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容姿や魔法の才能のせいで周りから良く思われておらず、信じていた人たちにも裏切られましたが……その後幸せへの道が拓かれました!  作者: 四季


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15話「覚悟を」

 ラルフレットに想いを伝えられてから一週間。

 その日私は彼に答えを告げることを決意した。

 使用人にその意向を伝え、夜、彼と二人で会うことにした。


「すみません、急に」

「いえいえ」


 場所はバルコニー。

 彼が想いを伝えてくれたのと同じ場所。


 今夜も星空はとても綺麗だ。


 肌寒さは変わらないけれど、それでも、あの偉大なる星々がそっと見守ってくれているから不安はない。


「あれから色々考えてみました」


 ラルフレットがごくりと唾を呑み込んだ。


「そして答えを出しました」

「……ありがとう、ございます」

「聞いてくださいますか?」

「はい。たとえどんな答えであったとしても……ガーネットさんの意思を尊重し、それを受け入れます」


 大きな決断を下すというのは怖いものだ。

 けれどももう迷いはない。

 考えることは散々してきたから。


「私も結婚したいです」


 一気に吐き出すように言った。


 訪れる静寂。心臓が鳴る。胸の奥が熱くなるほどに心臓は揺れていた。それでも視線は逸らさない。重要な局面でごまかしたり逃げたりはしたくないから。目の前にいる人をじっと見つめる。強い決意が伝わるように。


「ぜひ、お願いします」


 そう続けて頭を下げる。


「あ……ほ、本当に……」

「考え抜いて出した答えです」

「本当ですか!?」

「はい、私は心を決めました。ラルフレットさんと共に歩みたい、そう思っています。明るい未来を見つめて、隣り合って進んでいきたいです」


 彼はその頃になってようやく頬を緩める。


「よ、良かった……!」


 品格ある面に安堵の色が広がる。


「嬉しい! 嬉しいです! ガーネットさん……本当に、本当に……ありがとうございます!」


 少しして、彼は急に喜び始めた。


 淡い青の双眸に花が咲く。

 初めて出会ったあの日のように。


「お時間いただいてしまいすみませんでした」

「いえ! いえ! いいんですよ! それだけ真剣に考えてくださったということですから。むしろ嬉しいことです!」

「覚悟は決まりましたので、これからは、ラルフレットさんと共に生きていきたいと思います」


 ……ああ、勇気を出して良かったな。


 今はそう思えている。


「ガーネットさんにはなるべく負担をかけないよう気をつけますので!」

「気遣いは不要です」

「迷惑かけないよう気をつけますので!」

「夫婦となるのであれば支え合うことが大切です」

「確かに……! それはそうですね。良いことを仰いますね!」


 こんな風に喜んでもらえるなら何も心配することはなかったのかもしれない、なんて思って、それでも、悩んだ時間が無駄だったとは思わないでいようと決めた。


 だって、すべての時間に意味があったはずだから。


 あれこれ思考していたあの時間だって無意味ではないはず。

 それを経て今があるのだから。

 どんな無意味に思える時間にだって意味はあり価値もある、そう思える私でいたい。


 見上げた夜空には変わらず星たちが光っていた。


 私、言えたよ――。


 胸の内で星々にそっと感謝する。


 見守ってくれてありがとう。

 そんな風に言いたくて。


「では早速ですが、両親に話してきても良いですか?」

「一緒に行きますよ」

「構いませんか!?」

「はい。自分の決定には責任を持ちたいですので」

「あ、あ、ありがとうございますっ!!」


 ここははじまり。

 すべてが今この時から始まる。


 きっとこの先、色々な出来事に出会うだろう。山も、谷も、嵐だって、ある。それが人生だから。今の自分では想像できないようなことに出会うことだってあるはずだ。


 でも、それでも、彼となら大丈夫。


「ついてきていただいても問題ないでしょうか?」

「もちろんです」

「では行きましょう!」

「……はい!」

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