逆襲 その1
「あ~~~」
最悪の気分を振り払うために、声を出してみる。
一時退避場所には、誰もいないはずだから、問題ないはずだ。
タイマーが動いていて、10:00から始まり、9:20となっている。これは10分の時間を示しているのだろう。
その間に、再準備が出来るみたいだ。
流石に、戦闘中にスキルの調整とかは出来ない。
「レベルが上がったみたいだな」
それも、いきなり15まで上がっている。ステータスポイントが14ある。レベル1ごとに1入るみたいだ。装備する物に関係する数値なので、今は割り振らない。
スキルのレベルも、大幅に上昇している。使っていない、スキルのレベルも色々と上昇している。
「何で?」
「戦闘経験を積む事で、全体的にスキルは上昇します。相手とのレベル差が大きい場合は、その上昇率も上がります」
「生産の人に不利なのでは?」
「生産行為でも、同じ事は起こります。ただ、戦闘と生産では、スキルによって上がる数値は違います」
「ありがとう」
「いえいえ」
当たり前のように、この空間に懲罰天使さんがいる。気にしたら、多分負けだ。
「折角時間があるなら、少しいじるか」
考える時間はそれほど長くないけど、スキルの上昇をする時間はある。
刀術(中級)L1 これはいきなり初級を飛ばして選択できた。上級までは、攻撃力の上昇しかないみたいなので、これを選ぶ。
投擲(初級)L1歩く(中級)L1 走る(中級)L1 蹴り(初級) L1
見ると集中(中級)L3 これは、初級を選んだらそのまま中級も選べたので選択。レベルも3まで上がっている。
自然回復と気配察知は、スキルの上昇は無かった。
光魔法 雷魔法は、レベルがそれぞれ3になった。新しい魔法は、魔法の道場に言っていないので、取得は無い。
結界魔法は、レベルが5になっている。新しく、遮音結界を習得している。
獲得したスキルポイントは、消費した分を差し引いて18。
新しくスキルを覚えるには、確認の時間が無いので後回し。
この手の、お約束称号のジャイアントキリングは無かった。
「レベル差の敵、過去に100レベルを超える差を覆した人がいるので、それが基準になっています」
こちらが何も言っていないのに、教えてくれるこの子は怖い。
「それで、続けるつもりですよね?」
「勝算がある限りはね」
「辛いですよ?」
「あれ、軽減できません?」
「出来ません」
物凄く、嬉しそうに笑う懲罰天使さん。死に戻りの時の嫌な感じは、軽減できないらしい。もっとも、これは覚悟の上。
「色々と、研究した結果ですよ。連続記録は実は無いので、モニターしっかりしています」
「・・・」
その笑顔が、怖い。
「ざっと準備は、こんな所かな・・・」
「まだ時間はありますよ?」
「出来る事は、これくらいだろ?」
「アドバイスは、禁止されていませんから、少しだけ、助言してもいいですか?」
「そうだな、お願い」
「現時点でも、倒した二人のアイテムはご利用できます。武器だけでも変更してみてはどうでしょう?」
「これは、運が言いというべきなのかな?」
「弱い相手を見抜いて、消しにかかったシュガーさんの判断が良かったと思いますよ?」
「微妙に、言葉にとげを感じるのは、気のせいかな?」
「気のせいでしょう」
「そう言うことに、しておこう」
そう話しながら、入手したアイテムを確認する。一人は、鍛冶師だったみたいで、色々と武器を抱え込んでいた。
「刀があるのは、丁度いいな・・・」
試作変幻刀と言う、変わった刀がある。装備に必要なステータスが、筋力15だったの、ステータスポイントを15まで上昇させる。残りは4。
なるほど、刀身を意識して変えられる刀なのか・・・。
・試作変幻刀 攻撃力 20~40 状態により変化する。
無名の、獲得経験値上昇がなくなるのは、ちょっともったいないけど、仕方ない。スキルの合成は、鍛冶氏なら出来るけど、今は無理だ。
「あら、これは意外ですね」
「どうかしたのか?」
「2人、ログアウトしました」
「あっちの声が聞こえないのは、残念だな」
「流石に、それは許可できません」
「それは、仕方ない。ログアウトしても、負け扱いなのか?」
「ご存知ですよね?」
「タイムアウトの、強制ログアウトだけだと思っていたんだよ」
「やっぱり、それを狙いますか・・・」
「長い時間になりそうだよ」
次の2人が、道場に転送されてくる。
「っち」
出来れば、来て欲しくなかった2人が来てしまった。
「あらあら」
どうするのか、ニヤニヤしながら懲罰天使さんが笑う。
「気が乗らないけど、先手必勝しかないか・・・」
白姫と黒姫。シルバーファング所属の、人気魔法使いコンビ。情報を調べている間、何度も出てきた名前だ。
「不意打ちを繰り返したら、卑怯者とか言う称号あるのかな?」
「準備しておきます」
「しなくていいです」
そんな事を言いながら、道場へと戻るのだった。
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