進級
前々からでしたけど、時間が飛びまくりです。次回からもっと飛びます。三十話の予定でしたけど二十話ぐらいで終わっちゃいそうです。
春になって、新学期を迎えた。進級し、クラスが変わり新たな気持ちで……ということにはならない。一年の時のクラスメイト全員の名前すら覚えてない僕にとって一年時のことなんてなんの思い入れもない、つまらない、くだらない、何もない日常でしかなかった。歳を一つ重ねたそれだけでしかない。
誰とも話さなかったわけではない。何も学ばなかったわけではない。それでも、既にこの一年間のほとんどのことは忘れてしまった。楽しいことはなく。嫌だったことばかりは妙に覚えている。けれど、憎いと思うことはない。そして、良かったと思うこともない。
僕は大体のことにおいて無関心なのだろう。だから自分がぼっちであることを気にしないし、誰かが楽しそうでも妬んだりはしない。ただ、自分の不幸だけは苛立ちを覚えるから記憶に残っているのだろう。
この一年間、退屈な日々だった。おそらくこれからもそうなるだろう。でも、時が過ぎるのは意外と速く感じる。光陰矢の如しとはこのことなのだろう。
自分の送る高校生活に価値があろうとなかろうともう二年間は頑張らなければならない。深くため息をつく。そうすると僅かばかりだが苛立ちや不安が紛れて心地良い。