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独りの少年

道中は不思議と魔物に出会わなかった

この森は魔物がいない…?いやそんなことは無い、本にはどの森にも例外なく魔物がいると書いてあっ

た。

「むぅ、面白くないな」

そりゃそうだ、魔法でまだまだ試したい事があったんだ。まぁ村でいろいろ聞くか

「や、やめて!!!」

ん、なんか叫び声が聞こえる。

声の方に目を向けるとそこには、廃屋といかにも犯罪者予備軍の二人の男の内一人が剣を少年に突きつけている姿があった。

「うるせぇ、ガキ!!!…おいゴズー!このガキ黙らせて袋につめろ」

「り、了解だ兄貴、おい、お前。」

ゴズーと呼ばれた男が少年にじりじり近づく

「や、嫌…!!やめて!!!」

「兄貴、コイヅ生意気。殴っで良い?」

「ん、あぁ好きにしろ!殺すなよ?」

言うやいなやまたも近づいてく。

助けるか?いや、様子をみた方が…

「た、助けてーーー!!!!」

「う、うるせぇ!あ、あづ!!!あぢぢ!あぢ!」

「んなっ!?だ、誰だ!?」

「あーぁ…手出しちゃった。」

しまった、ついついやっちゃった。

様子を見て奇襲するつもりだったのだが…少年の悲痛な声に引かれて飛出してしまった。

さっき俺が使った魔法は道中で遊んでいた時に編み出したファイヤーボールだ。他にも色々やったがファイヤーボールが一番攻撃力があった

「う、ぐぐ。な、何すんだでめぇ」

そういってゴズーは懐から白いボールを取り出し叫ぶ

「し、召喚!!」

すると、ゴズーの傍らに豚が現れた

つか、召喚!?もしかしてヤバいんじゃねぇの!?

「おい、ゴズー!!コイツがギルドの奴等だったらどうすんだよ!!」

「あ、兄貴、コイツ弱いぜ!ぐへへ…さっきの魔法殺傷力無かった。」

「なーるほど。コイツもそのガキみてぇに調子乗って遠出してきたやつか?」

ニヘヘと笑いながらこちらを見る兄貴の方。

「な、何でも良い。オデに逆らった奴は死ねぇぇ!!!」

すると俺に向かって豚が突進してくる。

お前じゃねぇのかよ!?、って!?速!!猪みたいに速いぞあの豚!?…もしかして魔物?よくみたらあの豚…

「うおっ!!!」

すぐそばに豚が来ていたので思わず避ける。くそっ!!アイツら必死な俺を見てゲラゲラ笑ってやがる

「あ、兄貴。ガキからやろう」

「おう、そうだなゴズー。ガキが逃げない内にやっとくか」

一方少年は、と言うと

「はっ!あの間に逃げれた!?」

ゴズーが遂に少年に手を上げようとした瞬間

「うぐ、!!」

俺はゴズーと少年の間に入った。

「ニヘヘ、ゴズーその男は殺して良いぞ」

「グヘヘ、り、了解。兄貴」

こいつら、!!…いや、少年を守らねば。

「に、兄ちゃん……」

少年が俺に泣きそうな不安な目を向ける。だがその間もゴズーと兄貴の無慈悲な暴力が続く。

「お兄ちゃん…何でそこまで…?」

最もな反応だろう、俺だってここまでしてやるつもりは無かった。少年の目を見るまでは…

俺は幼い頃に親をなくした、そして天涯孤独に…いや、親がいなくなる前から天涯孤独だった。

父が突然俺に暴力を振るった。理由は俺が小学校でイジメられていたクラスメートを救ったから

何故それで?簡単だ。救った俺が次のイジメのターゲットになったから、そして父は世間体の悪さに疲れ、俺を捨てて逃げようとした。それが暴力のキッカケだ。大方俺を気絶させてどっかに捨て去ろうとしたのだろう。だが、俺は抵抗した。そして気付けば目の前に横たわる父がいた。その事件は俺の正当防衛で何の処置もなく終わった。

そのあと孤児院に預けられた。そこで俺はたくさんの孤児たちを見てきた理由は様々だろう、ただそいつらは決まって同じ目をしていた、世界に絶望した暗い目だ。

ーーーーーーーーーーーーー

「うぐぅ!…なぁお前、親、うが!…いねぇんだろ?」

余りの激痛に息絶え絶えになりながら少年に問いかける

「!?」

少年は驚きと恐怖の表情になる、だがそんな少年を暴力から守るように強く抱き締めた

「大丈夫だ、守る。守るからさ」

「に、兄ちゃ」

さっきから背中に斬撃も受けている。背中はもう見るのもいやなくらいぐちゃぐちゃだろう。でも、抱き締めた少年を怖がらせないよう声を抑える

「…!?ぅぐぅ……ぅ…ぐぁ、がぁ!!…ぅ」

「こ、コイヅ、生意気!!早く殺す!!」

ゴズーは銃を取り出し、なんの躊躇もなく俺に撃ち放った。放たれた弾は俺の背中を抵抗なく貫き心臓に達した。

「…がっ!!!……………」

その日、俺は命を失った

死んじゃったよ……

あーあ、やっちゃったよ!どうすんの!?これ!?

はぁ~!どうしよぅかなぁー!!

もう、テコ入れも出来やしねぇ!!


よし、あーきらーめよ!!!

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