら、そう言うと、やる気に満ちた顔になる。

 その笑顔を見ながら、今日はログアウトする。

「またな」


 こくこく



 


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